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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『本屋大賞〈2007〉』
■2007年(第4回)
 ◎ 佐藤多佳子 『一瞬の風になれ』◇
 2 森見登美彦 『夜は短し歩けよ乙女』◇
 3 三浦しをん 『風が強く吹いている』
 4 伊坂幸太郎 『終末のフール』
 5 有川浩 『図書館戦争』◇
 6 万城目学  『鴨川ホルモー』◇
 7 小川洋子  『ミーナの行進』◇
 8 劇団ひとり 『陰日向に咲く』
 9 三崎亜記 『失われた町』
10 宮部みゆき  『名もなき毒』◇

11 伊坂幸太郎 『砂漠』
12 小路幸也 『東京バンドワゴン』
13 津原泰水 『ブラバン』
14 大崎梢 『配達あかずきん』
15 伊坂幸太郎 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』
16 海堂尊  『チーム・バチスタの栄光』◇
17 乙一  『銃とチョコレート』◇
17 奥田英朗 『ガール』
19 恩田陸 『チョコレートコスモス』
20 森見登美彦 『きつねのはなし』
21 米澤穂信 『ボトルネック』
21 北村薫 『ひとがた流し』
23 東野圭吾  『赤い指』◇
24 奥田英朗 『町長選挙』
24 浅田次郎 『中原の虹』
26 薬丸岳 『闇の底』
27 平山夢明  『独白するユニバーサル横メルカトル』◇
28 川上弘美 『真鶴』
29 山本弘  『アイの物語』◇
29 西加奈子 『きいろいゾウ』
29 中村航 『絶対、最強の恋のうた』

読んだ本
本の雑誌編集部『本屋大賞〈2007〉』

読んでいる最中
大江健三郎『芽むしり仔撃ち』
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『ネコとひなたぼっこ』はまどみちおの詩集。
どれもこれも面白いです。簡単な言葉ばかりなのに、様々なことが表現されています。
『ネコとひなたぼっこ』

面白い仕掛け絵本『SWING!』。
ページを開くと絵が動き出します・・・
『SWING!』


読んだ本
まどみちお『ネコとひなたぼっこ』
ルーファス・バトラー・セダー『SWING!』


読んでいる最中
大江健三郎『芽むしり仔撃ち』
本の雑誌編集部『本屋大賞〈2007〉』
これは面白い、とすすめられて読みました。物凄くかっこいい小説でした。
『ストーカー』
のどかな田舎ハーモントに、突如として〈ゾーン〉が発生します。〈来訪者〉がうみだしたものだと考える人もいますが、それが発生した理由は定かではありません。その内部には不可解な効果をもたらす物がたくさん転がり、物理法則を無視した異常な現象が日々発生しています。ですが、ストーカー(密猟者)たちは危険をもろもせず、密かに〈ゾーン〉へと侵入し、金になるものを持ち出し、うりさばいています。主人公レドリック・シュハルトもストーカーの一人。家族を養うためストーカーとして活躍しています。彼はどんな願いでも叶えてくれるという〈黄金の玉〉の噂をきくのですが・・・

ロシアのSF小説。原題は『路傍のピクニック』だそうです。

ファースト・コンタクトというか、人間は人間以外の存在とコンタクトすることが可能なのか、というようなことが問われています。しかし、宇宙人が登場するわけではありません。具体的には、不可解な事態に困惑する人間とその社会が描かれています。とはいっても高みからそれら語るわけではありません。レドリックとその周囲のことが綴られています。非常に泥臭いです。

〈ゾーン〉というのは〈来訪者〉がピクニックしたあとに残していったゴミなのかも知れない、と科学者が指摘します。だとすると、それに群がりつつも翻弄される人間は蝿のような虫けらなのか、と考えさせられます。

どうしてもレムの『ソラリス』を連想します。

世界を人間中心に解釈し、宇宙さえも人間世界の延長として捉えてしまう王道のSFでないところは共通しています。しかし、微妙に異なる気もします。ストーカーであるレドリックは、宇宙人とのコンタクトなど欲しません。家族とともに出来うる限り幸せに生きていくことを望んでいるだけです。彼は組織や集団に縛られることを拒否し、出来るだけそれらにはめこまれないように生きていこうとします。でも、利己的な部分もあるし、思い通りにいかないことをたくさん抱え込んでもいる普通の人間です。

ラストが素晴らしいです。レドリックの叫びは痛々しいけど、途轍もなくかっこいいです。


読んだ本
A&B・ストルガツキー『ストーカー』

読んでいる最中
まどみちお『ネコとひなたぼっこ』
ルーファス・バトラー・セダー『SWING!』
大江健三郎『芽むしり仔撃ち』
本の雑誌編集部『本屋大賞〈2007〉』
『順列都市〈下〉』
物語の舞台は近未来の地球。人格や意識や記憶さえもコンピュータの中に取り込むことが可能になり、富豪たちは<コピー>としてコンピュータの中でいつまでも生き続けるようになります。そこへ、ダレムという男が現れます。彼は、たとえ宇宙が消滅しても安全でいられる場所を見出すことができると言い出すのですが・・・

