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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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明日から、自由の森学園では入試があります。
たくさんの人が入学してくれればいいなぁ・・・

生徒はお休みです。
『レディ・ジョーカー』を読みたいです。

そういえば、もうそろそろ学年末のまとめの時期がやってきます。
学習発表会(学発)だ・・・


書き初め
自由の森学園
PR
★★★★★

著者:  水樹和佳子
出版社: 

  言葉が力を持ち、真言告(マコトノリ)と呼ばれていた古代の日本が舞台です。時代を経るごとに何故か目に見えぬ神々は姿を消していき、目に見える神々に人々は付き従うようになります。しかし、神は2派に分かれていました。一方は平和を尊ぶ亞神の神々、もう一方は争いを好む威神の神々です。

  物語は、ある集落から始まります。その村には、青比古(アオヒコ)という青年と、鷹野(タカヤ)という少年がいました。ある日、赤い布に包まれた赤子が川から流れてきます。彼女はトオコと名づけられます。トオコは、真言告(マコトノリ)をよく使いこなすようになります。それで、何故かよく不思議な傷がついていたりしました。それはいったいどうしてなのか・・・

  これは傑作だ、と読んでいて思いました。自由の森学園の図書館にもぜひ置いて欲しいなぁ。どうしてないんだろうか・・・ 月刊誌「ぶ~け」に連載されていたマンガだそうです。僕はあとから生まれたので、その連載を追っかけられない代わりに全ての物語を1度に読めてしまうのですが、ものすごく面白くてとめられなかったです。

  絵がきれいです。少女マンガっぽい感じ、というのかなぁ。美男美女しかいない。

  著者の書くとおり、全編血みどろのストーリーというのに近いです。だけど、面白い。途中までくると、最後もだいたい分かってきてしまうんだけど(よくある展開といえばよくある展開、かなぁ)、だけどやっぱり面白いです。


自森人読書 イティハーサ
この前からずっと読んでいた『ゴリラとヒトの間』がやっと読み終わりました。
『ゴリラとヒトの間』

ゴリラへの深い愛というか、思い入れが感じられる本です。

ゴリラの生活というのを網羅して、しっかりととらえています。その上でかなり、突っ込んだはなしにまで触れています。嬰児殺しの問題のこともしっかりと考察しています。

すもうとりと、ゴリラの格好は似ている、という指摘は面白いです。表紙の絵も、それです。

他の類人猿との比較なども読んでいて興味深いです。
いろいろと盛りだくさんです。

だけどあとがきにはまだまだ書き足りなかった、と書いてある・・・

山極寿一さんは自森の卒業生の保護者だそうです。
全然知りませんでした。


今日読んだ本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『三四郎』
夏目漱石『私の個人主義』
『鹿男あをによし』を今日読みました。
『鹿男あをによし』

『坊っちゃん』を読み直したあと、『鹿男あをによし』をもう1度読むと、いろんなつながりが分かって面白いです。倍楽しめる、という感じです。

だけど、『鹿男あをによし』は、それだけでも楽しめます。
不思議な設定の物語です。

以前、ドラマ化されたこともあります。それも面白かったです。そういえば近々、同じく万城目学の書いた『鴨川ホルモー』が映画化されるそうです。
いろんなメディアに取り上げられているなぁ。

そういえば。
万城目学とよく並べられるのが、森見登美彦。
2人とも京都を舞台にした物語を書いている作家です。ファンタジーっぽい、青春小説などを書いている人たちです。どこか滑稽というか、剽軽な文章がとても良いなぁ、と思います。


今日読んだ本
万城目学『鹿男あをによし』(再読)

今読んでいる本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『三四郎』
夏目漱石『私の個人主義』
『大奥 4』

今日は、『大奥 4』を読みました。
「MELODY」に連載されているので毎回読んでいるのですが、まとめて読んでみるのも、それはそれで面白いです。

男女逆転の世界のままで、幕末までたどり着くのかなぁ・・・
それとも、どこかでまた男女比がもとに戻って、史実の流れに合流していくのか。
どうなるのか、先が楽しみです。


