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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  重松清
出版社: 文藝春秋

  短編集。『ひこうき雲』『朝日のあたる家』『潮騒』『ヒア・カムズ・ザ・サン』『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』収録。

  『ひこうき雲』と、あとは表題作『その日のまえに』が印象に残りました。

  『ひこうき雲』は、小学校時代に、クラスメイトだったガンリュウという女の子が、遠くの病院に行ってしまったことを回想する物語。ガンリュウは、厳しく人を問い詰めてすぐに泣かすような子だったのですが、そんな子であったとしても人です。彼女の病に戸惑い、実感をもてない同級生達は心にもない慰めの言葉を送るのですが・・・

  『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』は大切な人を失う「その日」に向けて、どのように歩んでいくのか。「その日」をどのように受け入れるのか。そして、「その日」のあと、どうやっていきていくのか。そう問う連作短編。この物語において、大切な人というのが誰を指すのかと言うと、具体的には妻のこと。夫と2人の息子が残される側。

  それぞれの短編のメッセージはどこか繋がっています。そして、作中の人物同士にも微妙なつながりがあります(『ひこうき雲』に登場した学級委員が、看護師になっていたり)。

  難病や、死とどのように付き合っていくのか。とても難しい問題だなぁ、と思います。人間は誰でもいつか死にます。だから、それはどうしようもないことではあるんだけど、「やっぱりどうしようもない」などという言葉で済ませることは出来ません。どうすればいいのだろうか。けっこう著者が狙って、「死」を演出しているっぽい、というところが分かってしまうのが欠点。

  2006年第3回本屋大賞ノミネート作(5位)。


自森人読書 その日のまえに
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