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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

文:  さとうち藍
絵:  松岡達英
出版社: 福音館書店

  「ザックのつめ方」「なるべく雨にぬれない工夫」「夜空を見上げよう」「魚の切り方」「1枚の布を服にする」「空にとばそう」「天気の悪い日の過ごし方」「冬の観察のポイント」「海辺で見られる鳥」「道に迷ったら」「おぼれそうになったら」「野外で役に立つ薬草」・・・・・

  読んでいるだけで楽しくなってきます。僕はあまり山に行ったりすることはないのですが、読んでいるといろいろ想像します。絵がとても分かりやすくて、その想像を助けてくれます。かなり実用的な本だけど、それだけではなくて見るのも楽しいなぁ。1時間くらい時間が過ぎていってしまう・・・

  「自然の色で染める」と言う項目もあるのですが、これは自由の森学園の染織でやっていることと同じようなことです。草木で染めたシャツってなんかいいなぁ、と思います。自由の森学園って場所はまぁ田舎なので、この本が役に立つことがあるかも知れません(クラスキャンプとかよくやるし)。でも役に立つかどうか、じゃなくて見るだけでも楽しい。けっこうおすすめです。

関連リンク
後期 染織 完成図


自森人読書 冒険図鑑
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高校生の読んでいる本。いろいろ考えてみるがすっきりとは分からない・・・高校生の読書と、つけ加え 高校生の読書にもいろいろ書いてみたんだけど・・・ やっぱりすっきりしない。自由の森学園で票をとってみたら面白いかなぁ・・・ ちょっと興味があります。それぞれのジャンルをもっと細かくみていけたらいいなぁ。

●海外ファンタジー 『ハリー・ポッター』『ダレン・シャン』
●ライトノベル 『キノの旅』『涼宮ハルヒの憂鬱』『十二国記』
●その時々の話題の作品 (古い例 『いまあいにいきます』)
●スポーツもの 『一瞬の風になれ』『バッテリー』
●歴史物 『三国志』『水滸伝』

大人にも子どもにも読まれている人   村上春樹、宮部みゆき、上橋菜穂子、荻原規子

子どもに読まれている人   山田悠介、乙一

『ナルニア国物語』『ゲド戦記』はどうなんだろう?
★★★

著者:  佐野洋子
出版社: 講談社

  知っている人も多いかも知れません。1977年出版ということなので、もうかれこれ40年間もいろんな人に読まれている、ということになります。100万回生きた猫の物語です。100万回生きてきて、そのたびにいろんな人から愛を受けます。でもとらねこは、別になんとも思っていません。とらねこは「100万回生きた」ということを誇りに思っているだけでした。けれども100万回目の野良猫になったときある白ねこと会います。とらねこは、白ねこを愛し、白ねこが死んだとき、はじめて泣くのです・・・

  100万回生きたとしても、幸せとはいえないんじゃないの? と問いかけられているような気がします。本当に誰かを愛してこそ、生きていると言えるのかも知れません。そして、本当に嬉しいということを知ってこそ、本当に悲しいということが分かる。

  主人公のねこは100万回生きてきました。そしていろんな人に愛されてきたけれど、最後の1回のときにはじめて、いろんな人から受けてきた愛に応えられるだけの何か、を手にいれたのだろうなぁ、と思います。それまでは「悲しい」という感情すら存在していなかったのではないか。からっぽだったような気がします。幼稚な自分を愛する心だけしかなかったのです。

  でも、それは果たして幼稚なのだろうか、という気もします。だって、本当に嬉しいことを知ってしまったなら、同時に本当に悲しいことを受け入れなければならなくなります。それはいやだ、と拒否するのも1つの選択肢かも知れません。俺はそんなに強くないから、自分だけを愛して生きるんだ、というのもありかなぁ、と思います。ひとを愛せない人は心が弱い。それは幼稚というのとは違う気がします。

