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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  山岡光治
出版社: 岩波書店

  読むのにかかった時間はだいたい2時間くらい。2日かけて読みました。

  日本の近代に、地図作りをめぐって血なまぐさいはなしがあるということを始めて知りました。でも地図は軍事機密なんだから、当然だよなぁ、という気もしました。

  あとがきの中にでてきた「地図情報は世界を動かす」という言葉には頷きました。地図は重要なものだから、官製(つまり役人がつくっている)なんじゃないかなぁ、とまず思いました。それに、戦争をするとき、軍隊がまっさきに用意するのは、戦場となる地域の地図だ、というのを何かで読んだのを思い出しました。あと、カーナビゲーションシステム(だっけ?)のことも思い出しました。カーナビゲーションのもとになるやつは、もともとアメリカ軍が軍事目的で開発したものなんだよなぁ。

  いろいろ考えてみると地図は楽しいばっかりじゃないな、と思います。何も考えず、地図を眺めるのは楽しいんだけどなぁ・・・ ほうこうなっているのか、川がここにあって・・・ とか色々見ているのはとても面白いです。別に役に立つから面白い、というわけでしないんだよなぁ。『指輪物語』の中つ国の地図とか、そういう空想世界の地図も楽しめます。

  この本を読んで、自森を探検してみるというウェブサイトをつくりました。初めてから、ほとんど発展していないんだけど・・・ これからつくっていかないとなぁ、と思っています。


自森人読書 地図を楽しもう
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昨日、始業の会がありました。

今日から授業が始まりました。

明日は中学入試。

自由の森学園

自森人にいろいろ書いています。
★★★

著者:  佐藤多佳子
出版社: 新潮社

  映画にもなった、落語を愛する男の物語。

  26歳の今昔亭三つ葉は噺家。前座の1つ上の二ツ目。落語が大好きだけど、恋にも悩み・・・ でも女の心にはとんと疎いので、悶々とすることになります。そんな中、ひょんなことから、喋るのが苦手な人たちの師匠をやることになります。あがり症のいとこ、口下手の美女、いじめられてる小学生、赤面症の元プロ野球選手、そんな人たちに「喋り」を教えようとするんだけど、それは全然難しいことで、四苦八苦・・・ 全然うまくいかないが・・・

  文章が小気味良いです。かなり意識してやっているはずのとんとん進んでいく文章が良いです。物語としては恋愛小説になるのかなぁ。でもこの読書日記の分類の中にそれがないので、青春・学園ものにいれておきます。だいぶ違う気がするんだけどなぁ。

  今昔亭三つ葉のところへ行ったからといって、すぐさま効果テキメンという訳じゃないんだよなぁ。別に劇的に何かが良くなるという訳ではない。だけど、今昔亭三つ葉の一本気に触れて何か見つけ、自分に希望をもち、自分に「よしっ!」と言える、そんな感じだ、と書いている人がいるけど、まぁそんな感じだなぁ、と思います。


自森人読書 しゃべれどもしゃべれども
今日は、星新一の短編集『なりそこない王子』を読みました。
『死体ばんざい』『ものぐさ太郎』『合法』『なりそこない王子』『エスカレーション』『ミドンさん』『魅惑の城』『善良な市民同盟』『新しい政策』『そして、だれも・・・・・・・』『収容』『流行の鞄』を収録。

『なりそこない王子』

星新一の文章を読むと、難しい言葉と簡単な言葉が並んでいて、どこかちぐはぐな感じを受けることもあります。昔と、今とで言葉のニュアンスがかわってしまったのかもなぁ。

「乾いた」文章なのに、どこか「滑稽」なんだよなぁ・・・ 説明がはちゃめちゃで、その登場人物がどうしてそういう方向に思考をすすめていくのか、納得できない部分があります。だけどそこが面白い。

よくこの短さでこれだけの物語を展開させるなぁ、と感心します。『そして、だれも・・・・・・・』とか凄い! と思います。ただし、僕は、短編よりも長編の方が好きなので、この短さにどうしても味気なさを感じてしまうなぁ・・・


今日読んだ本
星新一『なりそこない王子』

今読んでいる本
湊かなえ『告白』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
あとは、『日本の検察―最強の権力の内側』も読みました。
『日本の検察―最強の権力の内側』

