脳というものの不可解さを扱った本格ミステリ。
主人公は、精神神経科の女医、南川藍子。彼女は覚醒剤の密売取引現場を取り押さえようとして頭部を負傷した刑事・海藤兼作や、試合中突然マスコットガールに襲い掛かって逮捕されたプロ野球選手・追分などと関わるうちに自分自身も不安定になっていき、制服に対して興奮を覚える男の起こした殺人事件に巻き込まれることとなります・・・
あんまり新鮮味がないです。こういうようなサイコサスペンスは結構たくさんあるから。人間の狂気というものを扱った作品でもあります。『ハサミ男』の先駆ともいえます。
映画化もされたそうです。
今日読んだ本
逢坂剛『さまよえる脳髄』
今読んでいる本
さくらももこ『さくらえび』
小池真理子『蠍のいる森』
主人公は、精神神経科の女医、南川藍子。彼女は覚醒剤の密売取引現場を取り押さえようとして頭部を負傷した刑事・海藤兼作や、試合中突然マスコットガールに襲い掛かって逮捕されたプロ野球選手・追分などと関わるうちに自分自身も不安定になっていき、制服に対して興奮を覚える男の起こした殺人事件に巻き込まれることとなります・・・
あんまり新鮮味がないです。こういうようなサイコサスペンスは結構たくさんあるから。人間の狂気というものを扱った作品でもあります。『ハサミ男』の先駆ともいえます。
映画化もされたそうです。
今日読んだ本
逢坂剛『さまよえる脳髄』
今読んでいる本
さくらももこ『さくらえび』
小池真理子『蠍のいる森』
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岩波ジュニア新書。
自由の森学園の森の時間(総合学習)の中で学んだこととけっこう重なるなぁ、と感じました。
↓に詳しいことが乗っています。
生きさせろ!
雨宮処凛さんや湯浅誠さんの本を読んでしまったあとに『労働法はぼくらの味方!』を読んでもなぁ。基本的なことを知るのは大事だとは分かるんだけど、あまり印象に残らない、というか、インパクトに欠ける、というか。もっと前に読んでいたら印象も変わったかもしれないのですが・・・
著者は、ヨドバシカメラ事件を担当した弁護士の人と知って、そちらの事件のことをぜひ本にしてもらいたいと感じました。
今日読んだ本
笹山尚人『労働法はぼくらの味方!』
今読んでいる本
さくらももこ『さくらえび』
逢坂剛『さまよえる脳髄』
小池真理子『蠍のいる森』
自由の森学園の森の時間(総合学習)の中で学んだこととけっこう重なるなぁ、と感じました。
↓に詳しいことが乗っています。
生きさせろ!
雨宮処凛さんや湯浅誠さんの本を読んでしまったあとに『労働法はぼくらの味方!』を読んでもなぁ。基本的なことを知るのは大事だとは分かるんだけど、あまり印象に残らない、というか、インパクトに欠ける、というか。もっと前に読んでいたら印象も変わったかもしれないのですが・・・
著者は、ヨドバシカメラ事件を担当した弁護士の人と知って、そちらの事件のことをぜひ本にしてもらいたいと感じました。
今日読んだ本
笹山尚人『労働法はぼくらの味方!』
今読んでいる本
さくらももこ『さくらえび』
逢坂剛『さまよえる脳髄』
小池真理子『蠍のいる森』
舞坂町ととなり町との間に戦争が起こり、舞坂町町民の主人公は偵察任務をまかされました。彼は、香西さんと偽装結婚してとなり町に潜入することになります。しかし全然実感が湧きません。血が流れないからです。「戦争」ってなんなのか? 偵察任務につくことで戦争に加担したことになるのか? 主人公は悩むのですが・・・
淡々としたはなしなので最初は少し退屈でした。しかし、読み進めていくうちに慣れてきました。
「戦争」というものを把握できない主人公が結局、香西さんと一緒にいられなくなる/セックスできなくなることに唯一「戦争による痛み」を覚えた、という部分にはとても考えさせられました。彼は、セックスによって誤魔化されてしまって結局「戦争」を理解できなかったのではないか。