  あれ、けど弱いということが幼稚なことなのかな。そうだとすると、やっぱり自分以外を愛せないものは幼稚なのか。

  まぁ難しく考えずにただ読んでも面白いです。


自森人読書 100万回生きたねこ
今日読んだ本
神野志隆光『複数の「古代」』

神野志隆光『複数の「古代」』は、それぞれの古典(『古事記』『日本書紀』『万葉集』)がつくりあげている「古代」をそれぞれバラバラにして、見つめてみよう、というものでした。つまりどれかが正しくて、どちらかが正しいんだ、もしくはその両方ともウソで、こういう古代があるんだ、と考察することは大切です。だけど、その前に、それぞれの古典の世界とも「つくられた物語」であるというふうに考えないといけません。というはなしだったのですが、とても納得しました。面白かったです。


今読んでいる本
江國香織『つめたいよるに』
小西豊治『憲法「押し付け」論の幻』
丸谷才一『日本語のために』(再読)
司馬遼太郎『日本語と日本人―対談集』
スターダストレビューというバンドがあります。1979年から活動していて、今も歌ってます。この前は、埼玉新都心のアリーナで歌ってました。最近でも、どこかのCMで歌がつかわれたりしています(キリンの氷結ZEROだっけなぁ、『夢伝説』が使われてます)。スタレビ、かっこいいなぁ、と思います。サザンオールスターズよりもかっこいい、と僕は勝手に思っています。

まぁユーチューブなんかにも一杯動画がアップされているそうなので、ぜひ見てほしいのですが。というか、大人の人だったら知っている人もいるのかもなぁ・・・ 自由の森学園の教員・ミッキーに聞いたら、『木蓮の涙』を口ずさんでいました。

この前のスタレビのライヴの時の写真・・・

昨日、NHKの SONGSに、沢田研二が登場していました。もうおじさんだけど、やっぱりかっこいいなぁ。

麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが
忌まわしい時代に 遡るのは賢明じゃない
英霊の涙に変えて 授かった宝だ
この窮状 救うために 声なき声よ集え

窮状→「キュージョー」って9条じゃないか。テレビで、自分の思いを表した、こういう歌を歌うというのってかっこいいなぁ。、と思いました。みんな「自主規制」とか言って、「政治的」な発言を封じちゃう中で、語呂合わせでひっかけて、自分の思いを歌っちゃうなんて凄く面白いです。何十年にもわたって歌ってきたひとだからこそ、できることなのかなぁ。
最近読んだ本
酒見賢一『周公旦』
畠中恵『しゃばけ』


『周公旦』は、シャーマンとしての周公旦に目を向けた作品。さすがだ、こういうふうに書ききるとは、とは思ったけどそこまで面白くは無かったです。とくに前半部分において見せ場がほとんどないに等しいのはつらいなぁ・・・ 戦争となれば、やっぱり太公望の方が大活躍だしなぁ。やっぱり『墨攻』のほうが好きでした。

『しゃばけ』は、江戸の妖怪うごめく世界を楽しく(?)粋に描いた小説。面白かったです。読み進めるのが少々めんどくさくなるほど眠い中、読んでいたのですが、なんとか読み終わりました。まぁまぁなんだけど。でもこれ以上続きが読みたいとは思わなかったなぁ。なんというか飽きてきます、段々。

今読んでいる本
丸谷才一『日本語のために』(再読)
神野志隆光『複数の「古代」』
司馬遼太郎『日本語と日本人―対談集』
昨日、自由の森学園に湯浅誠さんがきたということもあるので。現代日本の貧困問題がらみの本3つを紹介します。代表的なもの。『蟹工船』『生きさせろ! 難民化する若者たち』『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』の3つ。自森人のほうに感想を書いたので、そこへのリンクをはっておき、あとは少しだけ説明してみたいと思います(説明といっても簡単じゃないけど)。