今日読んだ本
『大奥 4』

今読んでいる本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
米澤穂信『さよなら妖精』
万城目学『鹿男あをにおし』(再読)
夏目漱石『三四郎』
夏目漱石『私の個人主義』
今、夏目漱石の作品を読んでいます。
できたら夏目漱石の全作品を読破できたら良いなぁ、と考えています。

まずは、有名な『坊っちゃん』から。
前、一度だけ読んだことがありました。
しかし断片しか覚えていなかったので、新鮮な気持ちで再び読めました。
(坊っちゃんは子どもの頃二階から飛び降りて腰ぬかした、とか、教師になったのち、生徒に「天麩羅先生」と黒板に書かれた上に「しかし四杯は過ぎるぞなもし」とからかわれ、怒った、とかなぜかそういうところだけ覚えている・・・)

江戸っ子気質の、無鉄砲で、義に厚い「坊っちゃん」が主人公。
坊っちゃんは、とにかくいたずらを尽くし、代わりにびしっと叱られて育ちます。父とも、兄とも仲が良くなくて、女中である清にだけ可愛がられました。
父の死後、清と別れ、教師となって田舎へいきます。
そこでは生徒の悪戯やら、教師内部の策謀やらにぶち当たります。それでも坊ちゃんはひるまず、しっかり怒り、愚直に自分の正義を貫き通します・・・・・

読み直してみて、万城目学の『鹿男あをによし』の面白さが改めて分かりました。『鹿男あをによし』は、『坊ちゃん』のオマージュの部分が結構あります。「マドンナ」の登場とか。
前からそれには気付いていたのに、迂闊にも見落としていた部分が多々ありました。『坊っちゃん』の作中人物・山嵐の本名って「堀田」だったんだ・・・ そして、『鹿男あをによし』のヒロインは「堀田イト」。

う~ん、読み直して良かった。
別の物語の面白さにまでちょっとだけ気付けました。

『夢十夜』も有名な作品。
「こんな夢を見た。」から始まる10の夢の物語。読んでいると、美しい情景が思い浮かびます。
難しいなぁ・・・ 何度読んでも面白いです。でも、分かるような分からないような。結局分からないです。意味が分からないと、いろいろと考えてしまいます。ミステリ小説みたいにはいかなくて、最後になってもすっきりしないんだもんなぁ・・・
そこを楽しむのかなぁ。


今日読んだ本
夏目漱石『坊っちゃん』(再読)
夏目漱石『夢十夜』


今読んでいる本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
米澤穂信『さよなら妖精』
今日は灰谷健次郎のエッセイ、『遅れてきたランナー』を読みました。
『遅れてきたランナー』

走ることによって生きることが豊かになる・・・
『遅れてきたランナー』は、そんなメッセージがこめられている本です。
だいたい下のような構成。

1章 灰谷健次郎のエッセイ
2章 淡路島座談-灰谷健次郎・高石ともや・山西哲郎
3章 わが「食学」考
4章 「住」と自然を語る
5章 沖縄・渡嘉敷島へ


エッセイの中では、灰谷健次郎がホノルルマラソンを走ったことなどが書かれています。

淡路島座談を読むと、機械文明への痛烈な批判が強く感じられます。灰谷健次郎・高石ともや・山西哲郎3人が3人とも、同じことを述べています。
う~ん、いまはその当時よりさらに状況は悪化しているなぁ・・・・・

「わが「食学」考」の中で、灰谷健次郎は食学の大切さを訴えています。
自由の森学園では、食学を一応はやっている感じだけどなぁ・・・
でも、カップめんばかり食べている人も多いです。
理論があっても実践ができていないなぁ。

「沖縄・渡嘉敷島へ」の中で、灰谷健次郎は、淡路島の自然が企業によってどんどん破壊されていくことに怒り、しかしそれを止められず、見るに耐えない。だから美しい沖縄の渡嘉敷島へ移る、と書いています。