最後まで、となり町との戦争とはなんだったのか分からないです。町の都合でいつの間にか始まって、そしていつの間にか終わって・・・本当の戦争も同じようなものなのかも知れないとも感じました。とくに現代の戦争は。目に見えないから殺し合っていても実感が湧かない。だから、リアルな出来事として認知できないのかも知れない。
いつか読もうと思っていた小説。やっと読めました。三崎亜記のデビュー作。第17回小説すばる新人賞受賞作。直木賞候補作。話題ほどの傑作ではなかったかなぁと感じたけど、とても考えさせられる秀作ではあります。
今日読んだ本
三崎亜記『となり町戦争』
今読んでいる本
東野圭吾『鳥人計画』
歴史小説。久しぶりに山田風太郎を読みました。
明治元年、官軍は江戸に入場すると、そこを我が物顔で徘徊し、荒らしました。その最中、薩摩兵が斬殺され、晒し者になるという事件が発生。人斬り半次郎こと中村半次郎(後の桐野利秋)は激怒。「報復として、薩摩兵が1人死ぬごとに旗本を10人処刑する」と言い出します・・・
そこから処刑場に連れ出される10人の人間が紹介されていきます。いろんな人がいます。身分は低いけど商才に長けた男、戦国時代の武将のような荒くれ男、清爽なる美少年、人殺しが趣味の男、死にたがり屋の無気力男などなど。一応みんな武士の端くれのはずなのですが、性格は全くバラバラ。
勝海舟(安房上)が非常に格好いいです。もうセリフとその行動全部が。
今日読んだ本
山田風太郎『修羅維新牢』
今読んでいる本
石持浅海『扉は閉ざされたまま』
明治元年、官軍は江戸に入場すると、そこを我が物顔で徘徊し、荒らしました。その最中、薩摩兵が斬殺され、晒し者になるという事件が発生。人斬り半次郎こと中村半次郎(後の桐野利秋)は激怒。「報復として、薩摩兵が1人死ぬごとに旗本を10人処刑する」と言い出します・・・
そこから処刑場に連れ出される10人の人間が紹介されていきます。いろんな人がいます。身分は低いけど商才に長けた男、戦国時代の武将のような荒くれ男、清爽なる美少年、人殺しが趣味の男、死にたがり屋の無気力男などなど。一応みんな武士の端くれのはずなのですが、性格は全くバラバラ。
勝海舟(安房上)が非常に格好いいです。もうセリフとその行動全部が。
今日読んだ本
山田風太郎『修羅維新牢』
今読んでいる本
石持浅海『扉は閉ざされたまま』
青春ミステリ小説。東野圭吾初期の作品。
主人公は開陽高校のエース、須田武志。彼は天才的なピッチングセンスを持っていました。春の選抜高校野球大会の一試合でも、強豪相手に一歩も譲らず、9回まで無得点に押さえつけます。しかし9回裏2死満塁のピンチに陥った時、彼はなぜか不思議な暴投を行います。いったい彼に何が起きたのか。その球に隠されていた謎が事件を引き起こします。その試合の数日後、武志の女房役だった捕手・北岡明が愛犬と共に刺し殺されているところを発見されました・・・
やっぱり東野圭吾は凄い、というしかない。全ての謎が最終的には論理的に解決されていきます。
文章につっかかるところはないので、さくさく読めます。だから少し味気ない印象を受けるけど、むしろそこが東野圭吾の良さではないか、と思います。
昔、推理小説は幻想小説の仲間だったから華麗、もしくは甘美なものを含み、それでいてグロテスクさも併せ持つのが普通という雰囲気があった気がします。でもそれでは好きにならない人は多いかも知れない。そこからは脱却しつつ、しかしミステリへの愛は忘れない東野圭吾。やっぱり凄い人じゃないか。
今日読んだ本
東野圭吾『魔球』
今読んでいる本
山田風太郎『修羅維新牢』
主人公は開陽高校のエース、須田武志。彼は天才的なピッチングセンスを持っていました。春の選抜高校野球大会の一試合でも、強豪相手に一歩も譲らず、9回まで無得点に押さえつけます。しかし9回裏2死満塁のピンチに陥った時、彼はなぜか不思議な暴投を行います。いったい彼に何が起きたのか。その球に隠されていた謎が事件を引き起こします。その試合の数日後、武志の女房役だった捕手・北岡明が愛犬と共に刺し殺されているところを発見されました・・・
やっぱり東野圭吾は凄い、というしかない。全ての謎が最終的には論理的に解決されていきます。