自森人読書 蟹工船

自森人読書 生きさせろ! 難民化する若者たち

自森人読書 反貧困―「すべり台社会」からの脱出


『蟹工船』は、雨宮処凛らが紹介し、マンガ版がでたことでブレイクした、かなり昔の作品。プロレタリア文学の代表として昔から有名なものです。著者・小林多喜二はのちに憲兵に拷問を受けて死亡したのですが、作品は読み続けられています。それは何故か? やはり『蟹工船』の世界と、現代に通ずるものがあるからだと思います。

『生きさせろ! 難民化する若者たち』は、雨宮処凛のルポ。現代日本の貧困について鋭くえぐったものです。

『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』は、その現実に対してどう対抗していくか、という具体的な状況の提示とともに、解決策にまで目を向けた作品。
昨日、自由の森学園に湯浅誠さんが来ました。もやいで、反貧困の活動をしている方です。高校1年の保健の授業で喋ってくれました。去年の中3森の時間『生きさせろ!』でもお世話になりました。とても分かりやすく、「反貧困」について語ってくれました。大変な問題だけど、しっかりと受け止めないとなぁ・・・



下のウェブサイトに詳しくまとめています。
生きさせろ!  ウェブサイト
★★

作者:  伊坂幸太郎
出版社: 新潮社

  連続放火事件が起きます。その現場にはいつも謎のグラフィティアートが残されていました。無意味な羅列には何がこめられているのか? 父と泉水、春の兄弟が追いかけていきます。そしてその後ろには春をつけるストーカー夏子がいて・・・

  なんとなくつまらないなぁ、と感じました。大きな謎があるわけではないので、ミステリーとはいえない気がします。どんでん返しもとくにないし。ある家族の物語として読めばいいのかな。文章の感じが、すこし村上春樹とかに似ているような気がします。村上春樹もあまり好きではないなぁ。

  それでも、途中で本を放り投げたくなるほどのつまらなさ、という訳ではありませんでした。なにげなく軽く読むにはいいかも知れません。長さとしてもそれほどじゃないし。文章も軽い感じになってるし。それでもこの本のためにわざわざ時間を割く必要は感じられませんでした。

  と言ってはいるけどやっぱり嫌いではないなぁ。それでも伊坂幸太郎の他の著書と比べて、僕はあまり好きになれなかったので、★2つということで。3つでも構わない気もするんだけど。


自森人読書 重力ピエロ
読書メモ
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
原作・久住昌之、作画・谷口ジロー『孤独のグルメ』


『キャラクター小説の作り方』面白かったです。これを参考にして、何か書いたら、小説が書けるんじゃないか、という気がしてきます。小さなカードをつくって場面ごとにカードをつくっていくんだ、というはなしはとっても分かり易かったです。あと小説作りをゲームにたとえると、「ゲームの設定自体をつくる人(世界観)」「マスター(地の分)」「プレイヤー(キャラクター)」の3つの役割がある、というのもけっこう分かり易くて、面白かったです。

『孤独のグルメ』は、主人公のいつでも悲しそうな表情が印象的でした。食べてる時だけ幸せそうだけど、1人でいることがかえってその人の孤独を浮き彫りにしている気がする・・・ あまりにもわざとらしいけど、うまくきいている気がしました。しんやから借りた本。とても面白かったです。

今読んでいる本
畠中恵『しゃばけ』
酒見賢一『周公旦』
本というのは、面白いもの。と思っていない人が、高校生の人にはけっこういるようなのですが。そういう人たちは、音楽や絵に興味がいってしまって本には振り向いてくれないようです。だけど、本というのはむしろいろんなものを含んでいて、面白いのです。自由の森学園の図書館はちょっと狭くてまぁまぁ雑多だけど(といったら失礼だけど)、そこに置かれている本は広くて、深くて、素晴らしいのです。

