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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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ナ・バ・テア

『ナ・バ・テア』は、『スカイ・クロラ』の青空の表紙とは、対照的な紅い夕焼け。印象的です。

『ナ・バ・テア』の主人公は、草薙水素。『スカイ・クロラ』の前のおはなしです。というか、どうやら時系列的には、『スカイ・クロラ』シリーズの第1作みたいです。

面白いです。

なんとなく、『スカイ・クロラ』を映画化した押井守の言っていることが分かるような気もします。

そういえば、森博嗣の物語ってもしかして全てつながっているのかも知れないなぁ、ということをちらっと思いました。あまり読んだことがないから分からないけど・・・


読み終わった本
森博嗣『ナ・バ・テア』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』

積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『白洲次郎』

『白洲次郎』は、白洲次郎という人を特集した本。

白洲次郎はどんな人か、というと。
日本生まれながら、若い頃イギリスのケンブリッジ大学に留学。ジェントルマンとしての教養を身につけました。180センチを越す長身、端整な顔立ち等から社交界のアイドルのような存在となります。
第二次世界大戦中は、隠遁。密かに吉田茂を中心とした反戦グループと連絡をとりあい、終戦を待っていました。
戦後、吉田茂と懇意だったことから、終戦連絡中央事務局の参与となり、GHQ占領軍との交渉に当たりました。イギリスで学んだ流暢な英語をもちいてアメリカの一方的な要求をはねつけたて対話を行おうとしたため、「従順ならざる唯一の日本人」といわれました。
サンフランシスコ講和会議のときは、直前になって吉田茂の受諾演説を英語から日本語に書き直しています。
そして、占領から2年後政界を去り、その後は実業家として活躍します。

また、一方で「オイリー・ボーイ(オイルまみれの車好き)」といわれるほどの車好きでもありました。トヨタ・ソアラ開発時にはアドバイスをしたりもしています。


とてもかっこ良い人だなぁと思いました。颯爽としている、というのはこういうことを言うのかなぁ・・・


今日読んだ本
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』(再読)

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』

積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『間取りの手帖』

『念力家族』に続き、『間取りの手帖』も面白い本。
読むというよりは、見て楽しむものです。

いろんな面白い間取りが紹介されています。
こんな家にどうやって住むのだろう、と考えるのが楽しい間取りが載っています。
というより、つくった人はどういうつもりでつくったつもりなのか。う~ん分からない。

面白い間取りばかり、100こも集めた著者も凄いよなぁ・・・

自分がこんな家に住んでいたらどうするだろうか。
分からない・・ けどちょっと楽しそうな気もするなぁ、と思う間取りもあります。やたらと玄関からのびる廊下が長いひしゃく(だっけ?)みたいな形の家とか。


今日読んだ本
佐藤和歌子『間取りの手帖』(再読)

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』(再読)


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『念力家族』

笹公人『念力家族』は短歌集です。
短歌集といってもしっとりとした恋愛の歌、とかではありません。念力家族や念力学園での出来事を、短歌で詠んだものです。『トンデモ本』シリーズで紹介されていました。

「注射針曲がりてとまどう医者を見る念力少女の笑顔まぶしく」
から始まり、そういうのがどんどん続きます。

やっぱ短歌っていうのも面白いかも知れない、と思わせてくれます。

本当に面白いです。快作です。

今日読んだ本
笹公人『念力家族』

今読んでいる本
佐藤和歌子『間取りの手帖』(再読)
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』(再読)


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
日本語と日本人―対談集

『日本語と日本人―対談集』は、司馬遼太郎がいろんな人と対談していったのを集めたもの。登場するのは井上ひさし、大野晋、徳川宗賢、多田道太郎、赤尾兜子、松原正毅といった人たち。あまり僕の知っている人はいなかったです。知っているのは、井上ひさしくらいか。
読んでいて、司馬さんは対談がうまいなぁ、と思いました(まぁしっかりと編集がなされている、ということもあるのだろうけど)。はなしの持っていき方がうまくて、流れるように続いている。次から次へと話題を取り出してくるのがみごとです。