この前、キムタク演じる検事が主役のドラマ『HERO』を見ていたということもあり、『日本の検察―最強の権力の内側』を読みました。よくまとまっていて面白いです。検事の役割や、歴史等が分かります。

日本では、検察ってとても大きな権限を握っているんだと分かりました。政治の腐敗を徹底的に叩いてその不正を糺せるのは検事くらいなのだなぁ・・・ だけど、検事だって代議士と闘うのは大変だろうと思います。
検事として大活躍し、その後ヤメ検弁護士に転じてまたもや活躍、そしてやりすぎて最終的には逮捕された田中森一が書いた『反転』を読んでいると、検察も国策には逆らえないんだ、という側面も見えてきます。まぁそこは駆け引きか。

もう少し細かいことが知りたいなぁ・・・ 派閥争いのこととからさらっと語られても頭に入ってきません。まぁまずこの本で大雑把にいろんなことを知った上で、もっと別の本にあたっていけば良いか。


今日読んだ本
野村二郎『日本の検察―最強の権力の内側』

今読んでいる本
星新一『なりそこない王子』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
今日は、『チェーザレ ―破壊の創造者 3』を再読しました。
『チェーザレ ―破壊の創造者 3』

『チェーザレ』面白いです・・・


今日読んだ本
惣領冬実『チェーザレ ―破壊の創造者 3』再読

今読んでいる本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
野村二郎『日本の検察―最強の権力の内側』
今日は、マンガ『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』を読みました。

学校に行かない、不登校の子がいる家庭のことを取り上げた作品です。
説明の地の分が多いということはないし、そこまで重々しい感じではないのですっと読めます。

叱ったり怒鳴ったりするのではなくて、「ただ受け入れる」ことが大切なんだという、不登校の子を持った保護者の実感が伝わってきます。

僕は、不登校ということに関して情報科の授業の中で、色々考えてみたいなぁと思って取り上げたのだけど、やっぱりとても難しいなぁ、と思いました。不登校のことを突き詰めていくと、プライベートなところに触れてしまうからなぁ・・・

『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』


今日読んだ本
石井幸子『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』

今読んでいる本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
野村二郎『日本の検察―最強の権力の内側』
惣領冬実『チェーザレ ―破壊の創造者 3』再読


このマンガがすごい!編集部『このマンガがすごい! SIDE-B』を今日読みました。そこまでマンガを読まないので、あまり関係ないかと思ったのですが、何か面白いのはあるかなぁ、と思いながらページをめくってみました。

巻頭特集は『さよなら絶望先生』。前に面白いとすすめられて読み、面白いと思ったんだけど結局手元にないため途中で読めなくなってしまったマンガです。借りて読もうかなぁ。けどそこまでするほど面白いとは感じないんだけど・・・

オトコのベスト20にランクインしているものの中で僕が読んでいるのは、3位『よつばと!』、5位『おおきく振りかぶって』、12位『チェーザレ』、12位『ヒストリエ』くらいです。オンナのベスト20にランクインしているものの中で僕が読んでいるのは、1位『君に届け』、2位『蝉時雨のやむ頃』、4位『フラワー・オブ・ライフ』、5位『うさぎドロップ』、12位『のだめカンタービレ』かなぁ。

面白そうなのはたくさんあるんだけど、長いと面倒になってしまうんだよなぁ・・・・


今日読んだ本
このマンガがすごい!編集部『このマンガがすごい! SIDE-B』

今読んでいる本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
石井幸子『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』
『日本版 ホームズ贋作展覧会 下』を読みました。
いろんな人が、シャーロック・ホームズをだしにして物語書いているんだなぁ、と分かります。柴田錬三郎がいるのがなんだか不思議です。柴田錬三郎っていったら三国志とかそういう歴史もの書いている人というイメージがあるんだけど・・・