例えば、恩田陸ライオンハート』 のように、曲にインスピレーションを受けて書かれて、タイトルまで歌からもらったというものがあります。あと、村上春樹はとにかくジャズが好きなようで、ジャズをよく登場させます(例えば『東京奇譚集』)。そういうふうに音楽をうまくモチーフにしている本はたくさんあります。そこから逆に音楽の趣味が広がる、なんてこともあるんじゃないかなぁ・・・

あと、芸術、絵をうまく用いた作品というのもあります。例えば、『北斎殺人事件』などです。本というのは、ほんとにいろんなものをとりこんでいて楽しいです。それで、その楽しさというのがとてつもなく広くて深いので、迷ってしまうほどです。
今日読んだ本
乙一『きみにしか聞こえない』

『きみにしか聞こえない』は、短編集。「Callinng You」「傷-KIZ/KIDS-」「華歌」の3つが入っています。乙一は、やっぱり「切なさ」みたいなものをうまく描いていて面白いです。ちょっとパターン化している気もするけど。そこも含めて安心して読める、というか。こんな感じで続くだろうなぁ、と思っていると最後まで裏切られることがないのです。まぁだからこそそれ以上に達しないんだけど。

今読んでいる本
丸谷才一『日本語のために』(再読)
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
原作・久住昌之、作画・谷口ジロー『孤独のグルメ』
最近読んだ本
宇野常寛『ゼロ年代の想像力』
ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』


宇野常寛『ゼロ年代の想像力』 、とても興味深かったけど、どうも鼻につく気がしました。批評家といわれるような人たちは誰しもがそうなのかも知れないけど、人を説き伏せようとするから逆に反論したくなるんだよなぁ・・・ 日本のサブ・カルチャーについて語っている本なのですが、平成仮面ライダーシリーズのことに一章を割いているのに宮崎駿・スタジオジブリがほとんど登場しないのです。自分にとって都合の良いものだけを取り寄せているような感じを受けました。まぁ、それなりに面白くて納得する部分もたくさんあって興味深かったけど。あと、言葉がとにかく曖昧で(「大きな物語」「夜神月的な決断主義」とか)、これじゃ読む人によって、全然違うものを受け取るんじゃないか、というのが心配です。

もうひとつ、気になったのは「ニート論壇」も「(新しい歴史教科書を)つくる会」も同じ、と書かれているところ。確かに誰もが「小さな物語」を「正しいとは確定できない」と分かりつつ「選び取っている」という現実を鋭く切り取った言葉ではあるけれど、生きるために闘う若者たちに対して、そんなぐちゃぐちょ屁理屈述べても意味がないよ、と思います。
結局のところ、上から偉そうに「日本」を評論しているだけじゃないか、と思ってしまいます。考察と批判は大切だけど、考察と批判で終わったら、机上の空論だし。

ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』は科学の本。いろんな疑問に答えてくれます。まぁだいたい分かりきったことが書いてありました。というか、「偏見に縛られない見方をしよう」というのは、分かっていてもできないんだけどなぁ。でも、いろいろミニ知識があって面白かったです。ブラックホールは、光をも飲み込むのか?とか。

今読んでいる本
丸谷才一『日本語のために』(再読)
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
原作・久住昌之、作画・谷口ジロー『孤独のグルメ』
最近読んだ本
綿矢りさ『蹴りたい背中』
平野弘道『史上最大の恐龍ウルトラサウルス』
森博嗣『悩める刑事』


平野弘道『史上最大の恐龍ウルトラサウルス』がやっと読み終わりました。他の本に気をとられていて全然読み進まなかったのですが。いろんな恐竜のことが載っていて、面白かったです。日々、研究が進んでいるんだなぁ、と実感しました。だけど確定している「事実」は少ないんだなぁ。まだ研究中、という部分が多いようです。

綿矢りさの『夢を与える』はそこまで面白くなかったのですが、『蹴りたい背中』は面白かったです。芥川賞をとった作品です。高校生の心をうまく描いている、というか。僕の周りに綿矢りさを読んでいる、という人がいるということを聞いたことは無いのだけど、おすすめしたら、みんなよく分かる、と言うんじゃないかなぁ。

