自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
文字、数字には、それぞれ各々の色や形がある、とミアは感じていました。しかし、授業のとき、そう言ってみたら、「頭おかしいんじゃない」といわれてしまいました。それ以来、他の人は文字や数字には色も形があるとは思っていないと知り、彼女は家族にも親友にもその感覚を隠すようになります。おじいちゃんの葬式の日、猫が現れます。ミアはその猫におじいちゃんの魂の一部が宿っているように感じたので、その猫を飼い、愛するようになります。声がマンゴー色だったので、ミアはその猫をマンゴーとよびます・・・
共感覚を扱った小説。
馴染みのない共感覚というものが扱われているのだけど、非常に面白いです。それだけに重きを置いているわけではないからです。思春期を迎えようとしているミアの物語が展開されていきます。彼女の心の揺れ動きはじれったいけど、分からないでもないです。けど、分からないかなぁ、やっぱり。
女の子の関係というのは大変なんだなぁ、と思いました。
共感覚とは、五感のうち二つ以上の感覚が同時に働いて起こる知覚現象だそうです。人によって違うそうですが、たとえば、ただの黒い文字の羅列をみていても、その字ごとに色があるように感じられるらしいです。
世界がカラフルなのは楽しいかも知れない、と感じます。
だけど、それを表明すれば、おかしい人だと指差されてしまいます。普通と違うからと言って「おかしい人」になるのは変だなぁと思います。普通というのは、そもそもなんだろう。多数派のことなのか。
各所に顔をみせるマンゴーがかわいいです。
読んだ本
ウェンディ・マス『マンゴーのいた場所』
読んでいる最中
テリー・ビッスン『世界の果てまで何マイル』
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