それで対談の主題は、まぁバラバラなのですが、まとめるとすると、「日本語の起源や、その発展、特徴について」。それと「日本人とは?」ということになると思います。

日本語のルーツ探しはとても面白いです。いったいどうやって日本語はできあがったのか・・・? 北か、南か、いろんな推理があるけれど、どれも当たっているような当たっていないような。

「日本語には忠も孝もない」、全部中国から輸入した言葉・概念だ、というのはその通りだなぁと思いました。もしかしたら、愛という概念も、ヨーロッパからの輸入品かもしれない。「愛は普遍である」なんて本当なのだろうか、とちょっと悩んでしまいました。

「司馬史観」の一端が垣間見えるような気がしました。けっこう面白いです。


今日読んだ本
司馬遼太郎、井上ひさし、大野晋、徳川宗賢、多田道太郎、赤尾兜子、松原正毅『日本語と日本人―対談集』

今読んでいる本
笹公人『念力家族』
佐藤和歌子『間取りの手帖』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『きのうの世界』
今日は、『このミステリーがすごい! 2009年版』『RUN!RUN!RUN!』 をよんだあと、恩田陸『きのうの世界』を読みました。

長かったので計2時間半くらいかかりました。
正直言って、厚いわりには苦労して読んだ甲斐がなかった。読み終わった後、空虚感が漂います・・・

でてくる設定とかはまぁ面白いんだけど、意表をつくような意外なものでもなくて、ふ~んという感じで終わってしまいます。
というより、もう意味が分からないから、読者には推理する楽しみすら与えられていなくて、だから自分の推理と、謎解きとをすり合わせて楽しむ、とか全然できない・・・(僕の頭が悪いだけなのかも知れないけど)

物語の語り手はどこまで信用できるか不明だし。アンフェアっていうか・・ もう「正しい」ミステリー小説の範疇からははずれてしまっている感じです。いつの間にか、事件を解くことが物語の主題ではなくなっているし。

一番最後の章(落ち)で、拍子抜けします。これなら最後の章ないほうが良いような気がする。殺人の謎を未解決のままにしておいたら、読者は怒るかも知れないけど、それと同時に「これはミステリではないんだ、不可解小説だ」というふうな思いも抱くから、納得してくれるかも・・・
だめか。もっと消化不良か。

もやもや感を楽しめ、ということなのだろうけど。
う~んむずかしい。


今日読んだ本
恩田陸『きのうの世界』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
このミステリーがすごい!
今日は、『このミステリーがすごい! 2009年版』を読みました。
いろいろ読んでみたいミステリーがあるなぁ・・・ 『告白』とか。

やっぱり、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』がぶっちぎりというほどではないにせよ、唯一200点に届いて、国内ベスト1に選ばれていました。面白いもんなぁ・・・

あと桂望実『RUN!RUN!RUN!』を再読していました。
やっぱり面白いです。中身をほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで読めました。
そうか、遺伝子のはなしとかでてきたんだっけ・・・ いろいろ書いてあること、なんかけっこうでたらめなような気がします。詳しくは知らないし、面白いからいいけど。

そういえば箱根駅伝、もうすぐです。2008年が終わって、新年になっちゃうんだなぁ・・・

『RUN!RUN!RUN!』

今日読んだ本
『このミステリーがすごい!』編集部『このミステリーがすごい! 2009年版』
桂望実『RUN!RUN!RUN!』(再読)


今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
恩田陸『きのうの世界』
インディゴの夜

『インディゴの夜 チョコレートビースト』を読みました。
1作目を読まず、2作目から読んでしまいました。

渋谷にある一風変わったホストクラブ「club indigo」。
なぜか、いろんな事件が次々と持ち込まれます。ホスト連続襲撃事件、謎の失踪を遂げた編集者のこと、強盗事件・・・ そしてあるときは、仕組まれたホストコンテストに巻き込まれたりもします。
それらを、クラブの共同経営者である高原晶と塩谷、それとクラブに勤めるホストの人たちが解決していくというもの。

あんまり生臭いはなしではなく、しかも軽くて読みやすかったです。とんとんとはなしが進んでいくなぁ・・・ あまりにもはなしが上手すぎる気もするけど、まぁ良いんじゃないか。面白いんだし。