SF小説。

生粋のサイエンス・フィクションと呼ぶにふさわしい作品。イーガンはトンデモと言われかねないようなアイディアに、真正面から挑みかかります。少し強引な気もするけど、凝っていて素晴らしいです。細部までよく練られています。

人物描写はぎこちない気もするけど、別に変なわけではありません。

あまりにも様々な物が詰め込まれすぎているので訳が分からなくなるのですが、<コピー>に関する問題(倫理的にどうなのか、<コピー>は本人とは異なるか)、塵理論(その発見・解明・利用)、不死と罪の問題、世界の創造に関する問題(人は神/創造主たりえるか、倫理的に許されるか)、擬似的なファーストコンタクトなどが扱われているようです。

カフカ、『ユリシーズ』といった作品が、名前だけとはいえ少し登場するところは面白いです。SFというジャンルにこだわりつつもその中にすんなりと収まるつもりはない、というイーガンの意思表示なのかなぁ、と感じます。影響を受けているみたいだし。

とにかく示唆に富んでいます。

科学は人に何をもたらすのか考えさせてくれます。もしかしたら、科学は生命そのもの/生きるという行為自体を解体していくのかも知れない、と感じました。


読んだ本
グレッグ・イーガン『順列都市〈下〉』

読んでいる最中
A&B・ストルガツキー『ストーカー』
『アメリカの鱒釣り』
「アメリカの鱒釣り」を巡る47の物語、あるいはその断片。最初の章『『アメリカの鱒釣り』の表紙』では、表紙が説明され、ベンジャミン・フランクリン像について書かれています。どれだけ読んでも「アメリカの鱒釣り」が人なのか、物なのか、思想なのか、よく分かりません。人っぽいけど。

不思議な小説。

ブローティガンは詩人としても有名だそうです。『アメリカの鱒釣り』という小説も、詩のようです。全体としては訳が分からないけど、一文一文が面白いです。

< 去年の秋突然、<アメリカの鱒釣りちんちくりん>が、壮麗なクロームめっき鋼鉄の車椅子に坐ってよろよろとサン・フランシスコに現われた。/ かれは脚のないヒステリーの中年アル中のようだ。/ あたかも旧約聖書からの一章のように、かれはノース・ビーチに降り立った。かれは、秋になると渡り鳥が旅立つ理由そのものである。大地の冷え冷えとした回転そのもの、甘い砂糖を吹きしばす悪しき風だ。>というような感じ。全文引用したくなってきます。

とはいえ、とにかく意味を読み取ることが困難なので、困惑します。

しかし、読みづらいわけではありません。文章は簡潔だし、全体的にポップな印象を受けます。それなのに読み終わってみると全体としてどうだったかということがよく分からないのです。本当によく分からないです。

『アメリカの鱒釣り』は『白鯨』のあとを受け継ぐ作品なのではないかと訳者は指摘していますが、どうなのだろう。

『アメリカの鱒釣り』は、アメリカで巻き起こったビート・ジェネレーションの一翼を担ったそうです。ビート・ジェネレーションをよく知らないので、これから読んでみたいです。

もしかしたら、高橋源一郎はブローティガンの後継者なのかなぁ、と少し感じました。


読んだ本
リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』

読んでいる最中
A&B・ストルガツキー『ストーカー』
『四畳半神話大系』
ある大学生「私」の物語。私はどのような大学生活を送る可能性がありうるのか、ということが綴られています。『第1話:四畳半恋ノ邪魔者』『第2話:四畳半自虐的代理代理戦争』『第3話:四畳半の甘い生活』『第4話:八十日間四畳半一周』で構成されています。私は、いつでも腹黒くてしかも妖怪のように不気味だけど顔が広い小津と出会い、そして、理知的な女性、明石さんに対して恋心を抱くのですが・・・

愉快な青春小説。

薔薇色の青春生活を夢見ながらも、結局のところ小津とつるむしかない腐れ大学生はいかにして違う道へ踏み出していくのか。3度も同じようなはなしが繰り返されるので冗長なのですが、だからこそ楽しいです。もちぐまなど、様々なアイテムが繰り返し登場するのですが、それも楽しいです。構成が考えられています。

SF的設定が巧みに取り入れられています。そして、理屈ばかりこねるひねくれた大仰で軽妙な文体が愉快です。

そして、とにかく登場人物が強烈。

腹黒くて妖怪のように不気味だけど顔が広くて、不幸を振り撒く小津、理知的でクールだけど、蛾が大嫌いな明石さん。いつでも紺色の浴衣をきて無精髭をはやしている飄々とした京都大学8回生、樋口清太郎。酔うと人の顔を舐め始める羽貫涼子。かっこよくて女の子からももてているのにラブドールを愛している城ヶ崎。

素晴らしい快作。


読んだ本
森見登美彦『四畳半神話大系』

読んでいる最中
A&B・ストルガツキー『ストーカー』
『おカルトお毒味定食』
松浦理英子と笙野頼子の対談集。タイトルはちょっと不気味ですが、中身はまっとうな対談になっています。2人とも小説家なので小説に関するはなしが多いです。どのように小説というものを書いているのか覗けて面白いです。