文章につっかかるところはないので、さくさく読めます。だから少し味気ない印象を受けるけど、むしろそこが東野圭吾の良さではないか、と思います。
昔、推理小説は幻想小説の仲間だったから華麗、もしくは甘美なものを含み、それでいてグロテスクさも併せ持つのが普通という雰囲気があった気がします。でもそれでは好きにならない人は多いかも知れない。そこからは脱却しつつ、しかしミステリへの愛は忘れない東野圭吾。やっぱり凄い人じゃないか。
今日読んだ本
東野圭吾『魔球』
今読んでいる本
山田風太郎『修羅維新牢』
今日が自由の森学園体育祭の代休でよかったです。
『酒国―特捜検事丁鈎児の冒険』がやっと読めました。マジックリアリズムを取り入れた小説。くらくら眩暈がしてきます。読んでいて本当に疲れました・・・
物語はちょっと変な構造をしています。
「酒国にて、街の政府高官が嬰児の丸焼きを食しているという情報を得た特捜検事は事態を重く見て、『丁鈎児(ジャック)』という捜査官を送り込みます。彼は、潜入捜査を行おうとするのですが、なぜか全てがばれていて、女と酒によって取り込まれていきます。そして、彼は激しい混乱の中で破滅していきます・・・」というのは、莫言が執筆中の『酒国』という小説です。つまり作中作。
その莫言という高名な小説家は、酒国に住む文学青年・李一斗と往復書簡を交わしていました。その手紙が物語の途中途中に挿入されます。そしてその手紙とともに載せられているのは、文学青年が次から次へと送りつけてくるグロテスクな短編小説。文学青年は、それらの作品を世間に発表して欲しいと願うのですが、手厳しい体制批判が含まれているためか出版されません。青年はじょじょに体制批判を避け、莫言に媚びるような手紙を送ってくるようになってきます・・・
文学青年の書いた短編小説の世界観は、『酒国』ともリンクしてきます。そうして『酒国』という小説と、往復書簡と、文学青年の書いた短編小説と、莫言自身の手記とが渾然一体となり、グロテスクで、どこかおかしくて、不可解な混乱が生まれています。
本当に訳が分からないです。もうめちゃくちゃというしかない。でも楽しいです。美味しそうな嬰児料理と、溢れかえって物語を破壊しつく酒。体制を嘲笑しつつ批判するその強い態度。醜い自分を自覚して自虐する莫言の視点。ぐちゃぐちゃだけど、この『酒国』と言う物語そのものが、今の中国それ自体を表しているような感じもします。
今日読んだ本
莫言『酒国―特捜検事丁鈎児の冒険』
今読んでいる本
東野圭吾『魔球』
『酒国―特捜検事丁鈎児の冒険』がやっと読めました。マジックリアリズムを取り入れた小説。くらくら眩暈がしてきます。読んでいて本当に疲れました・・・
物語はちょっと変な構造をしています。
「酒国にて、街の政府高官が嬰児の丸焼きを食しているという情報を得た特捜検事は事態を重く見て、『丁鈎児(ジャック)』という捜査官を送り込みます。彼は、潜入捜査を行おうとするのですが、なぜか全てがばれていて、女と酒によって取り込まれていきます。そして、彼は激しい混乱の中で破滅していきます・・・」というのは、莫言が執筆中の『酒国』という小説です。つまり作中作。
その莫言という高名な小説家は、酒国に住む文学青年・李一斗と往復書簡を交わしていました。その手紙が物語の途中途中に挿入されます。そしてその手紙とともに載せられているのは、文学青年が次から次へと送りつけてくるグロテスクな短編小説。文学青年は、それらの作品を世間に発表して欲しいと願うのですが、手厳しい体制批判が含まれているためか出版されません。青年はじょじょに体制批判を避け、莫言に媚びるような手紙を送ってくるようになってきます・・・
文学青年の書いた短編小説の世界観は、『酒国』ともリンクしてきます。そうして『酒国』という小説と、往復書簡と、文学青年の書いた短編小説と、莫言自身の手記とが渾然一体となり、グロテスクで、どこかおかしくて、不可解な混乱が生まれています。