語り手は、晶という30代の女性なのですが、その人のつっこみが楽しいです。「最近の若者のオシャレは分からない」とか。


今日読んだ本
加藤実秋『インディゴの夜 チョコレートビースト』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
ガンダム
漫画を読んだのに書き忘れていました・・・
昨日、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18』を読みました。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は面白いです。
テレビ版のガンダムをもとにしながらも、突拍子がないところは直されています。しかも、前後の物語を受けて物語を少しずつ直しているみたいなので、いろんな矛盾が解決されています(シャアの言動とか、なんとなく納得できるようになってきました。どうしてそういうふうになっていったのか、とか)。

しかも描いているのが、安彦良和さん。
安彦良和の絵は、凄く良いなぁと思います。安彦良和の描いた漫画はけっこう読みました(『虹色のトロツキー』、『王道の狗』『ナムジ』『神武』『イエス』)。まだ読めていないものもたくさんあるんだけど・・・(『ジャンヌ』等)

昨日読んだ本
安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
銀河英雄伝説

今日は、『「銀河英雄伝説」読本』を再読しました。
銀河英雄伝説の外伝や、銀河英雄点説に関連したいろんなエッセイや、インタビュー、対談がいろんな雑誌にばらばらに掲載されていました。それを1つにまとめたものです。

『ダゴン星域会戦記』が面白いなぁと思いました。

今日読んだ本
『「銀河英雄伝説」読本』(再読)

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18』
★★★

著者:  鹿野政直
出版社: 岩波書店

  幕末から、太平洋戦争にかけて活躍したいろんな人の物語。

  渡辺崋山、吉田松陰、坂本龍馬、福沢諭吉、内村鑑三、市川房枝、大杉栄、山川菊栄、中山みき、中江兆民、吉野作造、美濃部達吉、岡倉天心、河上肇、戸坂潤、出口なお、北一輝、朝河貫一などなど・・・ 合計25人の人たちのことが各6ページくらいで書かれています。一通り、明治維新から太平洋戦争までの歴史を知ってから読むととても楽しいです。

  人名を列挙しても意味が無いので、僕の気になったことだけ書いていきます。やっぱり有名人が多いなぁ、というのが気になりました。吉田松陰、坂本龍馬、福沢諭吉はものすごい有名人だし。、内村鑑三、美濃部達吉、岡倉天心といったそこらへんは教科書に載っているんじゃないかなぁ、多分。もう少し知られていない人のことを取り上げて欲しかったです。

  ぼくは、福沢諭吉のことがあんまり好きじゃありません。明治初期、最も日本に影響を与えた偉大な人なのかも知れないけど、好きになれない。やっぱり福沢諭吉が、1万円札にふさわしいような気がしません。じゃ誰がふさわしいんだ、と聞かれると答えられないけど。ぼくが勝海舟びいきだからかなぁ。

  福沢諭吉は、勝海舟のことを変節者として非難しています。でも僕は、勝海舟こそ、明治維新の影の立役者だった、と思っています。鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか?』じゃないけど。もしも勝海舟がいなかったら明治維新はなかったし、すんなりと明治新政府が成立することはなかったと思います。関東地方が焼け野原になって、双方甚大な被害がでたんじゃないかなぁ・・・

  やっぱり中江兆民は必ず登場するなぁ、と思いました。自由民権運動の先頭を走った人なので、彼を抜かす訳には行かない。あと「天皇機関説」を訴えた美濃部達吉も抜かす訳には行かないのか。

  これを読めば広くいろんな思想家のことが分かります。昔から、みんな同じこと考えてきたのかなぁ、という気がしてきます。面白いです。


自森人読書 近代国家を構想した思想家たち


東京の銀行に勤めていたのに体に異変があり、それを捨て故郷に帰った紺屋長一郎。彼は、地元で「犬探し」をやろうと思い立ち、事務所をひらきます。
しかし舞い込む依頼は、犬探しではないことばかり。「失踪した人を探してくれ」「神社の古文書の内容を解読し、歴史を調べてくれ」。そこへ高校時代の同級生・半田平吉が転がり込んできたので、彼とともにその2つの依頼を調べていくことにしました。すると何故か、その2つの事柄、微妙に関連があるようなないような・・・・・・