松浦理英子の作品は一度も読んだことがないので、これから読んでみたいと感じました。

フェミニズムという言葉があり、今では男女平等ということがいわれているけど、今でも女性は女性だというただそれだけで抑圧を受けているのだから、その抑圧を生み出す制度や言葉を壊す必要がある、と笙野頼子は言います。非常にかっこいいです。怒り/恨みが小説を書く原動力になっているというのは、小説を読んでいるだけでも感じられますが、改めて説明されるとさらによく分かることができます。

小説のことだけではなく、趣味のことなども綴られています。笙野頼子はジャズ、とくにドラムが好きなのだそうです。それが作品にも結びついているらしいので、これからは気にしてみようと思いました。

2人とも日常生活の中で、度々不条理な出来事に遭遇するのだそうです。感覚的に肉体を駆使できないからこそ、小説家は考え始め、小説家になりえるのかも知れない、と感じました。


読んだ本
松浦理英子、笙野頼子『おカルトお毒味定食』

読んでいる最中
A&B・ストルガツキー『ストーカー』
『神去なあなあ日常』
勇気は高校生卒業後、教員と親に謀られ、山林の中にある神去村に放り込まれます。彼はヨキという巨大な男に迎えられ、ヨキの家に居候することになります。そして、チェーンソーを使って山仕事に励むのですが、なかなかうまくいきません。祭りや神隠しが起こる、のんびりとしているけど熱い神去村での1年間が綴られています。

林業を扱った青春小説。

「なあなあ」とは、神去村で使われている言葉です。「ゆっくり行こう」「まぁ落ち着け」というような意味。

神去村は都会と異なります。奇妙なしきたりが数多く存在しているし、とても温かくてある意味ではうっとうしい共同体がまだ存在しているし、「山は神の領域だから立ち入らない」といった山への信仰が残っています。その辺りの描写が秀逸。あとは林業を扱っているところも面白いと感じました。自由の森学園の選択科目の中に林業もあるのにこれまでは言葉しか知りませんでしたが、『神去なあなあ日常』を読み、林業について少しは知ることが出来ました。


ヨキが飼っている賢い白犬ノコが可愛いです。火事のとき、自分が役立つことができないと落ち込んでしまうのです。

文体は軽くて練られていないようにも感じられますが、しっかりと言い訳が用意されています。主人公・勇気本人が書いた文章ということになっているのです。うまいなぁ、と感心しました。

三浦しをんの小説は、いつでも妙に甘くて隙があるし、文体も軽すぎる気がしていました(小説よりもエッセイの方が面白いかも、とも感じまていました)。だけど、『神去なあなあ日常』は楽しめました。三浦しをんの作風と文体が、ユーモア溢れる青春小説にマッチしているからだろうと感じました。


読んだ本
三浦しをん『神去なあなあ日常』

読んでいる最中
松浦理英子、笙野頼子『おカルトお毒味定食』
『蛇を踏む』
川上弘美の短編集。『蛇を踏む』『消える』『惜夜記』収録。

『蛇を踏む』
私は蛇を踏んづけてしまいます。すると、蛇は「踏まれたらおしまいですね」と言って女になり、私の家に住み着くようになりました。数珠屋「カナカナ堂」に勤める女性の物語。芥川賞受賞作。

『消える』
このごろずいぶんよく消えます。2週間前には上の兄が消え、昔は曾祖母が1年間消えたこともありました。五人の家族の物語。

『惜夜記』
「背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった」という一文から始まります。馬/カオス/紳士たち/ビッグ・クランチ/ニホンザル/悲運多数死/泥鰌/シュレジンガーの猫/もぐら/クローニング/ツカツクリ/ブラックホール/象/アレルギー/キウイ/フラクタル/獅子/アポトーシス/イモリで構成されています。夢をそのまま綴っていったような感じ。よく分からない作品。

どの作品もシュール。

文体は柔らかくて穏やかなのですが、妙なものが混じりこんでいるため気持ち悪いです。たとえば、『蛇を踏む』の場合は蛇がまぎれこんでいます。暗喩のように感じることもあるのですが、単なる法螺話のようにも思えます。蛇とは何なのか考え出すと訳が分からなくなります。

蛇とは女性にまとわりつく母性本能のようなものを指すのか、それとも広義のセックスのことか、それとも意味などないのかなぁ。どうなのだろう・・・ けど、考えずともただ読むだけでも面白いです。最後の辺りになってくると少しだれてくるところが玉に瑕のようにも感じられるのですが。


読んだ作品
川上弘美『蛇を踏む』
川上弘美『消える』
川上弘美『惜夜記』


読んでいる最中
三浦しをん『神去なあなあ日常』
『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 20 ソロモン編・後』
とても面白いです。

ニュータイプという言葉が何度も使われます。ララァが本格的に活躍し始めます。

上層部の描写などが付け加えられていることで、物語に厚みが増している気がします。地球連邦軍最高司令官のレビルはちょっと勘違い気味なのだけどそれでも時代を敏感に感じ取り、それと向き合おうとしている優れた人物として描かれています。