しかし、今では・・・
渡嘉敷島の自然も昔より悪くなった、と渡嘉敷の人たちは言います。オニヒトデによって、サンゴは食いあらされ、世界一美しいといわれた海が壊されていく・・・
僕は去年、渡嘉敷に行ってその海に入ってきたけど、とても綺麗だと感じました。昔は、あれよりももっと美しかったのか・・・ どれだけきれいだったんだろう。想像できないほど凄かったのかなぁ・・・


今日読んだ本
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』

今読んでいる本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
米澤穂信『さよなら妖精』
『詩のこころを読む』

『詩のこころを読む』は、面白いです。
ずっと前に1度読んだきりだったので、再び読みました。

『詩のこころを読む』に登場する詩人の中だと、谷川俊太郎・工藤直子・河上肇といった人たちしか知りません。でも、河上肇の日本語の詩というのは読んだ覚えがありません。漢詩だけだなぁ・・・

現代日本の詩って、あんまり読んでいないなぁ・・・ たぶん、中国の漢詩のほうを、もっと多く読んでいます。

もっと読まないとなぁ。日本の詩人のものを。面白いものをみすみす見過ごしているような気分です。
日本の詩人といっても、とっさに思いつかない。

う~んどんな人がいるのだろう。
中原中也とか、原民喜とかかなぁ。
あと、まどみちおさんが思い浮かぶなぁ。


今日読んだ本
茨木のり子『詩のこころを読む』(再読)

今読んでいる本
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
『今はもうない―SWITCH BACK』

う~ん、相変わらず面白い、S&Mシリーズ。とうとう8作目。
今回は過去の事件。

騙された・・・ そういうふうなことだったのか。
今回もまた面白いです。『すべてがFになる』に次ぐくらい面白いです。

今回は、最後の解説まで面白いです。


今日読んだ本
森博嗣『今はもうない―SWITCH BACK』

今読んでいる本
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
茨木のり子『詩のこころを読む』
今日は『食堂かたつむり』を読みました。
『食堂かたつむり』

料理のシーンなどは興味深かったです。
だけど全体的には中高生向きの軽い本、という感じで、そこまで面白いとは感じませんでした。

まず気になったのは、文章。
「聡明な声」なんて単語、日本語としておかしいと思うんだけどなぁ。そういうのは、詩的というのとは全然違う気がします。

というか、この物語って、おとぎ話だよなぁ。
「1日1組の客しかいれない田舎の食堂」をやっていて、生きていけるとは思えません。よほど資産家の親とかがいるなら別だけど。親のおかげで生きていけるとするなら、そのお店はおままごとじゃないか。

ストーリーがあまりにも都合よく展開していくところが納得できません。「ケータイ小説」みたいな感じです。

死にかけたうさぎに、ビスケットをあげたら生き返った、というストーリー。そんなことしてはいけないよなぁ・・・ うさぎの健康を害すこと間違いなしです。わざわざ病気にしているようなものです。うさぎは草食の生き物なんだから。
まぁフィクションだから良いのかなぁ・・・ だけど間違った知識を広めていることになるんじゃないか。

あとは。
癌になったおかん(母)のペット、エルメス(豚)を食べてしまうというところがどうしても納得できません。「おかんが死んだあと悲しまないように」「生き物をありがたくいただく」って、それはすなわち生け贄じゃないか。
人間の勝手な理由のために殺しているのに、「それがエルメスにも伝わったようで大人しく殺された」って・・・ ありえない。偽善というか。しかも、食べちゃった後に「エルメスは私の中に生きている」とかそういうことを言い出すのはどうなのか。

それだったら、死んだお母さんだって食べて良いという道理になる。カニバリズムに結びつきます(『バルバラ異界』とかを思い出します)。でも、そうなると都合が悪いから、最後の最後に「死んだ鳩にお母さんが宿った」というふうに思いこんで、鳩を食べておしまいにしてしまう。

