自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
『宵山万華鏡』は森見登美彦の短編集。『宵山姉妹』『宵山金魚』『宵山劇場』『宵山回廊』『宵山迷宮』『宵山万華鏡』収録。
『宵山姉妹』
バレエ教室を終え、小学生の姉妹は宵山の街へ。妹は姉とはぐれてしまい、赤い浴衣の女の子たちに導かれ・・・
『宵山金魚』
藤田は、昔から「頭の天窓が開いている」男・乙川に騙され続けています。乙川は、「超金魚」を育てている、愉快なのに怪しい不思議な人なのですが・・・
『宵山劇場』
演劇部を去ってから、ずっとぶらぶらしていた小長井は誘われ、なぜか再び熱狂の中に身を置くことになります。彼は一人の男を騙すためだけに、凄いものをつくろうとして・・・
『宵山回廊』
叔父は、夜店の骨董屋で買った万華鏡に惹かれてしまいます。なぜならばその中にかつて死んだ娘が映ったからです・・・
『宵山迷宮』
宵山の1日を繰り返し続ける男の物語。
『宵山万華鏡』
バレエ教室の帰りのこと。姉妹は宵山の中へとまぎれこんでいきます。姉は、怯える妹の手をなぜか離してしまいます。
やはり、面白いです。やはり、一つの文化を持つ古都・京都を舞台にしているところが良いのかも。独特の華やぎと影と不思議なほど馴染んだ感じがあります。マジックリアリズムと言う言葉がしっくりきます。それは浮ついてはいません。森見登美彦が描く京都にはしっかりと根付いています。
文体も比較的落ち着いているし、極端な変人は登場しません。誰にでもおすすめしやすいかも知れないと感じました。
読んだ本
森見登美彦『宵山万華鏡』
読んでいる最中
G・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』
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