読んだ本
安彦良和『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 20 ソロモン編・後』

読んでいる最中
川上弘美『蛇を踏む』
三浦しをん『神去なあなあ日常』
『モロイ』
要約することが不可能な小説。二部構成。

第一部
モロイの独白が綴られています。彼は様々なことをたらたらと連想します。100ページにも渡って改行がない上に、脈絡がないので、茫然とさせられます。「私は母の寝室にいる。・・・」という一文から始まります。どれだけ読んでも足に異常を持ち、母親を失い、自転車を好み、16個の小石を順番にしゃぶろうとして、ふらふらしているモロイというのは何なのかいまいちよく分かりません。困惑します。

第二部
頼まれてモロイのことを捜索するモランの報告。彼は父親のように振舞おうとして愚鈍な息子を使うのですが、なかなか威厳を保てず・・・

訳が分からない小説。

著者は何を書きたいと思っているのか分かりません。それにモロイというのは何者なのか、彼は何を目指しているのか分からないです。しかし、だからこそ一つひとつの文章にひきつけられるし、いろんなところで立ち止まることになります。

ベケットは定型化された小説をぶち壊し、絶対的な作者を抹消し、言葉や筋書き、ひいては小説自体を捉えられないものにしたかったのかも知れないと感じます。多分、読むという行為を一回限りのものにする企み、なのではないか。

ベケットの演劇『ゴドーを待ちながら』とも共通している部分が多くて面白いです。あと、「・・・ただこれだけ言っておこう、おまわりもとうとう。ぶつぶつ言いながら、退散してしまった。退散と言っても良いすぎじゃあない。私がもうこれ以上やっつけられそうもないと見切りをつけて最後の野次馬たちもそのあとに従った。だがおまわりは振り返って言った。ただちに犬は除去してくださいよ。・・・」という文章がありますが、劇団どくんごの演劇『ただちに犬 Deluxe』を連想しました。もしかして元ネタか。

とかくどこまでも捉えられないところは、カフカとも近いです。訳が分からない小説に意味がないわけではない、と感じるし、まぁそれなりに楽しいです。


読んだ本
サミュエル・ベケット『モロイ』

読んでいる最中
森見登美彦『四畳半神話大系』
『鼠と竜のゲーム』『燃える脳』『スズダル中佐の犯罪と栄光』『黄金の船が・・・おお! おお!おお!』『ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち』『アルファ・ラルファ大通り』

『燃える脳』
最高のゴー・キャプテンとして知られているマーニョ・タリアーノとその妻ドロレス・オーの物語。悲劇。

『スズダル中佐の犯罪と栄光』
主人公は、クルーザーの艦長スズダル中佐。彼はアラコシア人の襲撃を受けます。それをある違法な方法で撃退するのですが、極刑に処され・・・

『黄金の船が・・・おお! おお!おお!』
辺境の惑星を支配する独裁者ラウムソッグ大公は地球征服をたくらみました。補完機構はそれに対応します。

『ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち』
盗賊ベンジャコミン・ボザートは、惑星ノーストリリアに侵入し、ストルーンを盗み出そうとするのですが・・・

『アルファ・ラルファ大通り』
人類補完機構は《人間の再発見》を容認し、地球の人類を安全で満足できる管理から解き放ちます。新フランス人となった2人は・・・


読んだ作品
コードウェイナー・スミス『燃える脳』
コードウェイナー・スミス『スズダル中佐の犯罪と栄光』
コードウェイナー・スミス『黄金の船が・・・おお! おお!おお!』
コードウェイナー・スミス『ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち』
コードウェイナー・スミス『アルファ・ラルファ大通り』


読んでいる最中
サミュエル・ベケット『モロイ』
『鼠と竜のゲーム』
短編集『鼠と竜のゲーム』を読んでいる最中。

『スキャナーに生きがいはない』
主人公は、スキャナーのマーテル(スキャナーとは<空のむこう>で人間を守るため自ら志願して肉体を機械化した人間たち)。マーテルはクランチに入り妻との日々を楽しんでいたのに、突如として緊急召集されます。スキャナーたちは自分たちの存在意義を失わせる男を殺そうとしていました。マーテルは反対し・・・

『星の海に魂の帆をかけた少女』
主人公はヘレン・アメリカとミスター・グレイ=ノー=モア。ヘレン・アメリカは初めて星の海に〈魂〉の帆をかけた畸形の女性。グレイ=ノー=モアは一ヶ月(その間に40年分老化)かけ、母なる惑星へ現れた老人。2人は惹かれあい・・・

『鼠と竜のゲーム』
人類は平面航法を理解し、宇宙にはばたいていきます。しかし、航海中船員が何者かに襲われ、発狂する事件が多発。エスパーは、その襲撃者を竜のようなものと看做し、光で撃退します。しかし、そのためにはパートナー=猫が必要でした。猫たちは、襲撃者を鼠として捉えていて・・・


読んでいる作品
コードウェイナー・スミス『スキャナーに生きがいはない』
コードウェイナー・スミス『星の海に魂の帆をかけた少女』
コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』


