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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  志水辰夫
出版社: 新潮社

  主人公は、かつて教え子に手を出して学校から追放された元教師・波多野和郎。彼は、現在では塾の講師をしていたのですが、教え子が失踪したため、再び東京へ戻り、教え子を探し出そうとします。しかし、彼には致命的な過去があったため捜査ははかどりません。そんな中、現在の事件と過去の事件が絡み合い、意外な展開を見せ・・・

  いまいち主人公に共感できなかったです。やっぱりハードボイルドは合わないなぁ。なんというか、自分勝手な痩せ我慢はする癖に結局ハッピーになって希望のもの(例えば、女)を手に入れる主人公があんまり好きになれないです。男のための「願望小説」と言われてもしょうがない。

  とくに『行きずりの街』はその色が濃いです。「高校の教員が生徒を自分の色に染めて自分のものにするが、結局破綻。けれど再びよりを戻す」という物語なので。そういう筋書きにするために、あまりにも都合よく物語が展開していくので、そこが笑えます。そこを、上手な広げ方と捉えるか、都合良すぎると捉えるかで、物語への評価は大きく変わるだろうなぁ・・・

  バブル真っ盛りの東京の風景を描写している部分は、読んでいて非常に面白かったです。今ではもっと荒廃している、のだろうか。それともそれなりに何かができつつあるのか。それにしても「東京」という都市は面白いなぁと感じます。色んな小説家を強く惹きつけるようです。

  あとは、新たな学校を設立する時にはとにかく金を集めて、横流しして、それで権力を持つ人を後ろ盾にしないといけない、という記述には溜息をつきたくなりました。自由の森学園はそういうルートを取らなかったから、大変なのだろうなぁ。

  ぎちりとした緻密な文章は読みやすくはないけど、良いです。


自森人読書 行きずりの街
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