本当に訳が分からないです。もうめちゃくちゃというしかない。でも楽しいです。美味しそうな嬰児料理と、溢れかえって物語を破壊しつく酒。体制を嘲笑しつつ批判するその強い態度。醜い自分を自覚して自虐する莫言の視点。ぐちゃぐちゃだけど、この『酒国』と言う物語そのものが、今の中国それ自体を表しているような感じもします。
今日読んだ本
莫言『酒国―特捜検事丁鈎児の冒険』
今読んでいる本
東野圭吾『魔球』
連城三紀彦の著書を初めて読みました。面白かったです。本格ミステリ小説だけど、恋愛小説でもあり、そしてスパイ小説としても読める作品。世界のいろんな都市が登場します(最初は、リオデジャネイロから始まる)。
あらすじ
画家・青木優二は、友達からエルザというドイツ人の女性を紹介され、まもなく抱き合うようになります。そうして親しくなった途端、エルザは衝撃の事実を告げました。「アオキは、第2次世界大戦中、ドイツの強制収容所ガウアーの中で奇跡的な誕生を遂げた赤子かも知れない」。それは事実なのか。青木は真実を追い求め、ヨーロッパに渡ります。
なぜか彼を巡ってネオナチ組織と反ナチス組織が暗闘を繰り広げ、死者まででる事態になります。最終的に、物語の舞台は東西に分裂しているベルリンへとたどり着き、そこで衝撃の事実が明かされることになります・・・
びっくりしました。歴史ものが好きな人間にはたまらない秀作。ページを開くと重厚かつ華麗な文章が押し寄せてきます。改行が全然ありません。少し読みづらいけど、それがそういうような雰囲気を醸し出しています。
今日読んだ本
連城三紀彦『黄昏のベルリン』
今読んでいる本
莫言『酒国』
東野圭吾『魔球』
あらすじ
画家・青木優二は、友達からエルザというドイツ人の女性を紹介され、まもなく抱き合うようになります。そうして親しくなった途端、エルザは衝撃の事実を告げました。「アオキは、第2次世界大戦中、ドイツの強制収容所ガウアーの中で奇跡的な誕生を遂げた赤子かも知れない」。それは事実なのか。青木は真実を追い求め、ヨーロッパに渡ります。
なぜか彼を巡ってネオナチ組織と反ナチス組織が暗闘を繰り広げ、死者まででる事態になります。最終的に、物語の舞台は東西に分裂しているベルリンへとたどり着き、そこで衝撃の事実が明かされることになります・・・
びっくりしました。歴史ものが好きな人間にはたまらない秀作。ページを開くと重厚かつ華麗な文章が押し寄せてきます。改行が全然ありません。少し読みづらいけど、それがそういうような雰囲気を醸し出しています。
今日読んだ本
連城三紀彦『黄昏のベルリン』
今読んでいる本
莫言『酒国』
東野圭吾『魔球』
素手の格闘では圧倒的な強さを誇る元プロレスラー、ベアキル。手裏剣を使う、若武者のような爽やかな青年、ハヤ。「待つ」ことを知る強力なハンター、ブル。人を2度撃ち殺したことのある元警察官、金久木。彼らは、レッドムーン・シバという者の挑戦を受けて、「マンハント(殺し合い)」を行うことに・・・
銃器などの武器に関する詳しい説明。アウトドアに必要とされる専門的な知識や技術についての詳しい解説。そういう部分が凝っています。
その他に、見るべき部分はほとんどありません。「もろに中年男の心を揺さぶるハードボイルドチックな格闘小説」という言葉でまとめてしまえるような中身です。
雄大な自然の中で、男達が壮絶な闘いを繰り広げるところはなかなか読み応えがあるけど、文章の基本的な部分がいまいちです。「●●の●●の●●の●●」というような記述があったりします。「の」を三度も続けて使ったら意味不明・・・ かなり読みづらいです。時々、突如として特定の人物の中に入り込み、その人の心情を解説することもあります(視点がコロコロ変わる)。だから、さらに読みづらさが増幅されています。
あんまり、小説としては上手くない気がします。
今日読んだ本
稲見一良『ソー・ザップ!』
今読んでいる本
フランシス・アイルズ『殺意』
朝日新聞に連載されていたもの。
三瀬峠で起こった殺人事件と、その結果引き起こされることとなる純愛劇の顛末を描いた小説。