今日は、米澤穂信『犬はどこだ』を読みました。
最初の辺りで読み進めるのが面倒になったのだけど、進むごとに面白くなっていきました。ブラックというか、醒めきって何か悟ってしまったような主人公が面白かったです。あれで25歳なのか・・・

ハンペー(半田平吉)がラストに登場しないのは釈然としない気がしました。最後、図書館に行ったきり登場しなくなってしまう・・・ もう1人の主人公のはずなのに。最後に少し登場して欲しかったです。


今日読んだ本
米澤穂信『犬はどこだ』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
この前から読んでいた松下竜一『潮風の町』が読み終わりました。
前は豆腐屋をやっていたけれど、その後作家に転じた人の日記、みたいなものです。読んでいると、なんというか松下竜一は幻想の中に生きている人みたいな感じを受けます・・ 童話のなか、というか。

怖いなぁ。
あのように想像力豊かなのはいろんなところで楽しいかもしれないけど、普通に生きていくのは辛そうだなぁ。
しょんぼりとした寒々しい中に、夢のような美しいことを発見していくとかえって、その現実の寂しさみたいなものがひしひしと感じられるわけだから。


読み終わった本
松下竜一『潮風の町』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
米澤穂信『犬はどこだ』
冬休み。
本がたくさん読めるかと思いきや。寝てばっかりなので、全然本が読めません・・・・・ クリスマスもあったし。


1年の終わりまであと4日くらい。
なのでもうそろそろ今年読んだ本をまとめていこうかと思います。
とはいっても前半は全然記録をつけていないので、8月14日から、ということになりますが。

★★★

著者:  今泉みね子
出版社: 合同出版

  ヨーロッパ環境賞、パンダ賞、児童福祉文化賞を受賞したそうです。

  南ドイツ、ライン川の近くにある小学校の実話です。その小学校の校長先生・シェーファー先生という人が、とても面白い人で、彼は生徒にいろんな問いかけをします。生徒たちはそこからいろんなことを始めて行きます。例えば、何万本もの木の苗を町の回りに植ていったり。放課後にはミツバチをそだてたり、ジャガイモづくりをしたり。それとか、町に来る人たちの観光ガイドをして、自分達の知識を深めたり。そうして、自然にまじわる学びをしているのです。

  それで、面白いことにその小学校には、ゴミ箱が1つしかありません。環境問題について考えるためです。なにげなくたくさんのゴミ箱があったら、何も考えず当たり前に、ぽいっと捨ててしまいます。そうしないために、ゴミ箱は1つにしてしまったのです。で、そのゴミ箱には捨てて良いのは土に還るものだけ、というふうに決めました。

  すると、ものが土に還っていく過程を見えるようになります。見えやすくて、分かりやすい実践です。

  自由の森学園中学校の校長、モルゲンはドイツ人なのですが。モルゲンは、すすんでいるドイツの環境教育のことをよく話題にします。その具体例が、この本に載っているものなのだろうなぁ、と思いました。ゴミの溢れる自由の森学園じゃできなさそうだ、と僕は思いました。自由の森学園のリサイクルセンターには毎週金曜日に、膨大なゴミが集まります。よくこれだけ、捨てるものがあるなぁ、と感心するほどです。

  あと考えるに、自由の森学園は、とにかく紙ごみが多いなぁ。あとは、行事のたびに、山のように捨てるゴミの山もある。学園祭のときのねぶたなんか、学園祭終わったあと、一夜にして巨大なゴミの塊になってしまいます(しかも金属、紙、のり、木材などが組み合わさっているから厄介。木は毎年使いまわしするけど、他は全部ゴミ)。ふー、大変だ。


自森人読書 みみずのカーロ
『幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC』面白かったです。
もうこのS&Mシリーズは6作目で、ちょっと食傷気味なのだけど・・・ それでも一気読みしてしまうほど、面白いです。

