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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『花輪の海』は、農協に勤めていたのに色々あって辞めざるを得ず、今は桃を育てている男が主人公。
彼には、いつも後悔していることがあります。友が死んだのに、その横でそれを嬉しいと感じてしまったことがあったのです・・・

大学生の頃、甘言にのせられて「空手部」に入部。そして、激しい暴行を受けることになりました。地獄の苦しみです。
とくの厳しかったのは、合宿。昼夜を問わない練習を何日間も強いられました・・・ そんな合宿の中で、OBの人たちに、深夜海に浸かりながら「千本突き」をやることを強要されます。そしてその結果友達が溺死してしまいます。そのとき彼は、友が死んだのに、合宿がこれで終わる、と思って激しい喜びを感じてしまったのです・・・・・

いやー、ほんとに壮絶です。ひどいなぁ・・・

『他人の家』は、昔強盗をしてその結果として人を殺してしまった男が主人公。
彼は、罪を償って出所します。しかし、世間はとても冷たい。彼が、かつて犯罪を犯した、と知れた途端、住むところからも追い出されてしまいます。
そんな中、鈴木さんという老人と出会います。
鈴木さんは、彼をとても厚遇してくれるのですが・・・


横山秀夫はなかなか面白いです。暗い話が多いけど、いろんなことを考えさせられます。

ただし、解説・吉野仁が、横山秀夫という作家を評して、「松本清張賞を受賞したばかりか、すでに松本清張に迫る任期と実力をそなえているといえよう」と書いているけど、それは過大評価だなぁ。

松本清張は、日本における推理小説分野の開拓者みたいなものです。横山秀夫じゃ、松本清張には全然かなわないだろう・・・ 月とすっぽんとは言わないけど、存在の巨大さが違う。


今日読んだ作品
横山秀夫『花輪の海』
横山秀夫『他人の家』


今読んでいる作品
ゴーゴリ『鼻』
角田光代『空中庭園』
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