う~ん・・・ なんだかなぁ・・・

今日読んだ本
小川糸『食堂かたつむり』

今読んでいる本
森博嗣『今はもうない―SWITCH BACK』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
茨木のり子『詩のこころを読む』
今日は森博嗣『ダウン・ツ・ヘヴン』を読みました。
『ダウン・ツ・ヘヴン』

『スカイ・クロラ』シリーズ。面白いけど、もうなんだか読み飽きてきたなぁ・・・ どれもこれも、同じはなしに思えてくる。金太郎飴みたいな感じ、というか。

杣中がでてきて、ちょっといろんなことが分かるような気がするけど。やっぱり微妙だなぁ・・・


今日読んだ本
森博嗣『ダウン・ツ・ヘヴン』

今読んでいる本
小川糸『食堂かたつむり』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
★★★★★

著者:  湯浅誠
出版社: 岩波書店

  今、日本は、うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまうような「すべり台社会」になってしまったと著者は指摘します。そして具体的なデータを挙げつつ、貧困問題を多角的に見ていこうとします。しかし、机上の空論ではありません。具体的な事例が数多くあげられています。窮状に陥った人たちのことが把握されています。もやいの代表者として、困っている人たちに寄り添い、実際に活動している湯浅誠の言葉だからこそ説得力があります。

  著者は、多くの事例をあげ、社会で考えていかなければ貧困問題は解決しないのだと明確に示します。説得力があります。

  とくに特徴的なのは、「溜め」という言葉です。

  たとえば、ホームレスの人たちがホームレスになってしまうのは金銭が得られないからではない、と湯浅誠は指摘します。そして、貧困状態に陥るとき、その人に欠けているのは金銭だけではなくて、溜めなのだと具体的に明らかにしていきます。溜めとはその人の持ち物や蓄えです。目には見えないものもあります。たとえば、お金は溜めだし、人間関係も溜めだし、会得した技術だって溜めです。そして、そういったものを失うことこそが貧困なのだと明確にするわけです。

  貧困問題を考えるとき、役に立ちます。多分、土台になるのではないか。

  貧困を指摘するだけでなく、そこから脱出するための方策を示し、それを実行に移そうとしているところも良いです。具体的な行動が伴っているのです。

  第8回大佛次郎論壇賞受賞作。

関連リンク
生きさせろ! 自由の森学園総合学習のまとめ


自森人読書 反貧困―「すべり台社会」からの脱出
今日は、『派閥再編成―自民党政治の表と裏』を読みました。
『派閥再編成―自民党政治の表と裏』

重複している文章が多くて読み進めるのがちょっと大変でした。
あと、古い本(昭和63年)なので、未来予測をしているところを読むのが、ちょっと面倒でした。「・・・・・というふうになるかも知れない。」っていうふうに書いてあるけど、実際にどうなったかというのはもう知っているので。じれったい。

でも全体的に面白かったです。

それにしても、日本の政界って、世襲政治家だらけだなぁ。
とくに自民党がひどい・・・ 世襲じゃない人を探すほうが大変っていっても言いすぎではないのではないか、という気がします。

小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎。総理大臣は、4代続けて世襲政治家だし。あと、この前自民党総裁に立候補していた石破茂も、石原伸晃も、谷垣禎一も、世襲政治家だし。
高村正彦、小渕優子、町村信孝、野田聖子、笹川堯、塩崎恭久、河野太郎、中川昭一、鳩山邦夫、平沼赳夫・・・ みんな世襲。