出会い系サイトで出会った保険外交員の女を思わず殺害してしまい、逃走する男。彼を愛し、ともに逃げることを選ぶ女。2人は逃避行を繰り広げます。実は、男を「極悪人」と割り切れない背景があったのです。一方、加害者・被害者を取り巻く家族や友人たち、つまり事件に関わってしまった人たちは各々の立場から、自分なりに事件と立ち向かい、向き合っていくこととなります・・・
メロドラマになる、と聞いていたのに読み始めると社会派っぽい雰囲気。これはどういうことなのか、と思いきや、結局最終的には「純愛小説」となりました。う~ん、面白い。愛というのは、錯覚の上に成立するものなのかもなぁ・・・ 愛は狂気というし。
分厚い割りに読みやすいです。ちょっと日本語として引っかかる描写が散見されました(主語と述語がくっついていない)。でも、まぁ別に気になるほどではないです。
現代日本というものを切り取った優れた小説だと感じました。悪人っていうのは誰のことを指しているのだろうか。
今日読んだ本
吉田修一『悪人』
今読んでいる本
森絵都『架空の球を追う』
三瀬峠で起こった殺人事件と、その結果引き起こされることとなる純愛劇の顛末を描いた小説。
出会い系サイトで出会った保険外交員の女を思わず殺害してしまい、逃走する男。彼を愛し、ともに逃げることを選ぶ女。2人は逃避行を繰り広げます。実は、男を「極悪人」と割り切れない背景があったのです。一方、加害者・被害者を取り巻く家族や友人たち、つまり事件に関わってしまった人たちは各々の立場から、自分なりに事件と立ち向かい、向き合っていくこととなります・・・
メロドラマになる、と聞いていたのに読み始めると社会派っぽい雰囲気。これはどういうことなのか、と思いきや、結局最終的には「純愛小説」となりました。う~ん、面白い。愛というのは、錯覚の上に成立するものなのかもなぁ・・・ 愛は狂気というし。
分厚い割りに読みやすいです。ちょっと日本語として引っかかる描写が散見されました(主語と述語がくっついていない)。でも、まぁ別に気になるほどではないです。
現代日本というものを切り取った優れた小説だと感じました。悪人っていうのは誰のことを指しているのだろうか。
今日読んだ本
吉田修一『悪人』
今読んでいる本
森絵都『架空の球を追う』
百人一首の謎と、現実に起きた殺人事件をうまくからめたミステリ小説。メフィスト賞受賞作。
百人一首の謎を解明する部分は楽しかったです。かなり牽強付会のような気もするけど、まぁそこは面白いこと考えるなぁ、というふうに受け止めました。通説に対して、面白い異論を唱える時は、かなり強引にやらないとだめだし。
しかし、現実に起きた殺人事件の解明はふざけている、というしかない、と僕は感じました。まるで京極夏彦。感覚は疑わしいものだ、みたいな方向にはなしが進んでいき、そういうふうに決着がつけられます。
これでは、まるっきり京極夏彦の亜流じゃないか。
今日読んだ本
高田崇史『QED―百人一首の呪』
今読んでいる本
森絵都『架空の球を追う』
吉田修一『悪人』
百人一首の謎を解明する部分は楽しかったです。かなり牽強付会のような気もするけど、まぁそこは面白いこと考えるなぁ、というふうに受け止めました。通説に対して、面白い異論を唱える時は、かなり強引にやらないとだめだし。
しかし、現実に起きた殺人事件の解明はふざけている、というしかない、と僕は感じました。まるで京極夏彦。感覚は疑わしいものだ、みたいな方向にはなしが進んでいき、そういうふうに決着がつけられます。
これでは、まるっきり京極夏彦の亜流じゃないか。
今日読んだ本
高田崇史『QED―百人一首の呪』
今読んでいる本
森絵都『架空の球を追う』
吉田修一『悪人』
いろんな日常を切り取った短編小説集。
表題作『架空の球を追う』は、少年達の野球練習のシーンを切り取った作品。『銀座か、あるいは新宿か』は、久しぶりに集まった女友達が、銀座と新宿、どちらの方が良いか論争する、という作品。まぁだいたいそんな感じで、バラバラな短編がいろいろ集められています。
読んでいてなかなか楽しいけど、満腹感はなかったです。