上巻を読んでいないのに下巻を読んでしまいました。

まぁそこそこ面白いけど、どれも傑作というほどじゃありません。とこまで力込めたわけじゃないだろうし。どれもまぁまぁです。

『日本版 ホームズ贋作展覧会 下』


今日読み終わった本
加納一郎・柴田錬三郎・阿刀田高・星新一・鮎川哲也・小栗虫太郎・中川裕朗・山村正夫『日本版 ホームズ贋作展覧会 下』

今読んでいる本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
このマンガがすごい!編集部『このマンガがすごい! SIDE-B』
石井幸子『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』
藤本雅秋/写真・坂崎千春/文『うさこちゃん』はかわいい・・・
『うさこちゃん』

写真に短い物語がくっついています。
いやぁかわいい、うさぎちゃんは。かわいいだけじゃありません、とオビに書いてあるんだけど、失恋とかいろいろな物語があります。

「泣いている写真」っていうのがあります。けどこれ実は、顔洗っているだけなんだよなぁ、とかうさぎを飼ったことのある経験者は分かります。

それにしてもかわいい・・・
それしか書くことがないのか、という感じだけど・・・


今日読んだ本
藤本雅秋/写真・坂崎千春/文『うさこちゃん』

今読んでいる本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
加納一郎・柴田錬三郎・阿刀田高・星新一・鮎川哲也・小栗虫太郎・中川裕朗・山村正夫『日本版 ホームズ贋作展覧会 下』
このマンガがすごい!編集部『このマンガがすごい! SIDE-B』
石井幸子『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』
『有元家のおせち25品』

おせちってどんなものなのだろうか、と思い、有元葉子『有元家のおせち25品』をこの前から読んでいました。とても面白かったです。甘いものが多いなぁ。もともと味付けが濃いのは、日持ちのためか・・・ 当たり前のことを今まで知りませんでした・・・

どこかから買ってくるより、できるだけ手作りのほうが良いというのには、頷きました(頷いても自分がつくるわけではないのですが・・・)。

各家庭でちょこっとずつ違うおせちがつくられているんだろうなぁ、と考えると楽しいです。いろんな家にお邪魔して食べてみたいなぁ。というか、お雑煮も地方によって全然違うというはなしを聞きました。正月旅行とかしたら面白いかも知れない。

う~ん、でもおせちをつくっている家庭って、いまどれだけあるんだろうなぁ・・・


この前から読んでいた本
有元葉子『有元家のおせち25品』

今読んでいる本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
藤本雅秋/写真・坂崎千春/文 『うさこちゃん』
加納一郎・柴田錬三郎・阿刀田高・星新一・鮎川哲也・小栗虫太郎・中川裕朗・山村正夫『日本版 ホームズ贋作展覧会 下』
このマンガがすごい!編集部『このマンガがすごい! SIDE-B』
石井幸子『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』
昨日、上巻を読み、今日は下巻を読みました。それなりに面白かったけど、第1作目の『後鳥羽伝説殺人事件』の方が、もっとどきどきします。あとがきのなかで内田康夫が自画自賛しているけど、そこまで面白いかなぁ・・・・・

天河伝説殺人事件 下

登場人物たちはそれぞれそれなりに魅力的ではあるけれど、それが絡み合うというのがあまりない気がします。
まぁけど面白いか。

『姑獲鳥の夏』 を読んだ後だからか、どんなミステリ小説も、それなりに面白く見えます・・・


今日読んだ本
内田康夫『天河伝説殺人事件 下』

今読んでいる本
有元葉子『有元家のおせち25品』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
藤本雅秋/写真・坂崎千春/文 『うさこちゃん』
加納一郎・柴田錬三郎・阿刀田高・星新一・鮎川哲也・小栗虫太郎・中川裕朗・山村正夫『日本版 ホームズ贋作展覧会 下』
このマンガがすごい!編集部『このマンガがすごい! SIDE-B』
石井幸子『いつでもあなたを愛してる―学校へ行かないあなたへ』
芥川龍之介の書いた短編『秋』を読みました。
三角関係(なのかなぁ)の物語です。