「造反劇」をやって自民党を離れた小沢一郎、加藤紘一、田中眞紀子、綿貫民輔、渡辺喜美らも、みんな世襲。

まぁ世襲政治家を一概にだめだ、というわけではないけど、政治が家業になっているっていうのは良いことではないような気がするんだけど。

今日読んだ本
井芹浩文『派閥再編成―自民党政治の表と裏』

今読んでいる本
小川糸『食堂かたつむり』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
★★★

著者:  桂望実
出版社: 小学館

  「県庁の星」野村聡はY県庁産業振興課に勤めていた。彼は研修として民間のスーパーに派遣されることとなる。そこで、パートタイマーの教育係である、二宮泰子という人と出会う。そのスーパーでは、「県庁の星」もからきし、役に立たない。むしろお荷物にすらなってしまい、食物調理におくられる。その調理しているところでは、賞味期限ぎりぎり(きれてたんだっけ?)の食材ばかりが使われていたので野村聡がそれを指摘すると、逆にそうではないとスーパーは持たないと指摘される。

  それで、適正な素材を使って高級弁当を売る野村聡指揮するチームをつくり、今のままの弁当を売るチームと競わせることになるが・・・・・

  映画になって、売れた本です。面白かったです。スーパーの人たちって苦労しているんだなぁ。僕はほとんどスーパーみたいなところへ行かないので、よく知らないのですが。

  テレビでも映画版を見たんだけど。映画になるとまた少し変わっていたなぁ、と思います。パートタイマーの人がものすごく若くなってたような気がします。本より。それとか筋も変わっていたような・・・ でもあんまり思い出せません・・・


自森人読書 県庁の星
今日は、伊坂幸太郎『グラスホッパー』を読みました。
面白い、と聞いていたのになかなか見つからなかったのですが、やっと読めました。
『グラスホッパー』

『グラスホッパー』、なかなか面白かったです。
殺し屋たちのストーリーです。

いやぁ伊坂幸太郎の文体は凄いなぁと思います。とんとんとんと進んでいく。ラストのシーンがとても印象的でした。
ただし、『アヒルと鴨のコインロッカー』のほうがもう少しひねりがあって、落ちは面白かったかもなぁ。


今日読んだ本
伊坂幸太郎『グラスホッパー』

今読んでいる本
小川糸『食堂かたつむり』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
75日本語のレトリック
★★★ 瀬戸賢一

74精霊の木
★★★★ 上橋菜穂子

73ファンタジウム
★★★ 杉本亜未

72地図を楽しもう
★★★ 山岡光治

71しゃべれどもしゃべれども
★★★ 佐藤多佳子
今日は『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』を読みました。
『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』


『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』は、『世界』編集長時代の安江良介(岩波書店元社長でもある)と、「保守系政治家」たちとの対談をまとめたものです。

登場するのは、木村俊夫、福田赳夫、宮沢喜一、伊東正義、赤城宗徳、海部俊樹、古井喜実、井出一太郎、白川勝彦、河野洋平。ほとんどの人が、引退したり、亡くなったりしています。
だいたい「ハト派」、「リベラル」といわれた人たちばかりです。

今でも政治家として活躍しているのは河野洋平くらいかなぁ。でも、河野洋平も「次の選挙には立候補しない」と明言しています。なので、もうすぐ、取材を受けた人たちみんなが政界を去ることになります。
こうしてみると、自民党内部の「リベラル勢力」は消滅してしまったなぁ、という感じがします。山崎拓、古賀誠、谷垣禎一などは一応「護憲派」らしいけど、いまいちはっきりしないし。

だからこそ自民党は傾いているのかもなぁ。多様性を失ってしまった、というか。

読んでいて印象的だったのは、ソ連との関係をどうするか、という話題がでてくるところ。1986年の頃の対談なのだなぁ、とよく分かります。
のちソ連は崩壊してしまい、世界情勢は大きく変わりました。この頃はそんな事態が起こるとは想像もできなかっただろうなぁ・・



今日読んだ本
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』

今読んでいる本
小川糸『食堂かたつむり』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
『山田長政 他』
今日は、山岡荘八『山田長政 他』を読みました。
表題作の他、「頼朝勘定」「親鸞の末裔たち」「黒船懐胎」の3つの短編を併禄。