読んでいる最中
コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』
『粘膜蜥蜴』
物語の舞台は、十五年戦争のさなかの日本。三部構成。

第一部。国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、同級生の月ノ森雪麻呂の家へ招かれるのですが、〈ヘルビノ〉と呼ばれる爬虫人に出迎えられます。〈ヘルビノ〉は東南アジアのナムールという国から連れてこられた頭部が蜥蜴の生物でした。真樹夫と大吉は父親の権力を利用し、全てを思い通りに押し通そうとする暴虐な少年・雪麻呂によって酷い目にあわされ・・・

ホラー小説。

エログロナンセンスという言葉が似合います。人間の汚い部分がいやになるほどしっかりと綴られています。しかも、様々なスプラッター描写などがいちいち気持ち悪いです。ストーリーはあるのだけど、ある必然性がない気もします。

グロテスクですが、だからこそ笑えるところも結構あります。

暴虐で卑怯な主人公・月ノ森雪麻呂には、とにかくうんざりさせらます。彼はいつでも父親の権力を利用し、好きなように振舞います。物語が成り立つのは彼がばかなことを繰り返すから。

ラストには呆れます。デンデン太鼓を叩いていた〈ヘルビノ〉の正体が明らかになるのですが、もう頭を抱えたくなります。

基本的に読みやすいし、まぁ悪くはないとは思います。しかし、読んでいると面倒になってきます。山田風太郎にはとても敵わない気がします。


読んだ本
飴村行『粘膜蜥蜴』

読んでいる最中
コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』
『スローターハウス5』
ビリー・ピルグリムという男の物語。彼はアメリカ軍の兵士でした。ドイツ兵に捕らえられます。そして、ドイツのドレスデンにあった使われていない屠殺場に連れていかれ、そこに収容されます。彼はドレスデンが程なくして大空襲によって月面のようになってしまうことを知っていました。なぜならば、トラルファマドール星人と出会い、彼らの哲学に触れていたからです。トラルファマドール星人は時間を超越しているのですが全てを変えられません。そして、「自由意志」などというものを真面目に論じているのは人間だけだと告げます・・・

奇怪な小説。副題は「少年十字軍」。

飛散したビリー・ピルグリムの記憶の欠片を拾い集めていくような感じです。時系列に沿っていません。なので、混乱しますが、ドレスデンで巻き起こった悲劇は、自分が壊れなければ受け入れることは出来ないものだったのかも知れません。

連合国軍が行った大空襲は、ドレスデンという都市とそこに生きる人たち10数万人を完全に焼き尽くします。しかし、その事態に遭遇した主人公は怒ることも嘆くこともありません。当然のこととして受け入れるだけです。彼は死すら甘受します。

何度となくくり返される、「そういうものだ」という言葉には呆れますが共感します。いかんともしがたい事態に直面したとき、人はそれを許容するしかないのではないか、と感じます。なぜなのか、と問うことは無意味だと感じることはしばしばあるのではないか。

人は世界を構造的に理解するために、人類はこれまで多くのことを学んできたはずなのに、その学びはたいてい活かされないし、むしろ悪用されている気がします。トラルファマドール星人のようにはなれない人間はどうすればいいのか。大量虐殺を理性的な言葉で語ることは出来ない、とヴォネガットは告げますが、だとしたら反省も困難です。

第二次世界大戦を経たあとに、人間性とかそういう言葉を持ち出して、真面目に生きるのは辛すぎるのかもしれない、と感じました。


読んだ本
カート・ヴォネガット『スローターハウス5』

読んでいる最中
コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』
『殺人協奏曲』
『殺人協奏曲』はスペインの小説。三部構成。マルコスという男の物語。霊界ではどの時代にマルコスを送り込むか検討しました。そして様々な時代に送り込むのですが、彼が善い人間なのか悪い人間なのか明確にはなりません。

第一部ローマ 紀元七八年
物語の舞台はウェスパシアヌス帝統治下のローマ。デナリウスという男が現れ、蒸気機械をつくりだします。彼はそれを大量生産するべく計画をたてます。マルコスは研究者としてそれに協力し、その中でメラニアという女性と出会い、仲良くなりました。ですが、彼らの発明はアドルフスの帝国転覆計画に利用されそうになり・・・

第二部ワシントン 二〇一六年
物語の舞台は大統領選挙間近のワシントン。その中で、ナショナルデモクラシー党を率いるアドルフ・スターンは民主的に独裁政権を築こうとします。彼が利用したのは、3人のラマ僧が持っている超能力でした。その力を用いてテレビ越しに民衆を操作しようとしたのです。それに、マルコスとメラニアは協力してしまうのですが・・・

第三部パリ 一七七六年
物語の舞台はフランス革命間近のパリ。悪辣なアドルフは、権力を握るために革命を起こそうとしていました。そして、電気を用いて敵対者を殺そうとします。それに、マルコスとメラニアは協力してしまいます。

変則的な歴史小説。

歴史の中に存在する法則性のようなものを明らかにすることを目指しているようです。一途に新たなものを発明しようとする男マルコスと、彼に惹かれる女メラニアとその新発明を利用して権力を握ろうとする男アドルフと彼に惹かれる女セリアがいつでも登場。その図式は崩れません。