森博嗣『悩める刑事』は短編集。森博嗣の本はあんまり呼んだ事がありません。現代日本のミステリ小説の紹介本には必ずといっていいほど紹介されている人なのですが。まぁまぁ面白かったです。でも、東野圭吾のほうが好きかなぁ・・ 比べられないけど。

今読んでいる本
丸谷才一『日本語のために』(再読)
ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
宇野常寛『ゼロ年代の想像力』
さっき高校生には、何が読まれているか分からないと書いて、いろいろ挙げてみたけど、よく考えてみれば高校生によく読まれている本のトップは、『ハリー・ポッター』だろうな、という気がしてきました。みんな手に手に『ハリー・ポッター』シリーズを持っているもんなぁ。あと、『ダレン・シャン』も。そして、ライトノベルもかなり読まれている気がします。『キノの旅』『涼宮ハルヒの憂鬱』などなど。あとは、ケイタイ小説があって。でもケイタイ小説は本の中には含まれないか。あとは、山田悠介、乙一、宮部みゆきなどが続き。スポーツもの『一瞬の風になれ』などもあり・・・というかんじかな。多分。

小学生に読まれている本のトップは断然『かいけつゾロリ』だと思います。あとはゲームで知ってそれから『三国志』を読む、というパターンもあるだろうなぁ。それと『ハリー・ポッター』かな。それで中学生、とくに中学生の女子はケイタイ小説がよく読まれている、と本で読んだことがあります。あとは話題の本がとにかく読まれるんだろうなぁ。映画やテレビドラマになったような作家たち。それこそ、山田悠介とか、伊坂幸太郎とか、乙一とか、宮部みゆきとか。
高校生の読書というのはどういうものなのか、僕はいまいち分かりません。僕の好きな、ちょっと偏ったような田中芳樹、万城目学、森見登美彦といった作家たちほとんど読まれていないし。まぁはなしを聞くと、山田悠介、伊坂幸太郎、宮部みゆき、乙一といった人たちが読まれているのかなぁ、という感じもするけど、よく分かりません。多分、みんな完全にばらばらなんだろうなぁ。ケイタイ小説はどうなんだろう。かなり読まれているのかなぁ。

中学生に読まれている本をあげるのはまだもう少し簡単な気がします。はやみねかおる。あさのあつこといった人たちがかなり上位にあがってくるはずです。あとは『ハリー・ポッター』などの国外のファンタジー、シャーロック・ホームズなどの古典的な推理小説。そのあたりかなぁ。
最近読んだ本
酒見賢一『墨攻』
恩田陸『ライオンハート』


『墨攻』は読まねば、と思っていたのに、手に入らずいまだ読んでいなかったもの。酒見賢一の『後宮小説』も読まねば、と思っているのになかなか目の前に現われません。予約するのは面倒だし・・・ 予約するほどのものなのかもいまいち分からなかったのです。『墨攻』は、やっぱり面白かったです。墨子自身は、最初の序章みたいな部分にしか登場しないのですが、かっこいいです。

僕は、中国の春秋戦国時代の思想家の中でも、とくに老子と墨子が気になっています。孔子がひろめた儒教(そういえば、今ちょうど『論語』を日本語の授業で読んでいます)は、かなり有名です。孔子や儒教についての本はたくさん本がでています。だけど、老子についての研究というのはあんまりないし、それ以上に墨子についての研究というのはない気がします。小説も少ないし。

墨子という人はとても面白い人です。戦乱の時代に、兼愛と非攻を訴えたというだけでも凄いことです。無差別の愛と、非戦論といったら、中国清の時代の研究者たちが書いているように、どこかイエス・キリストともつながってきます。しかも墨子のすごいところは、権力者に服従したりせずに闘ったところです。しかも潰されずに、当時儒教の勢力と並ぶほどの勢力を誇った、といわれます。ものすごく興味があるんだけなぁ・・・