山岡荘八、『徳川家康』以外の作品を読んだことがなかったので、試しに他のも読んでみました。

どれも、まぁまぁ面白いです。ただしどれも昔の小説なのだなぁと感じます。どれも浅いというか、そこそこではあるがそこまでしっかりとはしていない。
もっと掘り下げて書かないと受けないだろうから今の小説家たちはもっと凝るだろうなぁ。いろんな部分に。


今日読んだ本
山岡荘八『山田長政 他』

今読んでいる本
小川糸『食堂かたつむり』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
★★★

著者:  瀬戸賢一
出版社: 岩波書店

  いろんなレトリックが30も載っている楽しい本です。そうか、そんなのもあるのか。日本語の授業じゃ教えてくれなかったぞ、暗喩くらいしか、とか思いながら読んでいました。

  文章を書いているとどうしてこう拙い言い回ししか出来ないんだろうなぁ、と思うのですが。いろんな文章を読んでいると、もっと文章がうまく書けるんじゃないか、という気分になります。錯覚かも知れないんだけど・・・ 文章やレトリックの解説なんかも読んでいると面白いです。読んだら、より良い文章が書けるとはいえないけど。

  レトリックというのは嘘をつくというのとは全く違います。そうではなくてむしろ、相手により伝わりやすい、適切で魅力的な表現を選ぶ、ということです。それは自由の森学園の高校1年の日本語の授業『コインは円形か』という単元でもやることなのですが。やっぱり人に何かを文章でもって伝える、というのは難しいことです。口で伝えるのだって難しいけど、口ならすぐ言い直して訂正がききます。でも文章はそうはいきません。

  どうやって文章を書くのか? 伝えたいことがまず最初にあるのはもちろんのことです。その上で、レトリックを用いてうまく伝えようと努力するのが必要、なのかなぁ。といってごまかして終わってしまっていいのだろうか・・・


自森人読書 日本語のレトリック
今日は、『夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER』を読みました。
面白い! 『すべてがFになる』と同じくらい面白いです。

前作『幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC』 とほぼ同時期に起きた事件のことが書かれています。今回、最初は、犀川教授や、西之園萌絵が登場しないのでおやっと思います。



もう眠いです。
明日は学校だ・・・・・

今日読んだ本
森博嗣『夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER』

今読んでいる本
小川糸『食堂かたつむり』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
今日は『インディゴの夜』を読みました。
インディゴの夜

女性ライター・高原晶は、大手出版社の編集者・塩谷とともにちょっと変わったホストクラブ『club indigo』をつくり、そこのオーナーとなります。すると、『club indigo』は大繁盛。
ですが、その矢先にクラブの客が謎の事件に巻き込まれてしまいます。『club indigo』の面々は、それを解決するべく動き出しますが、なんと以前クラブを辞めていったホストが事件に関連しているらしい・・・

第10回創元推理短編賞受賞作。この前、2作目の『インディゴの夜 チョコレートビースト』を読んで面白い、と思ったので、第1作目も読みました。
面白かったです。空也との因縁つていうのはそういうことか、とかいろんなことがやっと分かりました。

軽くてとても読みやすいです。
「30女」の晶さんの心の中での辛辣な突っ込みには、いちいち頷きたくなります。
「プリクラが思い出作り」という若者の言葉に対して、「いつの間にか思い出は意図的に、しかも機械で作られるものに変わったらしい。」という思いを抱くところとか、僕は共感できます。


今日読んだ本
加藤実秋『インディゴの夜』

今読んでいる本
森博嗣『夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER』
小川糸『食堂かたつむり』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
★★★★

著者:  上橋菜穂子
出版社: 偕成社

  ナイラ星に、地球人が移住してきてから200年。ナイラ星は、鉱物資源に恵まれていたので、地球人にとってはとても役に立つ星だった。地球人が進出する中、異星人ロシュナールは急速に滅亡しつつあった。いったいそれはどうしてなのか・・・?