なかなかに凝っています。スペインには面白い小説があるのだなぁ、と感じました。


読んだ本
フワン・ラモン・サラゴサ『殺人協奏曲』

読んでいる最中
カート・ヴォネガット『スローターハウス5』
『電氣人閒の虞』
電氣人閒というのは、一部の地域でしか語り継がれていない奇怪な都市伝説でした。電氣人閒とは次のようなものなのだそうです。「語ると現れる。人の思考を読む。導体を流れ抜ける。電気で綺麗に人を殺す。かつて旧軍により作られたらしい」。電氣人閒のことをレポートのテーマとして取り上げた女子学生が不審な死を遂げます。いったい何が起こっているのか・・・

捻くれたミステリのようなホラーのような怪奇小説なのかなぁ。

様々な決まりごとを提示し、それを破らないところは本格ミステリのようです。フリーライター詠坂雄二が強引に論理的なオチをつけ、事件を終わらせるところまでは確かにミステリの枠内に収まっています。

ですが、その先にまだトンデモない結末が待ち受けています。様々な設定(語ると現れる。人の思考を読む。導体を流れ抜ける。電気で綺麗に人を殺す」)が巧みに用いられていたということに気付かされます。少しアンフェアではないかとも感じますが、面白いので構わないとも感じます。

詠坂雄二というキャラクターの台詞に注目するとラストがわかってしまいます・・・ メタミステリのよう。

最後の2行がとくに愉快です。


読んだ本
詠坂雄二『電氣人閒の虞』

読んでいる最中
森見登美彦『四畳半神話大系』
コスモポリタンズ
『コスモポリタンズ』
『コスモポリタンズ』はサマセット・モームの掌編小説集。『素材』弁護士メイヒュー』『隠者ハリー』『幸福者』『夢』『異国の土』『ランチ』『漁夫の子サルヴァトーレ』『生家』『物識先生』『家探し』『困ったときの友』『ある紳士の自画像』『落ち行くさき』『審判の座』『蟻とキリギリス』『フランス人ジョウ』『傷痕のある男』『詩人』『ルイーズ』『店じまい』『約束』『真珠の首飾り』『物もらい』『ストレート・フラッシュ』『会堂守り』『洗濯盥』『社交意識』『四人のオランダ人』収録。

奇想天外な人生を送った人に寄り添った掌編がとくに面白いです。

『フランス人ジョー』
木曜島でであったジョゼフ・ドゥ・パオリという男の物語。彼は、ナポレオン・ボナパルトとも血縁なのだと名乗ります。ロシア軍やプロシャ軍と闘い、帝政が滅ぶと共産党員になり、そのために逮捕されてニュー・カレドニアに流刑になるのですが長い航海に乗り出して脱出。料理人になったり、フランス語を覚えたり金鉱で働いたり、飢えたり、そして未開の奥地へ赴き、王様になります。しかし、イギリスと衝突して放逐され、木曜島において真珠採取船体の船主になるのだけど、持ち舟が全て嵐で沈没してしまい、今では病院に収容されているのだそうです。老人は自分は不幸だし、神は信じていないよ、告げます。そしてオチは。
<「わしにはなんにも望むものなんかないよ」と彼はいった。「ただ死にたいと思うだけさ」彼の黒い光った眼が輝いた。「しかしともかく、もしタバコを一箱いただけるのだったら、かたじけなく思うね」>

あとは、『ランチ』に登場する女性も凄いです。私を翻弄しまくり、高額のランチをすべておごらせ・・・


読んだ本
サマセット・モーム『コスモポリタンズ』

読んでいる最中
森見登美彦『四畳半神話大系』
『順列都市〈上〉』
物語の舞台は近未来の地球。人格や意識や記憶さえもコンピュータの中に取り込むことが可能になり、富豪たちは<コピー>としてコンピュータの中でいつまでも生き続けるようになります。そこへ、ダレムという男が現れます。彼は、たとえ宇宙が消滅しても安全でいられる場所を見出すことができると言い出すのですが・・・

随分と難解なSF小説。

主な主人公は二人。ポールとマリアです。ポールはポール・ダラムの<コピー>(つまり仮想世界の住人)。マリアは「オートヴァース」というモデル世界を弄くることを趣味にしている現実世界の女性。そして、そこに大富豪トマス・リーマンの〈コピー〉の物語と、やはり〈コピー〉のピー、ケイトの物語が絡んできます。視点がくるくるとかわるので混乱しますが、それさえつかめれば、だいたい分からないことはありません。

<コピー>のような存在が生まれとき、社会はどのようにそれを受け入れるのか考えさせられます。「コンピュータの中に住む人間」として扱うのか、それとも「ソフトウェア」として扱うのか。物語の中で、<コピー>は単なる「ソフトウェア」として扱われています。

それを突き詰めて考えていくと、人間とは何なのか、という問いに突き当たります。コンピュータによって再現された人間が、人間といえるのか。物語の中でも多くの人間がその問いに悩まされています。読者も悩まされることになります。