信子は、才媛として女子大学では知られていました。いずれは小説家として文壇に打って出るのだろう、と誰もが思っていたほどでした。しかしそんな女性であっても、職のことではなく、まず縁談のことを考えないといけませんでした。
信子には、俊吉といういとこがいました。文科に籍をおく学生で、彼も将来は作家になるつもりらしい青年でした。2人は信子の妹・照子をつれて、よく展覧会や音楽会へ行きました。なので、いずれ信子と俊吉は、結婚するのだろうと周囲の者からは噂されていました。
しかし、信子は全然別の男性と結婚し、さらに商事会社に就職してしまいます・・ 信子の妹・照子は、信子が俊吉を譲ってくれたのだと悟り、御詫びの手紙を姉にわたします。そうして、照子と俊吉は結婚しました。
その後、信子はそれなりの生活を送りました。
そしてある日、俊吉と照子に会いに行きます・・


劇的なドラマがあるわけではありません。
だけど、静かなドラマがあって面白いです。

読んでいると、結婚した照子と俊吉はすれ違っているようです。そして信子は、俊吉が本当に愛しているのは自分なのだと悟ります。そして、照子の不幸をみて「残酷な喜び」を感じますが、口では「照子が(俊吉に愛されていて)幸せならそれで良いのよ」と語ります。暗いなぁ・・・

う~ん・・・
結婚してうまくいかないと一生苦労したんだろうなぁと思います。当時は、軽々しく離婚ができる時代ではないだろうし。

仲は良いのに諸事情あって結ばれずその後あまり幸福な人生を歩めない、っていうのどこかで見たなぁと思うんだけど。NHK大河ドラマ『篤姫』の、篤姫と小松帯刀の2人かなぁ。思い出せません。
まぁそういうシチュエーションはいくらでもあるからなぁ。ロミオとジュリエットだってそんなようなものだし。


今日読んだ本
芥川龍之介『秋』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
内田康夫『天河伝説殺人事件 下』
今日は、内田康夫『天河伝説殺人事件 上』を読みました。
第1作目の『後鳥羽伝説殺人事件』の方が、もっとどきどきしたのになぁ、と思いました。
まぁまだ最後まで読んでいないのでなんとも言えません。

そういえば、『天河伝説殺人事件』はドラマにも映画にもなっているらしいです。内田康夫、けっこう人気があります。赤川次郎のあとを追うくらい儲けているのかなぁ。

『天河伝説殺人事件』は能楽とそれにまつわる地のことを取り上げているのでそこがまた面白いです。

『天河伝説殺人事件 上』

能楽というので、成田美名子『花よりも花の如く』を思い出しました。あのマンガは面白いです。
『花よりも花の如く』は、隔月誌の『MELODY』に掲載されています。『MELODY』の看板はたぶんよしながふみ『大奥』と清水玲子『秘密 ―トップ・シークレット―』なのだろうけど、僕はどちらかというと『大奥』よりも『花よりも花の如く』のほうを楽しみにしています。


今日読んだ本
内田康夫『天河伝説殺人事件 上』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
内田康夫『天河伝説殺人事件 下』
70アラベスク
★★★★★ 山岸凉子

69王道の狗
★★★★★ 安彦良和

68インタビュー術!
★★★ 永江朗

67近代国家を構想した思想家たち
★★★ 鹿野政直

66みみずのカーロ
★★★ 今泉みね子
★★★★★

著者:  山岸凉子
出版社: 集英社

  1970年代の物語です。主人公・ノンナは、ソビエト連邦支配下のウクライナ共和国・キエフのバレエ学校に通っていました。長身(当時「規格外」といれていた)で、荒削りな踊りのため、いつもバレエの教師である母親からは叱咤されていました。その上、優雅に踊る姉といつも比べられ、劣等感を抱いていました。

  しかし転機が訪れます。ソビエト界屈指の男性ダンサーにして、「金の星」とよばれるユーリ・ミロノフがノンナの才能を見出し、レニングラードのバレエ学校に連れていってくれたのです。その後、ノンナは新作バレエ『アラベスク』の主役に抜擢され、若くしく素晴らしいバレエダンサーとたたえられるようになります。しかし、ユーリ・ミロノフとの意思疎通に苦しみ、また「天才」と称されるいろんなダンサーとの出会いの中で、苦しみつつも成長していきます・・・

