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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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9月中に読んだ本。
『杜甫100選』
『杜甫100選』には、杜甫にかかわる詩が、100収録されています。

杜甫は、官僚の家に生まれました。科挙を受けて官僚になろうとしましたが、四十になっても官職を得られなませんでした。その頃の苦悩を綴った詩は痛いです。しかし、そういった経験が、社会を見つめる契機になったようです。

日本放送出版協会。

『グーテンベルクの銀河系』
『グーテンベルクの銀河系』は難解です。感覚的なようにも思えるのですが・・・


読んだ本
石川忠久『杜甫100選』
マーシャル・マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』
PR
『沖縄~東京 ピースカーニバル2010』@青山CAYにいきました。
『沖縄~東京 ピースカーニバル2010』@青山CAYにいきました。

うつみようこ+河村博司、寿[kotobuki]の歌と演奏、知花竜海の沖縄からのメッセージ、聞いてきました。東京からも基地問題を考えていこう、というメッセージが全面に打ち出されていました。
本当によかったです。

『沖縄~東京 ピースカーニバル2010』@青山CAYにいきました。

『沖縄~東京 ピースカーニバル2010』@青山CAYにいきました。
NO BASE! MORE MUSIC!
『沖縄~東京 ピースカーニバル2010』

2010.10.3 SUN
東京・青山 EATS and MEETS CAY
時間:OPEN 14:30 START 15:00
料金:¥3,500(当日)/ ¥3000 (予約→peacecarnival(at)gmail.com) ※(at)を@に置き換えてください。
席種:自由席または立ち見

【出演】
大熊ワタル(ジンタらムータ)
うつみようこ+河村博司(ex;ソウル・フラワー・ユニオン)
GoRo,MAYA & ISH! IGURO
寿[kotobuki]
シーサーズ
たける
知花竜海
monk beat
Likkle Mai(Band Style)
【映像】
小林アツシ「基地はいらない、どこにも」短縮版
比嘉真人「やんばるからのメッセージ」
【出展】
ゆんたく高江、他
【トーク】
知花竜海(Peace Music Festa!辺野古2010 実行委員会)、他

EATS and MEETS Cay tel. 03-3498-5790 (月~金 12:00~21:00)
住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 SPIRAL B1F
チケットのご予約 お問い合わせ; peacecarnival(at)gmail.com) ※(at)を@に置き換えてください。
(お名前、ご連絡先、枚数をお知らせください。
当日、予約を確認のうえ予約料金にてご入場いただきます。)

イベントblog ; http://d.hatena.ne.jp/peacecarnival/

主催;ピースカーニバル実行委員会
自由の森学園では曼珠沙華が咲いています
自由の森学園では曼珠沙華が咲いています。
きれいです。
自由の森学園では、今日から教員の評価表記入期間、なので、生徒は休み。
一応、自宅学習期間、だと思われる。
『2週間でマスターする絵解き英文法』は、非常にわかりやすいです。シンプルだから、楽に読み進めていくことができます。これのみでは英語を読み書きできるようにはならないかもしれないけれど、入門としては良いです。

ただし、英語を読み書きするためには単語を山のように覚えることが必要です。語彙が豊かでなければならないのです。とりあえず、単語を覚えなければ、と思います。

文章を読みながら、その中にある単語を一度に覚えていくといいみたいです。なので、そうしてみようと思います。


読んだ本
高橋薫『2週間でマスターする絵解き英文法』
自由の森学園では、曼珠沙華が咲いています。
写真を撮ってきたい、と思います。

明日、晴れているといいのだけど・・・
なんというか、晴れる気がしない・・・
395人格転移の殺人
★★★★ 西澤保彦

394戦闘妖精・雪風<改>
★★★★ 神林長平

393熊の場所
★★★ 舞城王太郎

392詩的私的ジャックJack the Poetical Private
★★ 森博嗣

391蘆屋家の崩壊
★★★ 津原泰水
★★★★

作者:  西澤保彦
出版社: 講談社

  ファーストフード店にいた6人の男女は、突然の大地震に遭遇して怪しげなフィルターに逃げ込みます。ですが、それは数十年前アメリカ政府が研究し続けたのに、その仕組みを解明できなかった、不可思議な人格転移装置でした。男女の中の一人、江利夫は起きると自分の心が別人の体の中に入っていることに気付きます。彼は、他の人とともに話し合おうとするのですが、そんな誰が誰か分かりづらい複雑な状況の中で、突如として連続殺人事件が起こります。さて、誰が誰を殺したのか?