なんというか、「普通」な短編小説ばかりでした。「いかにも女流作家が書きそうな、生活の陰影をちょっとくりぬいた様な作品ばかり」と言ってしまってもいい気がします。あんまり面白みがありません。最近の森絵都の作品は、よくも悪くも、評論家から評価されそうな「普通」な小説ばかりだなぁと思わされます(直木賞をとった『風に舞いあがるビニールシート』からかなぁ)。
僕は昔の作品の方が断然好きです。『DIVE!』とか、『つきのふね』とか、凄くよかった。鋭いものや青臭さを含んだ青春をそのままに描いた、みたいな雰囲気が。
今日読んだ作品
森絵都『架空の球を追う』
森絵都『銀座か、あるいは新宿か』
森絵都『チェリーブロッサム』
森絵都『ハチの巣退治』
森絵都『パパイヤと五家宝』
今読んでいる本
森絵都『架空の球を追う』
高田崇史『QED―百人一首の呪』
表題作『架空の球を追う』は、少年達の野球練習のシーンを切り取った作品。『銀座か、あるいは新宿か』は、久しぶりに集まった女友達が、銀座と新宿、どちらの方が良いか論争する、という作品。まぁだいたいそんな感じで、バラバラな短編がいろいろ集められています。
読んでいてなかなか楽しいけど、満腹感はなかったです。
なんというか、「普通」な短編小説ばかりでした。「いかにも女流作家が書きそうな、生活の陰影をちょっとくりぬいた様な作品ばかり」と言ってしまってもいい気がします。あんまり面白みがありません。最近の森絵都の作品は、よくも悪くも、評論家から評価されそうな「普通」な小説ばかりだなぁと思わされます(直木賞をとった『風に舞いあがるビニールシート』からかなぁ)。
僕は昔の作品の方が断然好きです。『DIVE!』とか、『つきのふね』とか、凄くよかった。鋭いものや青臭さを含んだ青春をそのままに描いた、みたいな雰囲気が。
今日読んだ作品
森絵都『架空の球を追う』
森絵都『銀座か、あるいは新宿か』
森絵都『チェリーブロッサム』
森絵都『ハチの巣退治』
森絵都『パパイヤと五家宝』
今読んでいる本
森絵都『架空の球を追う』
高田崇史『QED―百人一首の呪』
凄い、「普通小説」の傑作。
自分勝手な一家・片岡家が、「家族」として最も適当なのだ、というような物語。面白い。現実がうまく活写されているように僕は感じました。
突如として家出してしまう母親。取り残されても飄然というか、のんびりと構えて何もしない父親。ダメな男に貢ぐのが趣味で「家族」を笑い飛ばす姉。「かわいそう」な自分の境遇を嘆くのが大好きな妹。
みんなちょっと待てよ、と言いたくなるほど、自分のことばかり考えていてバラバラ。でも、バラバラなのにどこかではしっかりとつながっている感じ。家族ってそういうものかもなー、と思わされます。
人に利用される素晴らしさ、を上手く描いてみせた小説。
今日読んだ本
平安寿子『グッドラックららばい』
今読んでいる本
中西智明『消失!』
自分勝手な一家・片岡家が、「家族」として最も適当なのだ、というような物語。面白い。現実がうまく活写されているように僕は感じました。
突如として家出してしまう母親。取り残されても飄然というか、のんびりと構えて何もしない父親。ダメな男に貢ぐのが趣味で「家族」を笑い飛ばす姉。「かわいそう」な自分の境遇を嘆くのが大好きな妹。
みんなちょっと待てよ、と言いたくなるほど、自分のことばかり考えていてバラバラ。でも、バラバラなのにどこかではしっかりとつながっている感じ。家族ってそういうものかもなー、と思わされます。
人に利用される素晴らしさ、を上手く描いてみせた小説。
今日読んだ本
平安寿子『グッドラックららばい』
今読んでいる本
中西智明『消失!』
今、よしもとばななの短編集『デッドエンドの思い出』を読んでいる最中。以前、『はじめての文学 よしもとばなな』を読んだのですが、それと重複しているものがけっこう多かったです(5作中3作が既読だった)。だから、半分は再読、みたいな感じ。
『幽霊の家』
私は、大学の友人岩倉くんの家に鍋を作りにいきます。彼の住んでいる家には、一酸化中毒で死んでしまったけれど、今も普通に生活しているおじいさんとおばあさんが住んでいて・・・
『「おかあさーん!」』
