自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
日本で布教活動に励んでいたイエズス会の教父クリストヴァン・フェレイラが激しい弾圧を受け、棄教した、という知らせが伝わってきます。フェレイラの弟子たちはそれを信じられず、日本へ向かいます。その一人であるセバスチャン・ロドリゴは、日本につくと、隠れ切支丹の中に潜伏し、キリスト教を広めようとします。ですが、江戸幕府などにすぐさま追われ、しかも、神の沈黙に直面することになり・・・
キリスト教に関する小説。史実を基にしているそうです。
信者が酷い目にあっているというのに沈黙を守っている神の心が分からず、主人公は苦悩します。そして、神を信じられなくなっていきます。神を信じる、というのはどういうことなのだろう。
最後には、壮絶な転回が待っています。
しかし、その転回には納得します。キリストは弱い者のためにあるのではないか。だけど、それもまた日本的な変容に過ぎない、ということもできるのかも知れません。
「日本は恐ろしい沼地である」と漏らすフェレイラの姿が印象的です。日本は、多くのものを外側から摂取しているようにみえます。むしろ外から来たものしかない、といってしまってもいい気がします。しかし、外からきたものをもとからあるものに変容させてしまう不気味な力があるのではないか、という指摘は面白いし、頷かされます。
読んだ本
遠藤周作『沈黙』
読んでいる最中
伊坂幸太郎『あるキング』
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