  SFの要素を含んだミステリ小説。

  不思議なシステムが面白い物語を形作っていますが、状況を把握することがまず面倒です。ややこしい複雑なパズルみたいな感じ。この物語を考えた西澤保彦は凄い、と感じました。

  まぁ、その人格転移システムが複雑だから、その代わりとしてそれを説明するための文章は分かりやすいし、読みやすいです(そこまで凝ったものだったら読解が困難になるし、ミステリではなくなってしまう気がする)。ライトノベルと近いものがあります。

  全ての謎のヒントは最初から示されています。そこも凄かったです。

  ラストのオチは、そこまでビッグなものではありません。ですが、綺麗に収まっていてなかなか良いなぁ、と感じました。ついでに、大森望の長い解説も面白くて良いです。SFにもミステリにも詳しい大森望だからあのような解説を書けるんだろうなぁ。


自森人読書 人格転移の殺人
★★★★

著者:  神林長平
出版社: 早川書房

  突如として南極大陸に出現した超空間通路を通って、未知の存在ジャムが地球に攻め込んできます。それに対して人類は必死で反撃し、ジャムを地球から撃退することに成功。そして逆に、通路の向こう側にある惑星フェアリイにFAFを派遣してジャムを押し込めようとするが、そこでは一進一退の攻防が続いていました。主人公は、FAFに属す特殊戦の深井零。彼は戦術戦闘電子偵察機・雪風に乗り込んで雪風とともに、孤独な戦いを続けます。彼の任務は、味方を見捨ててでも戦闘の情報を得て、それを確実に持ち帰るというものでした・・・

  加筆訂正と新解説が加わった改訂版(『戦闘妖精・雪風』 → 『戦闘妖精・雪風<改>』)。内容的にはほとんど変わりはないそうです。

  戦闘の場面は凄いなぁ、と感じました。戦闘機による未知なる存在との戦いの描写がぎっちりと詰まっています。緻密な描写を呑み込むのは大変だけど、面白さは抜群です。

  冷淡な零とも関係を保つことができるブッカーと言う人が印象に残ります。

  物語の中に、「人間的とは何か?」という問いが含まれていてとても考えさせられました。非人間的だとよく批判される主人公、深井零はけっこう情に篤い男です。それでは「人間的」とはどういうことなのか。利己的に振る舞って他人を顧みないと冷酷といわれるのだから、逆に言えば「他者との協調」こそが人間性の発露なのかも知れない。でも、結局は自分の世界に生きている自分が「他者と繋がる」ためにはどうすれば良いのか。本当に難しい・・・

  あと、どこからどこまでが命なのか、ということも考えさせました。

  神林長平がよくテーマとして扱うものに「言葉」と「機械」があるそうですが、人間や生命というものをどう捉えるか考える時、その2つは欠かせないなぁ、と感じました。自分の利便のために存在しているものなのに、使っているうちに自分の意思を離れていくものとどう付き合うのか。SF小説は深い。ただし、こなれていない日本語が少し微妙かなぁ、とも感じます。もう少しすっきりしないかなぁ・・・

  完結せず、『グッドラック』に続きます。

  第16回星雲賞受賞作。


自森人読書 戦闘妖精・雪風<改>
★★★

著者:  舞城王太郎
出版社: 講談社

  『熊の場所』は舞城王太郎の中短篇集。『熊の場所』『バット男』『ピコーン!』収録。

  『熊の場所』
  僕はまー君の猫殺しに気付き、立ちすくみます。どうすれば良いのか。そんな時、父の話を思い出しました。僕の父は、熊に襲われて逃げ出したことがあります。しかし、父は一生熊から逃げ続け(その記憶をひきず)るのは嫌だ、と思い、引き返して熊に闘いを挑みました。僕も父と同じように熊の場所へと戻っていきます。そして、自分の弱さに挑みかかるのです・・・