奇数章だけしかなくて、偶数章は次の「夏のレプリカ」となっている、というふうになっているそうです。面白い、どうやって組み合わせるのだろう・・・

今回はマジックをする人たちが活躍します(マジシャンっていうのか)。
みんなそれなりにかっこ良いです。だけどそれより何より、犀川教授らの掛け合いが傑作です。普通に会話しているだけのはずなのに面白い。
しかも、どんどんどんどん面白くなります。1作目の頃より今のほうが面白いです。


最近読んだ本
森博嗣『幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
★★★

著者:  広河隆一
出版社: あごら新宿

  広河隆一は、フォトジャーナリストであり、また月刊写真誌『デイズ・ジャパン』発行・編集長です。『デイズ・ジャパン』は、自由の森学園の図書館にも置いてあるので、よく見ます。名前に「ジャパン」とは付いているけど、日本の問題ばかりではなく、世界の問題をぱしゃっと写しとった写真がたくさん掲載されているものです。イラク戦争のこと、アフリカやアジアの貧困の問題、パレスチナの問題、各地の紛争の問題、ゴリラ(だっけ)の大量虐殺の問題・・・・・ 凄く印象に残ります。

  だけど、その中に1枚も日本の写真が含まれないというのが気になるなぁ。日本のフォトジャーナリスト、もっと頑張れ、ということなのかなぁ。2008年度自由の森学園の、公開研究会の図書館の分科会に『デイズ・ジャパン』の編集者の方が来るので、そこらへんも聞けたら面白いかなぁ、と思いました。
そのときの詳しいことは『当日 2日目 テーマ別分科会・図書館』に書いています。

  なんだかはなしがそれた。『アメリカはイラクで何をしたか?』のはなしに戻ろう、と思います。この本は写真集です。「あごら」という雑誌をつくっている人達が編集したものだそうです。どこか大きな出版社からでていないのが印象的だなぁ、と感じました。

  イラク戦争はまだ終わっていません。アメリカはありもしないことを言って戦争を始めて、それにけりをつけることを出来ず、立ち往生してしまいました。泥沼状態と化して、戦闘はまだ続いています。いつになったら終わるのか、もう見通しがきかないような状況みたいです。そんなイラクで、生きる人たちの姿をこの写真集は、写しだしています。

  アメリカはベトナム戦争のとき、結局勝利を得られぬまま、撤退しました。圧倒的に有利だったのに、引き分けなのです。それは事実上「負けた」ということでした。なぜアメリカは撤退せざるを得なかったか? その大きな要因のひとつはメディアが、ベトナムでアメリカがどれだけ酷いことをやっているかを報道し、反戦運動が盛り上がったことにあると言われます。

  それを踏まえて今回、アメリカはメディアを抑え込む、という策に出たといわれます。戦争反対という声を圧殺してしまったのです。それで、戦争に賛成する意見が強い力を持ちました。

  しかも、堤未果が、『貧困大国アメリカ』のあとがきで書いているのですが。ルパート・マードックという「メディア王」と呼ばれる保守を代表するような人物が、20世紀フォックスとか、イギリスのタイムス紙とか買収しています(ニューズ・コーポレーション)。そんな感じで、戦争に賛成するようなのばかりが、力を持ちました。その結果が、イラク戦争という訳です。

  権力の誤りを批判するのが、メディアの1つの役割じゃないのかなぁ。とこの本を見つつ、思います。

  あと、フォトジャーナリストの長倉洋海の著書も一緒に読むと、また違って面白いかなぁ、と思いました。


自森人読書 アメリカはイラクで何をしたか?
音楽祭が終わってたくさん本が読めます。
この前からずっと読んでいた飯嶋和一『黄金旅風』が読み終わりました。凄く面白かったです。重厚さが良い、と思いました。ただしこの前も書いたように主人公の思考がもろに「近代人っぽい」感じでちょっと違和感を覚えることはありました。


読んでいて、ローズマリー・サトクリフを思い出しました。もちろん全く雰囲気が異なります。だけど、歴史をもとにした小説であることとか、情景にページを割くところとか、「めでたしめでたし」の結末が待ち構えているわけではないところが似ている気がしました。
けどまぁ全然違うか・・・ ローズマリー・サトクリフは英雄ではない人たちの生の姿を書いているのに対して飯嶋和一は人間離れしたかっこ良い英雄たちを書いているわけだから。

