忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[1398] [1397] [1396] [1395] [1394] [1393] [1392] [1391] [1390] [1389] [1388]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

★★★

著者:  重松清
出版社: 文藝春秋

  短編集。『ひこうき雲』『朝日のあたる家』『潮騒』『ヒア・カムズ・ザ・サン』『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』収録。

  『ひこうき雲』と、あとは表題作『その日のまえに』が印象に残りました。

  『ひこうき雲』は、小学校時代に、クラスメイトだったガンリュウという女の子が、遠くの病院に行ってしまったことを回想する物語。ガンリュウは、厳しく人を問い詰めてすぐに泣かすような子だったのですが、そんな子であったとしても人です。彼女の病に戸惑い、実感をもてない同級生達は心にもない慰めの言葉を送るのですが・・・

  『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』は大切な人を失う「その日」に向けて、どのように歩んでいくのか。「その日」をどのように受け入れるのか。そして、「その日」のあと、どうやっていきていくのか。そう問う連作短編。この物語において、大切な人というのが誰を指すのかと言うと、具体的には妻のこと。夫と2人の息子が残される側。

  それぞれの短編のメッセージはどこか繋がっています。そして、作中の人物同士にも微妙なつながりがあります(『ひこうき雲』に登場した学級委員が、看護師になっていたり)。

  難病や、死とどのように付き合っていくのか。とても難しい問題だなぁ、と思います。人間は誰でもいつか死にます。だから、それはどうしようもないことではあるんだけど、「やっぱりどうしようもない」などという言葉で済ませることは出来ません。どうすればいいのだろうか。けっこう著者が狙って、「死」を演出しているっぽい、というところが分かってしまうのが欠点。

  2006年第3回本屋大賞ノミネート作(5位)。


自森人読書 その日のまえに
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
最新TB
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]