そのような中で、ポールは驚くべき事実を発見します。少し理解し難いのだけど、下巻はそのはなしになるのかなぁと思います。



読んだ本
グレッグ・イーガン『順列都市〈上〉』

読んでいる最中
サマセット・モーム『コスモポリタンズ』
『私の家では何も起こらない』
『私の家では何も起こらない』は恩田陸の連作短編集。『私の家では何も起こらない』『私は風の音に耳を澄ます』『我々は失敗しつつある』『あたしたちは互いの影を踏む』『僕の可愛いお気に入り』『奴らは夜に這ってくる』『素敵なあなた』『俺と彼らと彼女たち』『私の家へようこそ』『附記・われらの時代』収録。

ある女流作家は、小さな丘の上に建つ二階建ての古い家に住むことにします。しかし、その館は幾つもの悲惨な事件・出来事の舞台になっていて・・・

幽霊がでてくるし、随分と不気味な物語ばかりが収録されています。ホラーのようですが、さほど怖いわけではありません。いかにも恩田陸っぽい小説、としか書きようがないです。非常に微妙だし、しかもそれが面白さにも繋がっていない気もします。決して、つまらないというわけではないのですが。

女流作家というのは「O」という人。恩田陸か、と書くのも野暮か。


読んだ本
恩田陸『私の家では何も起こらない』

読んでいる最中
グレッグ・イーガン『順列都市〈上〉』
『季節の記憶』
僕は、妻に去られてしまい、5歳の息子クイちゃんとともに日々を過ごしています。クイちゃんは幼稚園にいきません。そして、毎日のように容貌魁偉な便利屋・松井さんとその妹美紗ちゃんが住んでいる家に出掛けていきます。そして、僕と美紗ちゃんとともに稲村ガ崎周辺を散歩します・・・

いつものように理屈っぽい小説。

時間や空間といった目では見えないものを書こうとしているのではないか、と感じました。しかし、「見えないものを書こうとしている」という大雑把なまとめ方をされることを拒否している小説のような気もしました。だから、非常に扱いづらいのですが、非常に面白いことは確か。文字や言葉で掬い取れないものを掬い取ろうとしている小説のようにも感じました。

見えない物を扱っているのですが、決してスピリチュアルに走ることはありません。むしろ、主人公は非常に論理的、合理主義的な人間です。彼は真理があると思ってはいないし、世界を割り切ることは出来ない、と悟っています。

主人公である僕は、息子に文字を教えようとしません。彼は、書くことよりも考えることの方が大切なのだというふうに考えているからです。それが非常に印象的でした。別に文字を使わなくても、論理性を手に入れることはできるのだろうか、と考えてしまいました。

保坂和志の小説には、いつもふらふらしている登場人物がいます。その人物が、重要なテーマのようなものを漏らします。今回はゲイ二階堂がその役。「・・・いかにして、いまここにいるあんたやおれを受け入れられるか・・・」というようなことを彼は喋ります。『季節の記憶』のキーワードは「いまここ」か。

少し『よつばと!』のようだと感じます。子供に対して、どのように世界を説明していけばよいのか、と考える大人たちの姿が印象的でした。

平林たい子賞、谷崎潤一郎賞受賞作。


読んだ本
保坂和志『季節の記憶』

読んでいる最中
グレッグ・イーガン『順列都市〈上〉』
恩田陸『私の家では何も起こらない』
『笑う月』
『笑う月』は安部公房の短編集。小説のような、エッセイのような作品が17篇収められています。『催眠誘導術』『笑う月』『たとえば、タブの研究』『発想の種子』『藤野君のこと』『蓄音機』『ワラゲン考』『アリスのカメラ』『シャボン玉の皮』『ある芸術家の肖像』『阿波環状線の環』『案内人』『自己犠牲』『空飛ぶ男』『鞄』『公然の秘密』『密会』収録。

夢を扱ったエッセイと掌編が集められているのですが、どれも面白いです。不可解な小説を書くためにはどうすればいいか、少しだけ分かります。安部公房は、夢というものを小説に取り入れているそうです。

夢をそのまま使うというわけではないようですが、ネタにするみたいです。しかし、夢というものは随分と扱いづらいもののような気もします。他人の夢のはなしほどつまらないものはない、という言葉があります。『たとえば、タブの研究』は少し愉快。そこまで理詰めで考えるのか・・・

『公然の秘密』は、ちょうど自由の森学園日本語の授業で扱っているところ。一番小説っぽい作品。


読んだ本
安部公房『笑う月』

読んでいる最中
グレッグ・イーガン『順列都市〈上〉』
『ケルベロス第五の首』
3つの中篇によって構成されています。『ケルベロス第五の首』『『ある物語』ジョン・V・マーシュ作』『V.R.T.』収録。

〈物語の設定〉 双子惑星サント・クロアとサント・アンヌでは、地球から移住してきた人類が繁栄しています。そして、かつてサント・アンヌに住んでいた原住民は人類によって駆逐され、滅亡したことになっています。ですが、原住民を見かけたという噂は絶えません。学者の中には、何にでも変身できる原住民は人類ととって代わり、人類を滅ぼしてしまったのだという人もいるのですが・・・