  『バット男』
  バットを持ち歩いているおかしな人がいました。ですが、彼はそのバットを威嚇としてしか使わず、逆にバットを奪われ、いつでも叩かれ、蹴られる役でした。僕はバット男の反撃を待っていました。ですが期待は裏切られ、とうとうバット男が殺されてしまいます。そんな中、友達の彼女がそのバット男に金を貰って体を売ったということが明らかになり・・・

  『ピコーン!』
  改造車を走らす馬鹿の集団の中で、チョコと哲也は出会います。チョコは今の状況から抜け出そうとするのですが・・・

  今回はかなり純文学っぽいです。SF的設定やミステリ的趣向はほとんどありません。

  グロテスクだけど、面白いです。文体が素晴らしいです。どうすればここまで書き殴っているみたいなのに分かりやすい文章が書けるのだろう。


自森人読書 熊の場所
★★

作者:  森博嗣
出版社: 講談社

  S&Mシリーズの第4巻。

  N大学構内で女子大生の連続殺人事件が起こります。その死体には、不可思議な傷が残されていました。そのため、その学校の生徒でロック歌手として活躍している結城稔が疑われます。彼の歌っている歌詞と、その殺人事件には似ている部分があったからです。その謎に、学生・西之園萌絵とその教授・犀川創平が挑みます。

  今回の密室はつまらないです。というか「密室」なんて現実的にはありえないし、どう定義するかの問題だから意味がないということを犀川創平が述べますが、確かにそのとおりだと感じました(少し作者の言い訳を代弁しているような気もしたけど)。

  犀川創平に対して果敢にアタックをかける西之園萌絵が可笑しいです。2人の恋愛、というか一方的な恋愛はどこへいきつくのか。

  そういえば今回、犀川創平は中国へ行ってしまいます。なのでじれったいです。探偵役の彼が帰って来ない限り、物語は完結しないわけで。

  そういえば、犯人の心にはいまいち納得できないです。まぁ納得できなくなて当然なのか。今回もやっぱり森博嗣お得意の「狂気」、普通からはずれた論理に憑かれた心の物語でした。


自森人読書 詩的私的ジャックJack the Poetical Private
★★★

著者:  津原泰水
出版社: 集英社

  津原泰水の連作短編集。『反曲隧道』『蘆屋家の崩壊』『猫背の女』『カルキノス』『ケルベロス』『埋葬虫』『水牛群』収録。

  30になってもぶらぶらしている俺と、伯爵と呼ばれている怪奇小説作家の物語。毎度、彼らが不思議な事態と遭遇します。

  タイトルは、『アッシャー家の崩壊』のパロディみたいだけど、オマージュというわけではないです。ミステリのような、ホラーのような、ファンタジーのような、SFのような短編が集められています。日常の中に忍び込んでくる怪奇を上手に描き出しています。まず最初にある『反曲隧道』が良いです。いかにもこれから幻想の世界にお連れしますよ、という雰囲気で。

  しかも、その雰囲気が壊れることなく、最後までしっかりと保たれています。作品は各々違った色合いなのに、全体としても統一性があるのは凄いです。

  『埋葬虫』が一番怖いです。
  猿渡は学生時代の旧友と再会し、年代もののカメラを借りるのですが、その時森の写真を撮ってきて欲しいと頼まれます。そのカメラは、旧友のものではなく、彼の会社の後輩のものでした。彼とその後輩は、ともにマダガスカルへ行ったのですが、後輩は虫を食ったために体を虫に乗っ取られ、もう長くなくて、森の写真を見たいというのが末期の頼みだったのです・・・