物語の舞台は江戸時代初期の長崎。
徳川家康の子・秀忠が大御所としていまだ力を握る一方で、家光の時代が迫る頃。
主人公は、海外との貿易により、西方一の豪商として名を馳せる末松平左衛門(二代目末次平蔵)と、長崎の火消組頭・平尾才介。2人は、長崎の人たちへの思いを胸に、内から外から迫る敵を打ち払っていきます。

幕府の国家統制が強まっていく中、民衆はどんどん締め付けられていきます。各地で、切支丹弾圧の嵐が吹き荒れます。とくにキリシタンの多い長崎など、九州では徹底的な弾圧が行われました。
海の男たちもどんどんと締め付けられていきます。貿易はじょじょに幕府に抑えられていきました。末松平左衛門は、それに対抗しようとして自分の力の及ぶ限り、色々な方策を打っていきます。

そして締め付けの一方で、鬱屈とした思いを抱える大名たちは諸外国への侵略に乗り出そうとします。それは、西洋諸国の強い反発を招くことは確実です。そうなれば、九州一の良港・長崎がまっさきに戦場となるのは確実です。末松平左衛門はその無謀なる侵略を阻止しようとします・・・

(飯嶋和一、ついこのまえ前大佛次郎賞をとったそうです。そちらも早く読んでみたいです)


今日読んだ本
飯嶋和一『黄金旅風』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
自由の森学園の音楽祭が終わってしまいました・・・
12月19、20日にありました。

楽しかったです。

自森人の方に詳しく書いています。

この前『名家老列伝 組織を動かした男たち』を読みました。
童門冬二さんの本はこれまでも色々読んできたのですが、どれもけっこう面白いです。ただしなんでもかんでも教訓として活かそうという風にはなしをもっていくのは好きになれません。


歴史小説というのは楽しむためにあるのであって、「企業戦士である自分の実生活のため」というのではなんだかつまらないです。

というか、戦国時代と現代って価値観とか、概念とか全然違うから・・・
江戸時代の人と、近代の人とでは、比較のしようがないと思うんだけど。

そういえば飯嶋和一『黄金旅風』を読んでいても同じことを思いました。なんていうか、主人公の頭が良すぎてちょっと辟易します。まるで近代人だ・・・ 江戸時代の人のはずなのに全面的に今っぽい価値観を持っているんだよなぁ。

最近読んだ本
童門冬二『名家老列伝 組織を動かした男たち』

今読んでいる本
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
★★★

著者:  若松謙一、渡部潤一
出版社: 岩波書店

  最初、扉絵(というのだろうか)のところにいろんな絵が描かれていて、気になりました。実はそれ、ガリレオが描いた天体のスケッチなのだそうです。ガリレオさんは、月をこんなふうに見ていたのか、土星をこんなふうに見ていたのか、というのが分かって楽しかったです。

  当時、まだまだそれほど発達していなかった天体望遠鏡を必死に覗き込んで、星をみていたガリレオ。凄い人だなぁ、と思います。いつの時代の誰だって、星空に興味を持つことはあるかも知れません。でも、当時だったら、それを研究しようと思いたつことはなかった、と思います。だって触ることができない、しかも行くこともできない、ただ「観る」ことしかできないのです。そういう対象に対して、ずっと関心を持ち続けるのは並大抵のことではない気がします。

  関心をもったとしても人の思考で推し量れるような生やさしいものじゃない、というふうに思ってしまう気がします。神々しい神秘的なもの、というか。

  あ、だけど、いろんな国々で占星術は発達したんだよなぁ。やっぱり、みんな夜空をしっかり見つめていたのかも知れない、という気がしてきました。「杞憂」という言葉があります。その言葉は、杞の国のある人が、天が落ちてくるんじゃないか、と心配して周囲からそれは取り越し苦労だよ、と笑われたはなしがそもそもです。そういう風変わりなことを考える人は、いろんなところにたくさんいる気がします。