『ケルベロス第五の首』
物語の舞台は、奴隷売買で栄える惑星惑星サント・クロワの中の一都市ポール・ミミゾンにある娼館「犬の家」。少年の回想です。かつて、少年は家庭教師ミスター・ミリオン、弟デイヴィットとともに「犬の家」で生活しています。他にも父と叔母ジーニーが住んでいるのですが顔を合わせることはありませんでした。ある日、父に呼ばれ、ナンバーファイブという名前を与えられ、様々なことを問われるようになります。それと前後して、少年は弟とともに、美しい少女フィードリアと出会い、演劇の公演を行うようになります。

『『ある物語』ジョン・V・マーシュ作』
マーシュが採集し、書き記した「アボ」の伝説が綴られています。物語の舞台はサント・アンヌ。「揺れるスギの枝」は「東の風(ジョン・イーストウィンド)」と「砂歩き(ジョン・サンドウォーカー)」を産みます。「東の風」は川に誘拐されてしまいます。ですが、「砂歩き」はたくましく成長していき・・・

『V.R.T.』
囚人143号はなぜか逮捕され、監獄に閉じ込められてしまいます。物語は、囚人143号の手記や日記、彼を尋問したときの記録などを読み続ける取調官の視点から綴られています。少しカフカっぽいです。

SF小説。

非常に魅力的な小説。まず、細部が素晴らしいです。とくに、『『ある物語』ジョン・V・マーシュ作』は面白いです。伝説や神話にも似た壮大さが感じられるし、それでいて謎に満ちているのです。

何を書いてもネタバレになりそうだけど、ネタバレはありえない気もします。なぜならば謎解きが存在しないからです。『V.R.T.』は自分殺しの物語ではないか、という推測は成り立つけれど、それらが正しいのか判定することは出ません。自分とは何か、記憶とは何か、歴史とは何か、様々なことを考えさせられます。


読んだ本
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』

読んでいる最中
グレッグ・イーガン『順列都市〈上〉』
『ダブル・ジョーカー』
『ジョーカー・ゲーム』の続編。諜報活動に身を投じたこともある結城中佐はスパイ養成学校をつくり、日本陸軍内部に「D機関」という諜報機関を設立。自殺することと敵を殺すことを禁じ、本物のスパイを育成することを目指します『ダブル・ジョーカー』『蠅の王』『仏印作戦』『柩』『ブラックバード』収録。

表題作『ダブル・ジョーカー』
「D機関」を嫌う軍部は、エリート風戸に任せ、新たに諜報機関「風機関」を立ち上げます。躊躇なく殺し、潔く死ぬことを重要視した組織でした。「D機関」と「風機関」は互いを出し抜こうとして争うのですが・・・

スパイ小説。

前作以上に面白かったです。「風機関」の不甲斐なさは愉快です。そして、やはり、「D機関」はやたらと強くてかっこいいです。しかし、不慮の事故に襲われ、とうとう最悪の事態が発生してしまいます。

やはり、「D機関」という組織に全くといっていいほどリアリティが感じられないのですが、だからこそ魅力的なのかも知れません。超人的な日本人が次々と愚かな敵を出し抜いていくところはある意味では爽快。それに、陸軍中野学校というモデルもあるわけだから、日本だってやられてばかりでもなかった、といふうに受け止めることも出来ます。それでいいのか、という疑問も湧きますが。

スタイリッシュなスパイ小説として、面白いです。


読んだ本
柳広司『ダブル・ジョーカー』

読んでいる最中
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』
『ジョニー・ザ・ラビット』
ジョニーは、昔人間ドン・コヴェーロのマフィアに飼われていた雄兎です。主人が殺されてしまったため、野良兎となり、探偵事務所を開設しました。そこへ失踪兎の捜索依頼が舞い込みます。彼はラビッチたちとヤりまくりつつ愛について語り、その上事件を追うのですが、事件は兎の集団失踪事件にまで発展し・・・

兎が主人公のハードボイルド小説。

呆れるような内容。主人公が兎だということが存分に活かされているし、その上ミステリとしてもそれなりに面白いのだけど、読んでいるとなんというか、もうどうでもよくなってきます。とにかく、ジョニーという存在が愉快。

主人公ジョニーの台詞がいちいち耳障りというか、いかにもハードボイルドと言う感じでかっこよくて笑えます。あとは、ジョニーの扱われ方が愉快です。最初の内は兎世界で探偵として活躍するのですが・・・

文章が読みづらいし、世界観もいまいち把握しづらいのですが、一級のバカミスということができるかも知れません。とくに、「終幕 ジョニー・イン・ザ・ブルー・スカイ」は、なんとも言いがたいです。

『ジョニー・ザ・ラビット』を読む暇があったら他の本を読みたい、とは感じましたが、面白くないことはないです。ここまでくると、ハードボイルドというものが本当にバカバカしいもののように思えてきます。


読んだ本
東山彰良『ジョニー・ザ・ラビット』

読んでいる最中
柳広司『ダブル・ジョーカー』
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
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