  ぞくっとするし、古事記やおとぎ話などを下敷きにしている部分はとくに楽しいです。


自森人読書 蘆屋家の崩壊
10月9日 Jiモール大バザール&森の市が、あります。

元たまの石川浩司さん、自森卒業生の蟹江杏さんがゲストとして、来るそうです。そして、「日本で一番まっとうな学食」や「自由の森カレンダー」なども販売され、自森卒業生が、大勢きて出展するみたいです。

楽しみです。

学園祭も控え、なんというか、祭りの秋という感じです。
390日本沈没
★★ 小松左京

389高円寺純情商店街
★★★ ねじめ正一

388六月の夜と昼のあわいに
★★★★ 恩田陸

387蔭の棲みか
★★★ 玄月

386雪沼とその周辺
★★★★★ 堀江敏幸
★★

著者:  小松左京
出版社: 小学館

  地球物理学の権威・田所博士は、深海潜水艇“わだつみ”の操艇者・小野寺俊夫に伴われ、日本海溝に潜ります。そこで彼は恐るべき異変を発見しました。田所博士は日本が沈没するという衝撃的なことを言い出します。彼に促され、政府は密かにDー1計画を立案し、その未曾有の事態に必死で対処しようとするのですが・・・・・

  あまりにも有名な作品。

  大ヒットして「SF」を一般の人たちに広めた大作。SF小説とは何か、ということを説明する時、引き合いに出されることもあるみたいです。日本沈没という「絵空事」を、圧倒的な筆力と壮大な構想でもって現実のことのように描き出してくれます。

  けど、硬くて難しいことはなくて、壮大なエンターテインメント小説として読めます。物凄くたくさんのものが詰め込まれ、ごった煮になっています。最初期における海洋の探索、政治の動き、震災の拡大、登場人物たちの恋愛などなど全ての描写に力がこもっています(恋愛の部分の必要性が感じられなかったけど)。だから、とにかく凄いんだけど・・・

  でも、僕は冗長に感じてしまいました。上下巻あるのですが、読んでいて息切れします。もっとスマートにして欲しい、と思いました。僕がSF小説を読みなれていないせいかなぁ。

  映画化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化、漫画化されているそうです。

  第27回日本推理作家協会賞・第5回星雲賞日本長編部門受賞作。


自森人読書 日本沈没
★★★

著者:  ねじめ正一
出版社: 新潮社

  正一少年は江州屋のせがれ。「削りがつをと言えば江州屋」という言葉が示すとおり、彼の家は削りがつをが売りの乾物屋でした。彼は自分の家の家業を少しいやだなと重いながら、でもやっぱりいやだとは言えず、すこし良いかもとも思っているのですが・・・

  連作短編集。『天狗熱』『六月の蝿取紙』『もりちゃんのプレハブ』『にぼしと口紅』『富士山の汗』『真冬の金魚』収録。

  抑制の効いた文章が非常に良いです。さらりとしているのですが、淡い味があります。いろんなことを語ってくれます。

  ねじめ正一自身の少年時代の経験をもとにして、高円寺商店街の日々の風景を描き出した小説。ほのぼのとしていますが、正一少年の小さな不満などもきちりとかかれていてよかったです。共感しました。しかし、「懐かしく温かい商店街」の風景自体には思いを馳せることができませんでした。過去にはそんな時代もあったのか(少し美化されているにしろ)、というふうに感じました。

  第101回直木賞受賞作。芥川賞と直木賞の違いがよく分からなくなってしまいました。『高円寺純情商店街』みたいな小説は私小説だし、芥川賞にいく種類の小説だと感じたんだけど。境界線というものがいまいち分からないなぁ・・・

  そういえばドラマ化されているそうです。


自森人読書 高円寺純情商店街
★★★★

著者:  恩田陸
出版社: 朝日新聞出版

  『六月の夜と昼のあわいに』は恩田陸の短編集。『恋はみずいろ』『唐草模様』『Y字路の事件』『約束の地』『酒肆ローレライ』『窯変・田久保順子』『夜を遡る』『翳りゆく部屋』『コンパートメントにて』『Interchange』収録。