  あまりバレエマンガを読んでいないのにこんなこと言うのもどうかとは思うのですが。僕は、『アラベスク』は、バレエマンガの最高傑作じゃないかなぁ、と思っています。

  どこまでも上へ上へとのぼっていく主人公ノンナと、「天才」といわれる強烈なライヴァル達。ノンナがつまづくのは、だいたい人間関係のことです。それをひきずってバレエまでうまくいかなくなってしまうのです。嫉妬や悲しみ、それらに苦しめられつつもそれでもバレエを続けて、さらに上を目指すノンナ。バレエへの情熱と、人間としての弱さ、両方が表れていて、とても共感できる人だなぁ、という気がします。

  そして中身が濃いのに、どこまでも延々と続くということがなくて、4巻でコンパクトに収まっているのがいいです。熱い部分がぎゅっと凝縮されている気がします。


自森人読書 アラベスク
この前から、京極夏彦『姑獲鳥の夏』を読んでいました。
そこまで面白くない、というのでは控えめに過ぎるかも知れない。つまらないよなぁ。どう考えても。と読み終わってみて感じました。

姑獲鳥の夏

あんまりだ。笑うしかない・・・ 分厚いわりにたいことはないような気がします。分厚さに比して、壮大かといえば全然そんなことはない。では人の心を深く描ききっているのか、というと別にそういうわけでもない気がする。

どうして、5日もかけて『姑獲鳥の夏』を読んでしまったのか(読んでいる最中に風邪ひいて寝込みました、この本の呪いかも知れない)。もっと別の本読めばよかったなぁ。
なんだかとても疲れました・・・

あまり続編を読みたいとは思いません。


今日読み終わった本
京極夏彦『姑獲鳥の夏』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
内田康夫『天河伝説殺人事件』
★★★★★

著者:  安彦良和
出版社: 講談社

  「王道」をとるのか、それとも「覇道」をとるのか。

  明治初期、近代化に成功した日本は選択を迫られていました。アジアの進歩的な人たちと手を取り合い、「王道」を目指すのか。それともアジアに覇を唱えて、「覇道」を目指すのか。その王と覇とは、どうやらもともとは『孟子』の中の言葉のようです。「覇道」というのは、武力に拠って借り物の政治を行うことです。

  ・・秩父事件・大阪事件に関わった自由党の党員、加納周助と、風間一太郎の2人は、北海道の強制労働現場に投獄されますが、そこから脱出。アイヌ人として生きていくことにします。だけどいろんな人との出会いもあり、加納周助は朝鮮の改革派政治家・金玉均の護衛として活躍するようになります。その一方で、風間一太郎は新政府の大臣・陸奥宗光の側近として活躍するようになりました。金玉均は反対派の刺客に殺され、加納周助は打ちのめされますが、勝海舟の助けを得て、孫文と出会い、「王道の狗」たらんとして、「覇道」をいく風間一太郎と対立します・・・

  とても面白い物語です。これを読むだけじゃだめだけど(フィクションだらけだし)、これを読むと明治の頃から、辛亥革命までのアジアの歴史の流れが分かります。

  勝海舟が海千山千を経た、悪そうだけどかっこいい人に描かれているのもいいなぁ、と思いました。僕は、明治維新の立役者は勝海舟じゃないか、という気がしています。まぁいろんな研究者みたいな人が書いていることなんだけど、勝は当時最も視野のひらけた人物だったんじゃないかなぁ。彼は、日清戦争に反対していました。みんなが勝利に浮かれている中でも、中国っていう国は馬鹿でかいんだ、こんなんで勝ったと思っちゃいけない、みたいな言葉を吐いています。先の先まで読めているんだよなぁ・・・


自森人読書 王道の狗
『蟲師』が終わってしまいました・・・


面白かったのになぁ。



今日読んだ本
漆原友紀『蟲師 10』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
★★★

著者:  永江朗
出版社: 講談社

  自由の森学園の図書館にあったので手にとってみました。

  インタビューというのはとても難しいものだというはなしをよく聞きます。その通りだと思います。インタビュー次第では、まったく違う返答をもらうことになる訳です。聞き方次第で、返答が変わる。訊く、という行為はとても難しいなぁ、と思います。

  結局のところ、インタビューは虚構だ、と永江朗は言いきります。質問のしかたや、編集のしかたでどうとでもなるからです。爆笑問題の太田光もよく同じようなことを言っています。どうしても情報を伝達していく内に、抜ける部分、抜かす部分があるから情報は変質してしまいます。それはしかたないけれど、そこに目を向けてはっきり認識しないとだめだ、というのが分かりました。