  当たるのかはよく知らないけど、(当たったら面白いと思うけど。当たる訳ないんじゃないか、と疑っているんだけど)占星術は何千年も続いてきている訳だし。それに航海のときには、星(とくに重要なのは位置がほぼ変わらない北極星)を見上げていた訳だし。案外、人と星との関係は古く、深いのかもなぁ。ガリレオはその中の、とくに歴史に名を残した1人、ということなのかなぁ、と思いました。


自森人読書 みんなで見ようガリレオの宇宙
★★★

著者:  田中森一
出版社: 幻冬舎

  同じマンションに住んでいる友達の家に行ったら、多分お父さんが読んだと思われる法律の本がいろいろ置いてあって、その中にこの田中森一著の『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』が置いてあったので手に取りました。表紙に『反転』という文字があったんだけど、その『反』が白い字で、『転』が黒い字で書いてあったなぁ、そういえば。それですこし興味がわきました。

  読んでいて、とても面白いなぁ、と思いました。政治家(表社会)と、ヤクザ(裏社会)は密接につながっている、というはなしはよく聞くけど、具体的に名前までだしていて説得力のあるものはなかなかないのですが、この本は違いました。それで、読み物としても面白いなぁ、と感じました。

  田中森一という人が自分で自分の過去を語っているんだけど、面白い。青年時代、極貧にあえぎながら、そこから這い上がるようにして検事になります。そして「鬼検事」として活躍するも、嫌気がさして「ヤメ検」の弁護士となる。ちょうどバブルの頃で、彼は、政治家からヤクザまで幅広い人と付き合い、がっぽり儲けました。それで古巣の検察に目をつけられ、逮捕されて実刑判決を受けてしまう。という実話なのですが・・・

  結局大きな力(権力とカネ)が全てを支配していて、そこに正義なんてあるの? という開き直りみたいな言葉に説得力があります。

  でも、なんていうんだろう。だからなんなんだ、というか。あなただって同じ穴のムジナだろう、と言いたくなります。結局のところ、その事実を知った上で、それに乗っかって自分も大儲けした訳です。もしかしたらバブルの頃、田中森一が行った行為のために、破産して自殺した人がいたのかも知れない。上にはもっと醜い部分がある、ということを指摘する前にまず自分はどうなんですか、と聞きたくなってしまいます・・・ この本を書いてくれたことは嬉しいけど。こういう暴露本みたいのをだして、それでまた大儲けしているわけで。共感はできないなぁ。


自森人読書 反転 闇社会の守護神と呼ばれて
★★★

著者:  池田晶子
出版社: トランスビュー

  とても分かりやすいなぁ、と感じました。「哲学」というと、小難しいものを思い浮かべるけれど、そうじゃないんだ、ということに気付かせてくれる良い本なんじゃないかなぁ。まぁでも哲学ってやっぱりもの凄く難しいものだと思うけど。「ひとはなぜ、ひとを殺してはいけないのか?」という問いとか、難しいもんなぁ。「「人を殺してはいけない」というのが、当たり前すぎて説明できない」という人がいるけど・・・

  「人を殺してはいけない」というのは当たり前ではないと思います。むしろ、敵ならば「人を殺して良い」という方が今の世界の常識じゃないかなぁ。もしかしたら、「敵」は「人」として認識していないのかなぁ。語呂遊びみたいになるけど、「敵」は「的」としか見ていないんじゃないかなぁ。

  池田晶子さんはもうなくなってしまったんだなぁ・・・ もっとたくさん本を書いてほしかったのに。言葉遊びに陥らない良い本をもっと書いてほしかったです。池田晶子さんの、明解で問いかけるような文章ってとても良いのになぁ・・・

  そういえば・・・ 自分を中心に考える哲学なのか。ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインとは違うんだなぁ、と思いました。うまく説明できないんだけど。「世界はどういうふうに出来ているのか」という哲学と、「自分(意識)」ってなんだろう、という哲学の違いというのかなぁ。哲学にもいろんな種類があるのだなぁ、と思いました。


自森人読書 14歳からの哲学―考えるための教科書
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