すれ違いのラヴストーリー、『ライオンハート』 。なんていうか、とても文章が綺麗で、風景がきらきらしています。でも、どこか恩田陸の文章は「読まされている」感があります。なんていうんだろう。うまく説明できないんだけど。普通の本は、すっと物語の中に入っていくか、もしくは自分の方にひきつけるか、どちらなんだけど。恩田陸の本は、読みたくなくても、ぐいっと引っ張られるんだよなぁ・・・ 凄い筆力だよなぁ。僕は、とくに、『夜のピクニック』が素晴らしいと思っています。よく飽きさせずに最後まで持っていくよなぁ・・・


今読んでいる本
丸谷才一『日本語のために』(再読)
ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』
平野弘道『史上最大の恐龍ウルトラサウルス』



ほん・・・

ツンドク状態・読みかけ・・
泉鏡花『高野聖』
坪内稔典『季語集』
榊原悟『日本絵画のあそび』
『やられたらやりかえせ 実録 釜ヶ崎・山谷解放闘争』
司馬遼太郎『燃えよ剣』(ずっと置きっぱなし)
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
林田愼之助『漢詩を楽しむ』
神野志隆光『複数の「古代」』
松井るり子『七歳までは夢の中―親だからできる幼児期のシュタイナー』
恩田陸『MAZE』
恩田陸『図書室の海』
M.ジョン・ハリスン『ライト』
乙一『きみにしか聞こえない』
森博嗣『悩める刑事』
綿矢りさ『蹴りたい背中』
水森サトリ『でかい月だな』
このブログのアクセスカウンタが、一ヶ月の間に800をこえてしまってびっくりです。自森人を始めた時は、800に達するまであんなに苦労したのになぁ・・・ といっても気軽にやっていたから、そこまで苦労したわけじゃないけど・・・ このブログも、まぁ本の感想やら、今読んでいる本のことをかるーく書いていく感じなので、全然気楽です。というか、「自分のための読書メモ」みたいな感じだし。もう少し、自由の森学園の図書館の素晴らしさを宣伝したほうが良いのかなぁ。

自由の森学園の図書館は素晴らしいです。本はいうにおよばず、マンガ・雑誌などなどいろんなものが揃っています。休み時間には生徒の憩いの場になっている、のではないかなぁ。休み時間には、いつも生徒がいます。

・・・と、杓子定規に述べても良さは伝わらないな、是非自由の森学園の図書館へ来てほしいです。楽しいです。っていって来れる人なんてそういないような気がするけど・・

最近読んだ本
高橋克彦『北斎殺人事件』
魚住直子『超・ハーモニー』
アーサー・ビナード詩集『ゴミの日』


現代に起きた殺人事件と、江戸時代の葛飾北斎をめぐる謎をからめたミステリ、『北斎殺人事件』。とても面白かったです。著者・高橋克彦の書いたものは、『天を衝く』らいしか読んだ事はなかったのですが、それ以外のものも読んでみようと思いました。

『超・ハーモニー』は、「ハーモニーを超える」という意味なのかなぁ。魚住直子の作品のひとつです。この前、『ピンクの神様』を読んで、もう少し読んでみようかなぁ、と思いました。でもやっぱり暗い。短いからすぐ終わるからいいけど、読むのにあんまり気がすすまないなぁ。

アーサー・ビナードは、とても面白い人だなぁ、と僕は思います。ずっと前、秩父で講演があるというので聞きに行きました。(アーサー・ビナード講演
そのときも面白かったです。


今読んでいる本
ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』
坪内稔典『季語集』
榊原悟『日本絵画のあそび』
泉鏡花『高野聖』(どんどんあとまわしに・・・)
『やられたらやりかえせ 実録 釜ヶ崎・山谷解放闘争』
酒見賢一『墨攻』
恩田陸『ライオンハート』
前回の読書メモ(『時事ネタ』『マンガの描き方 第1巻 キャラクター』『もやしもん 1』 )はよく見てみると全てまんがでした。僕は最近のマンガをあんまり読んでいません。自由の森学園の図書館にマンガがたくさんあるので、それでいろいろ読むようになったんだけど。でも自由の森学園の図書館は必ず巻が欠けているんだよなぁ・・・