  またまたいつもと同じパターンか、と思いきや、やっぱり同じ。最初は少しうんざりしながらページをめくっていたのですが、最後にはなんだか感動してしまいました。今回は、それぞれの短編の前に詩と絵が載っています。それ全体で1つの作品、ということなのだろうけど、全く意味が汲み取れません(その上、絵も詩も、恩田陸の小説に太刀打ちできていない気がする・・)。ここまでくると愉快です。

  もう『六月の夜と昼のあわいに』という本自体が、現代美術の作品みたいな感じ。それにしては親切。とても楽しめます。

  『窯変・田久保順子』は唐突です。天才となるはずだった田久保順子の悲惨な人生を描いた小説。あまりにもブラック。これは、一種のジョークなのだろうか。笑えない・・・

  『Interchange』は浮かび上がってくる風景が綺麗です。

  不思議な味がします。あまりおすすめは出来ないし、何かを期待すると裏切られるけど、とにかく読んでいると笑える部分もたくさんあって、おかしな気分になります。改めて恩田陸という小説家は凄い、と再確認できます。


自森人読書 六月の夜と昼のあわいに
★★★

著者:  玄月
出版社: 文藝春秋

  『蔭の棲みか』は玄月の短編集。『蔭の棲みか』『おっぱい』収録。

  『蔭の棲みか』
  主人公は、「枯れた」老人、ソバン。彼は、かつての戦争で機銃掃射を浴びたため右手首から先を失っていました。その彼の手と彼の存在はバラックの集まる集落では一種の伝説と化しています。ですが、老人自身はかつて息子に「なぜ日本軍人だったのか」と非難され、その上息子が学生運動に参加して死に、さらに妻も事故で失ってから無為の日々を過ごしていました。近頃では、ボランティアとして独居老人の訪問を行っている主婦・佐伯さんの訪問だけが楽しみとなっていたのですが・・・

  『おっぱい』
  完全に切れてしまったようでどこかつながっている祐司、由子夫婦のもとに、康先生と彼の盲目の娘、美花が訪ねてきます。彼らのつきあいはどこかぎくしゃくとしているのですが・・・

  『舞台役者の孤独』
  最も読みづらいです。勝手に物語を妄想する青年、望が主人公。彼は父母や弟を失い、さらには養ってもらっていた伯父叔母を失う中で、死というものを上手に認識できなくなっていました。けれど弟の死を忘れることはないように、公園の滑り台のところにきて、韓国教会の十字架の影を眺めていたのですが・・・

  どの短編にも在日韓国人や不法滞在者の人たちが登場します。作者、玄月自身も在日韓国人だそうです。小説は独特の暗い雰囲気を持っています。

  収録されている3つの物語をどのように解釈すれば良いのか、考えてしまいます。在日韓国人の歴史そのものを背負っているかのような老人、ソバンは最終的に、「単一民族国家」日本を守ろうとする官憲に噛み付きます。それは、過去を清算するための攻撃だとは思えません。もしもそうだとしたら誰も救われない。無邪気な「単一民族国家」という考えに対する反抗ではないか。

  『おっぱい』は、第121回芥川賞候補作。『舞台役者の孤独』は第8回小谷剛文学賞受賞作。『蔭の棲みか』は第122回芥川賞受賞作。


自森人読書 蔭の棲みか
★★★★★

著者:  堀江敏幸
出版社: 新潮社

  雪沼とその周辺に生きる人たちの姿を描き出した連作短編集。『スタンス・ドット』『イラクサの庭』『河岸段丘』『送り火』『レンガを積む』『ピラニア』『緩斜面』収録。それぞれの物語は、微妙にリンクし合っています。

  『スタンス・ドット』が最も印象的でした。その日限りでボウリング場を閉める老人と、そこにトイレを借りるため偶然入ってきた男女の物語。

  日常の一場面を静かに切り取った短編ばかりが集められています。全体的に何もないようでいて温かいです。

  だけど、どこかに寂しさも併せ持っているような気がしました。登場人物に年を取った人が多いためかも知れない。多くのものを失い、深い悲しみや暗がりを抱えてそれでも生きていく彼らの心情がにじみ出ているのではないか。そうではなくて、彼らだけでなくて雪沼という町自体が世間の喧騒に取り込まれなかった代わりに、ぽつんと取り残されてしまったのかも知れない。