  人に何かを伝えるのは難しいことです。簡単なものほど意味を伝えにくい、と辞書をつくる人が書いています。例えば、『右とか何か』とかどう説明すればいいのか、非常に難しいだろうなぁ。複雑なものだって伝えるのは難しい気がします。日本と中国の歴史認識には大きな隔たりがある、といわれます。険悪な仲だと、自分の意思すら伝達するのは難しいものです。

  いつの間にか、「聞くこと」から「伝えること」のはなしに移っていました(微妙にはなしがずれてると思ったら・・)。相手のはなしを聞き、そして自分の言葉を伝えていく、そこで歴史が生まれてくるのかなぁ、という気がします。

  社会科教員の菅間さんは、「歴史は壮大な伝言ゲーム」ということを言っています。その伝言ゲームのどこかで、「ばなな」という言葉が、「ひばな」に替わってしまうかも知れない。まぁでもそれはしかたないことです。全てを受け取り、全てを次に伝えられる訳じゃないのです。間違えることだってあるはずです。

  なんとか伝わって欲しいなぁ、と希望を持ちつつ、情報を発信して・・・ 「発信者は何を考えてるのだろう」と深く考えつつ、情報を受け取る。それを延々といつまでも繰り返していく他ないような気がします。大変なことだけど。


自森人読書 インタビュー術!
自由の森学園は休みです。
寮も、事務室もあいていません・・・

始業の会は1月8日だっけ。

自由の森学園
鋼の錬金術師
今日は荒川弘『鋼の錬金術師 21』を読みました。面白い!
ラストに向けてどんどん盛り上がっていきます。とうとうセリムが本格的に動き出します。これからどうなるんだろう。

よくあれだけたくさんのキャラクターを登場させて混乱しないなぁ、と感心します。もう読んでいる方が混乱してくる・・・


今日読んだ本
荒川弘『鋼の錬金術師 21』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
漆原友紀『蟲師 10』
鈴木淳史『「電車男」は誰なのか―“ネタ化”するコミュニケーション』を読みました。まぁまぁ面白いけど、はっきり言って当たり前のことしか書いてありません。とくに新たな視点が提示されるわけでもないので正直、そこまで興味深い点はありません。

まぁ「電車男現象って何?」っていうこことを知りたい初心者の人が読む分には分かりやすくまとまっているかも知れないなぁ。
まぁでもそうたいしたものではありません。


今日読んだ本
鈴木淳史『「電車男」は誰なのか―“ネタ化”するコミュニケーション』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』

積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』


新年1冊目。
今日は、五十嵐貴久『2005年のロケットボーイズ』を読みました。
爽快で読みやすさは抜群、ものの30分で読み終わります。傑作というほど凄いかどうかは分からないけど、快作ではあります。読んでいて、暗い気持ちになるところはほとんどありません。テレビドラマ化もされたらしいです。
0地点どころか、マイナス地点からスタートし、どこまでも疾走していく「オチコボレ」の主人公たち。ものすごくかっこ良いです。

主人公は、梶屋信介(カジシン)。彼は、居眠り運転のトラックにはねられて志望校へいけず、ある工業高校に入学。ぐちばかりこぼしていました。そうしたら、大企業の御曹司にして、その高校の理事長の息子である男に疎まれ、彼の差し金で事実上学校中から無視されるはめになります。カジシンは荒れてタバコを吸い、酒を飲み、パチンコにはまります。
そしてあるとき、運悪く酒飲んで倒れ・・・
翌日教員から呼び出され、退学になるか、それとも言いなりになるか二者択一を迫られ、退学を避けるために、なんとキューブサット(小型人工衛星、10cm×10cm×10cm)をつくるはめに。
彼は、世間では「オチコボレ」として扱われるような仲間たちととにもその課題に取り組むことにします。すると、最初は嫌々だったのに、いつの間にかそこに居場所を見つけるようになっていきます・・・


今日読んだ本
五十嵐貴久『2005年のロケットボーイズ』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
鈴木淳史『「電車男」は誰なのか―“ネタ化”するコミュニケーション』


積ん読
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