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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『水晶内制度』
原発を中心に据えた女の国ウラミズモが生まれます。そこには女しかいません。女は女と暮らすか(一致派)、あるいは人形とともに暮らす(分離派)ことを求められています。そして、男は人間ではないので、人権がありません。男性保護牧場に収容されています。その国へ語り手である主人公は放り込まれます。彼女はウラミズモにきて間もないのですが、何らかの処置を施されているらしく、記憶がバラバラです。戸惑いつつも、なぜか国のために妄想を用いつつ、出雲神話を書きかえていくことになります・・・

フェミニズムを扱った小説。

原発、出雲神話、児童ポルノ規制法案、翼をはやしたワニ、ロリコン、水晶夢、国家、歴史、発光納豆、常世、ミズハノメ、ははははははは、ミーナ・イーザ、排泄、宗教、フェミニズムといった様々なものがぶちこまれています。だから、気持ち悪いのに、そのハイブリッド的というべき文体は魅力でもあります。

頻出する「うわーっ。」にびっくり。

神話の読み替え、書き換えが行われています。あまりにも強引なのですが、神話や国民文学をつくる、というのは、つまりそういうことではないのか。

男女が反転されています。そして、性差別が誇張され、増幅されているのだけど、それが故に日本のおかしさが際立っています。現実世界において女性はどれだけひどい扱いを受けているのか、と考えると怖くなってきます。

主人公のみる水晶夢は非常に美しいです。それが印象的。


読んだ本
笙野頼子『水晶内制度』

読んでいる最中
ウェンディ・マス『マンゴーのいた場所』
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