家にあったマンガの中で、1番好きになった漫画家は、萩尾望都かなぁ。あとは、安彦良和、あずまきよひこ、吉田秋生、水樹和佳子といった人たちのマンガも面白いなぁ、と思ったんだけど。昔からこういうマンガを読んでいた大人のひと達っていいなぁ・・・ 僕ももっと早くから読みたかったです。

そういえば、最近のマンガよりも、昔のマンガのほうが面白いんじゃないか? という気が少ししています。なんでだろうなぁ・・・ だけど最近も「もやしもん」、「よつばと!」「鋼の錬金術師」とかいろんなマンガがあるか・・・
最近読んだ本
とり・みき『時事ネタ』
マンガ技法研究会『マンガの描き方 第1巻 キャラクター』
石川雅之『もやしもん 1』


『時事ネタ』は、時事ネタについて書くというよりは、時事ネタから発展させたギャグが満載という感じ。漫画じゃないけど、爆笑問題が同じようなことをやっていた気がします。それにしてもいろんなことがあったんだなぁ・・ 1996年から2006年にかけて。それにしても読んでいて、気になるのはとにかく「金正日」らしきものがごろごろしているところ。表紙まで「金正日」らしき人です・・・

『マンガの描き方 第1巻 キャラクター』というのは、タイトル通り、漫画の描き方についてのものです。漫画ってそういうふうに描くんだ・・・ たくさんの漫画家が自分のことをパロディにして漫画に描いたりしているのを読むと、やっぱり漫画家って職業は大変なんだろうなぁ、と思います。自分を追い詰めて追い詰めて追い詰めて・・・、という感じだなぁ。

石川雅之『もやしもん』は、面白いです。前から評判は聞いていたのですが、手にとっていませんでした。ウィルスが見える青年が主人公・・・ どんな物語なんだ、と思ったら。こんなはなしなんだ。これからどんなふうになっていくのが楽しみです・・・ ゆうきまさみのギャグ漫画も『究極超人あ~る』も、だんだんだんだんと面白くなっていくし・・


今読んでいる本
ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』
坪内稔典『季語集』
榊原悟『日本絵画のあそび』
泉鏡花『高野聖』(どんどんあとまわしに・・・)
『やられたらやりかえせ 実録 釜ヶ崎・山谷解放闘争』
アーサー・ビナード詩集『ゴミの日』
高橋克彦『北斎殺人事件』
魚住直子『超・ハーモニー』
酒見賢一『墨攻』
恩田陸『ライオンハート』
★★★★

著者:  森絵都
出版社: 理論社

  「おめでとうございます、抽選にあたりました!」と天使は死んでしまった「ぼく」に告げました。「ぼく」は、生きていた頃、悪事を働いたために輪廻のサイクルからはずれてしまいました。けれど抽選にあたると生まれ変わる事ができるのです。自殺した「小林真」という少年の体をかりて生まれ変わることになります。

  僕は前世でどんな悪いことをしてしまったのか? 記憶は何も残っていません。思い出そうとするけど思い出せません。自殺した「小林真」君はどうやら人生に絶望していたらしく、まともな友達1人いないようでした。生まれかわった「ぼく」は、他人の人生だし、と気楽にすごしますが・・・

  「小林真」として生きていくうちに、「温かい」と思っていた家族が、実はぎくしゃくしていたと気付いたりもします。失望したり、つらいこともたくさんあります。けれどそれだけではなくて、人の温かさを感じることもあります。生まれわった「ぼく」は、どうなるのか? 人生を捨ててしまった自殺した「小林真」の人生はどうなるのか・・・