  あとから来た者が先住民を滅ぼす、というのを読んでいて、アメリカ大陸の歴史を思い出しました。アメリカ大陸では、先住民であるインディアンをヨーロッパの人達が侵略したんだよなぁ・・・ 作者は意識して書いているのかもしれない、と少し思いました。だけど、この『精霊の木』では、大陸どころではなくて、惑星をまるごと人類が侵略してしまいます。

  「壮大」な物語にはならず、小さい個人に寄り添った感じなのが良いと思いました。

  僕は『スター・ウォーズ』という映画が好きです。まぁ要するにあっさりとした勧善懲悪の物語なのですが、とても面白いのです。でも現実はこうはいかないだろう、と思います。悪は悪、善は善と区切れるわけがない。まぁ、映画と現実を取り違えたりしなければいいだけのはなしなのですが。現実も同じように悪は悪、善は善とはっきり色分けされていて、悪はぶっ潰せばいいと考えてる人が世の中にたくさんいる気がします。この『精霊の木』はそういう単純な見方は現実には通用しないのではないか、ということを分からせてくれます。

  『精霊の木』を、スター・ウォーズと対比する、というのはなんか変な感じだ。自分でごちゃごちゃ書いておいてその上何を書いているんだ、という感じですが。

  この作品が、 『精霊の守り人』へつながっていったんだなぁ(直接のつながりはないけど)と思うと、ほーと納得する部分があります。


自森人読書 精霊の木
★★★

著者:  杉本亜未
出版社: 講談社

  まだ完結していないのに★3つというのも気がひけるのですが。

  マンガでマジックのことを描くのには限界があるのではないか、という気がします。本物のマジックを、目の前でパッとやるのと、マンガの中の作中人物がマジックをするのでは、まったく異なります。マジックというのはタネがあって成り立つ一種の劇というか、虚構であるのに、それをさらにマンガで描くとなると、どうしても凝ることが必要な気がします。でもそこに工夫があるわけじゃない。

  ストーリーとしては別につまらないわけじゃないけど、そこまで目新しいわけでもないので、あまりページをめくる気になりませんでした。まぁ、それほど明るいとはいえないストーリーの中、それを受け止めている主人公の少年はかっこ良いんだけどなぁ。「障害を持ちながらも手品によって、多くの人たちに夢を与える少年」か・・・

  なんでだろう。あえてマジックを題材にしたというのは斬新かどうか知らないけど、新しい気がするのになぁ。まぁどんどん続きを読んでいったら、また評価が変わるかもしれません。終わっていないものをどうこう言うのは難しいからなぁ・・・

  でもはなしが進むごとにちょっとずつ面白くなってきているかなぁ、と感じます。まだまだこれからか。


自森人読書 ファンタジウム
今日は話題の『告白』を読みました。
告白

「事故」で娘を失った女性教師は、終業式のHRのなかで、私の娘はこのクラスにいる2人の少年に殺されたのだ、と言って犯人を示しました。そして、「制裁」をくだして退職していきます・・・

う~ん、面白いです。暗いはなしだなぁと思って読んでいたけれど、最後は吹っ切れてしまって爽快なくらいです。

ミステリー小説に分類するものではないような気がしました・・・ ベストミステリーに選ぶのは違う気がする。
サスペンスというか。けっこう怖いです。ホラー小説の怖さとは全く違うんだけど。心の暗黒面みたいなものを書いています。母親の息子への偏愛、歪んだマザーコンプレックス(なのかなぁ)とか。

それにしてもあり得ないだろう。こんなに都合良くいくかなぁ。

なんというか、暗い部分は色々あるけど、物語としては普通に面白さが大切にされていて底なしの救いがたさはないなぁ、と僕は感じました。とても読みやすいです。

読破した人間は、気が狂うとすらいわれる『ドグラ・マグラ』とかとは比べ物にならないくらい軽いです。


今日読んだ本
湊かなえ『告白』

今読んでいる本
森博嗣『夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER』
小川糸『食堂かたつむり』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
山岡荘八『山田長政 他』
灰谷健次郎『遅れてきたランナー』
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