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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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著者:  桜庭一樹
出版社: 東京創元社

  鳥取県紅緑村の旧家、赤朽葉家を描いた大河小説。三部構成。

  第一部は瞳子の祖母・万葉が主人公。彼女は、山の子として生まれながら普通の若夫婦に拾われて育てられます。その後、旧家・赤朽葉家に嫁入りして、「千里眼奥様」と呼ばれるようになります。第二部は瞳子の母・毛毬が主人公。万葉・曜司の間に生まれた長女。暴れん坊で美人。レディース(暴力団)の頭として中国地方を駆け巡るのですが・・・ 第三部は瞳子自身が主人公。彼女は何事にもやる気を見出せないフリーター。祖母・万葉の衝撃的な告白を受けて、動揺するのですが真実を探し当てようとします・・・

  文章が結構読みづらくて疲れたけど、非常に面白かったです。これまで読んできた桜庭一樹作品の中では一番良かったかも知れない。こういう大河小説が好きなので、堪らなかったです。欠点もあっただろうけど、それほど気になりませんでした。桜庭一樹の最高傑作なのではないか。

  桜庭一樹は、よく「時代がどうのこうの」と問います。これまでの作品ではそれがいまいちしっくり来なかったのですが、この大河小説『赤朽葉家の伝説』にはマッチしていました。あまりにも通俗的かつありきたりな解釈でまとめてしまうので、(大学紛争を繰り広げたのは澱んだ目をした哀しい学生達とか、最近の若者は何事にもやる気を見出せない、とか)もう少し捻れないのか、とも思ったけど、そこは本筋ではないから別にどうでも良いか。

  赤朽葉タツのネーミングセンスが最高です。泪(なみだ)、毛毬(けまり)、鞄(かばん)、孤独(こどく)って、孫達に名付けるなんて凄すぎる・・・

  そして、毛毬の大活躍はおかしいです。

  第60回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門受賞作。2008年第5回本屋大賞ノミネート作(7位)。直木賞候補作。


自森人読書 赤朽葉家の伝説
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