  最後につながった時はすっきりしました。大好きなおはなしです。説教くささというのがまったくない。それでいてカラフルというタイトルの意味がしっかりと伝わってきます。


自森人読書 カラフル
最近読んだ本
森絵都『ラン』
斎藤英喜『読み替えられた日本神話』



この、2・3日読書のペースと、読書への意欲が薄れています。なんでだろう。眠いからかなぁ・・・

それだけど、森絵都『ラン』は面白いので、1日で読めてしまいました。最初は、なんだかなぁという感じなんだけど、だんだん最後に向けて面白くなっていってもうやめられなかったです。森絵都『カラフル』にも天国というのがちらっとでてきたけど、ほとんど触れられずに終わりました。今回は、主人公が天国らしきところへ自転車をこいで行ってしまう、というのには驚きました。

森絵都の作品は好きなものばかりです。ただ、『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞をとったけど、それ以前の作品(『DIVE!』や、『つきのふね』)の方が、僕は好きでした(『風に舞いあがるビニールシート』も、面白いけど・・・)。なので最近、まったく読んでいなかったけど、やっぱり森絵都は面白いなぁ、と思いました。

斎藤英喜『読み替えられた日本神話』は、とても興味深かったです。近代になって、大日本帝国の精神的な支えとされてゆがんでしまった日本の神話。その歴史をたどってみると、実は中世には仏教と融合して、不可思議なものと化していたり、それ以前平安時代にもよく読まれていた、というのは新鮮でした。神話にも、歴史があって、変容があるんだなぁ・・・ 最後らへんに宮崎駿の映画のはなしにまでおよんでいて面白かったです。斎藤英喜は、「もののけ姫」について「自然と科学の対立などという平板なストーリーうんぬん」と評していて、あまり良く思っていないようです。僕は、ジブリの映画の中でもけっこう好きだけどなぁ、「もののけ姫」。

現在、読み途中
ニール・カミンズ『宇宙100の大誤解』
坪内稔典『季語集』
榊原悟『日本絵画のあそび』
泉鏡花『高野聖』(どんどんあとまわしに・・・)
『やられたらやりかえせ 実録 釜ヶ崎・山谷解放闘争』
石川雅之『もやしもん』
アーサー・ビナード詩集『ゴミの日』
とり・みき『時事ネタ』
高橋克彦『北斎殺人事件』
マンガ技法研究会『マンガの描き方 第1巻 キャラクター』
★★★★

著者:  鈴木淳次
出版社: リヨン社

  漢詩とは何か、ということを語っていきます。まずは文法について。形からはいっていきます。とても丁寧に1つずつ説明しているなぁ、と感じます。1度「常識」にしてしまった事実を分解して他人に伝えるということはとても難しいことだなぁ、と感じます。でもこの「漢詩 はじめの一歩」では、その漢詩を知る人が、慣れてしまってなんとなく忘れがちな大事な部分までしっかりと書かれています。鈴木淳次さんが高校の先生だからかも知れません。

  最終的には心の部分にまではいっていくことになります。僕が好きな王維という人が書いた「鹿柴(ろくさい)」という詩も紹介されているのですが、その詩というのは・・・

 空山不見人 (人影の無い山)
 但聞人語響 (人声だけがこだましている)
 返景入深林 (夕日が、深い林の中に射しこみ、)
 復照青苔上 (さらにまた青い苔の上を照らしている。)

  「声」によって逆に「静寂」を表しているのです。どう表現すれば人に伝わるのか、というのはとても難しいことです。だからあえて、「有」によって「無」を表すことをするのです。ついでに宣伝させてもらうなら、一人土也という名前で、僕の拙い詩も載せていただきました。謙遜でなく、本当に下手な詩です・・・ この頃は漢詩をあまり作っていないなぁ。

  読んでみると面白いです。図書館で予約してみてください。

自森人読書 漢詩 はじめの一歩
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