  「雪沼」というくらいだから、雪が降ってくるのかと思いきや、回想のシーンにしか登場しません。雪のことを思うと、どれだけのことが書かれていないのか、この物語の中に収まりきらないものがどれほどあるのか、ということを考えてしまいます。巧いというしかないです。

  非常に上品な小説。しかし優雅なだけではありません。重いものを含んでいます。

  『スタンス・ドット』は、第29回川端康成文学賞受賞作。『雪沼とその周辺』全体は、第40回谷崎潤一郎賞・第8回木山捷平文学賞受賞作。


自森人読書 雪沼とその周辺
『米軍再編』
著者は、「米軍再編」を、事実のみに即して記していきます。読めば、米軍による再編計画の全貌がわかります。普天間基地撤去問題について考える材料にもなります。


読んだ本
江畑謙介『米軍再編』
沖縄フォーラムIN東京【普天間は問いかける】


◆日時:2010年9月23日(秋分の日)
 開場9:30  開会 9:45 (昼休み45分) 終了 16:30

◆会場:明治大学・リバティホール(明大駿河台校舎リバティタワー1F)
 JR中央線・総武線、東京メトロ丸の内線/「御茶ノ水」駅下車徒歩3分
 http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

◆参加費:1000円(学生500円)
◆予約は不要です。

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【発言者】

◎新崎盛暉さん(沖縄大学名誉教授 沖縄現代史)沖縄現代史この1年
◎前泊博盛さん(琉球新報社 論説委員長)基地依存経済の呪縛を解く
◎屋良朝博さん(沖縄タイムス社論説兼編集委員)抑止力―海兵隊は何をしているのか
◎浦島悦子さん(フリーライター 名護市在住)名護で何が起こってきたのか
◎長谷川均さん(国士館大学教授 地理学・環境学)沖縄の環境、辺野古・大浦湾の海

*沖縄からの問いかけ、報告を受けて
◎桂 敬一さん(元東京大学教授 ジャーナリズム論)
 
※その他、多彩な企画を検討中

--------------------------------------
主催:沖縄フォーラムIN東京 実行委員会

連絡先】沖縄平和ネットワーク 首都圏の会 
 〒101-0064 千代田区猿楽町2-1-8(高文研内 山本)
 Tel 03-3295-3415 E-MAIL:metro@okinawaheiwa.net

賛同団体】7月23日現在
 沖縄平和ネットワーク首都圏の会、沖縄戦首都圏の会、ピース・ニュース
 宮森630を伝える会、GGS、マスコミ9条の会、日本ジャーナリスト会議
 「沖縄に基地はいらない」全国同時アクションTOKYO、JUCOネットワーク
 子どもと教科書全国ネット21、基地のない平和な沖縄をめざす会
 教科書・市民フォーラム
転載


なにを見ようか、
   なにを聴こうか、
    なにを買って帰ろうか ♪


あっちもこっちも魅力がいっぱい


東京9条まつり
2010年11月13日(土)
@大田区産業プラザ全館貸切り

 2010年11月13日、大田区産業プラザにおいて「東京9条まつり」を開催します。これは東京で憲法9条を守る運動、さらには平和・民主主義・人権などの課題に取り組んでいる個人や団体が一堂に会して、自ら主人公となって発信し、より多くの人々とつながり合うための企画です。
 そのために大田区産業プラザを1日全館貸切りにしました。そこに皆さんからたくさんの自主企画を持ち寄っていただき、多種多彩な催しのデパートにしたいと思います。東京のいろいろな地域・職場・学園から、九条・平和・貧困・人権・民主主義などさまざまな運動に関わる多彩な企画を集めて、楽しく賑やかな「まつり」にしましょう。


東京9条まつり 紹介ページ
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
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