偶然、社員食堂で毒入りカレーを食べて混乱します。そしてなんとなく幼い頃に別れた母親と過ごす夢を見ます。
よしもとばななの作品はどれにも似通った雰囲気があるような気がしました。「死」「夢」「とにかく泣く」とか。
今日読んだ作品
よしもとばなな『幽霊の家』
よしもとばなな『「おかあさーん!」』
今読んでいる本
莫言『酒国』
よしもとばなな『デッドエンドの思い出』
『幽霊の家』
私は、大学の友人岩倉くんの家に鍋を作りにいきます。彼の住んでいる家には、一酸化中毒で死んでしまったけれど、今も普通に生活しているおじいさんとおばあさんが住んでいて・・・
『「おかあさーん!」』
偶然、社員食堂で毒入りカレーを食べて混乱します。そしてなんとなく幼い頃に別れた母親と過ごす夢を見ます。
よしもとばななの作品はどれにも似通った雰囲気があるような気がしました。「死」「夢」「とにかく泣く」とか。
今日読んだ作品
よしもとばなな『幽霊の家』
よしもとばなな『「おかあさーん!」』
今読んでいる本
莫言『酒国』
よしもとばなな『デッドエンドの思い出』
有栖川有栖を初めて読みました。
有栖川有栖のデビュー作。
矢吹山のキャンプ場に遊びにやってきた英都大学推理小説研究会の4人組。彼らは、そこで他校の学生たちと出会い、意気投合、一緒に過ごします。
そうして、学生達14人は楽しい数日間を過ごすのですが、帰りの日になって突如火山が噴火し、彼らはキャンプ場に閉じ込められます。そしてその中で連続殺人事件が発生します。いったい誰が犯人なのか・・・
純粋な犯人当てもの、みたいです。表現はほとんど全て陳腐、ありきたりなので小説としてはそこまで評価できないような気がしました。しかも緊迫感が全くない。う~ん、いかにも「浅さ」を感じさせられる。
まぁその分、読みやすいけど。
あと、14人も学生が出てくるのにあまり書き分けができていないような感じがしました。誰が誰なのか、分からなくなる・・・ もっと登場人物を減らしても良かったのではないか。
まぁいろいろ文句書いたけど、そこそこ楽しめます。これがデビュー作だというのは、立派なことなのかも知れない。
今日読んだ本
有栖川有栖『月光ゲーム Yの悲劇’88』
今読んでいる本
莫言『酒国』
よしもとばなな『デッドエンドの思い出』
有栖川有栖のデビュー作。
矢吹山のキャンプ場に遊びにやってきた英都大学推理小説研究会の4人組。彼らは、そこで他校の学生たちと出会い、意気投合、一緒に過ごします。
そうして、学生達14人は楽しい数日間を過ごすのですが、帰りの日になって突如火山が噴火し、彼らはキャンプ場に閉じ込められます。そしてその中で連続殺人事件が発生します。いったい誰が犯人なのか・・・
純粋な犯人当てもの、みたいです。表現はほとんど全て陳腐、ありきたりなので小説としてはそこまで評価できないような気がしました。しかも緊迫感が全くない。う~ん、いかにも「浅さ」を感じさせられる。
まぁその分、読みやすいけど。
あと、14人も学生が出てくるのにあまり書き分けができていないような感じがしました。誰が誰なのか、分からなくなる・・・ もっと登場人物を減らしても良かったのではないか。
まぁいろいろ文句書いたけど、そこそこ楽しめます。これがデビュー作だというのは、立派なことなのかも知れない。
今日読んだ本
有栖川有栖『月光ゲーム Yの悲劇’88』
今読んでいる本
莫言『酒国』
よしもとばなな『デッドエンドの思い出』
北村薫『空飛ぶ馬』がやっと読み終わりました。かなり、面白かったです。この作品を、「日常の謎」系ミステリの代表作として挙げる人が多いのも頷けます。
『胡桃の中の鳥』
私と正ちゃんは蔵王に赴き、江美ちゃんと落ち合い、楽しい旅行へと乗り出します。そして、以前貰った円紫の講演会の券を使い、落語を聴くことに。しかし駐車場で不可解な出来事に出会います。車のシートカバーが全てはずされていたのです・・・
『赤頭巾』
歯医者の待合室で会った女性から、公園に現れる「赤頭巾」の話を聞かされた私。いったい、どういうことなのか・・・?
『空飛ぶ馬』
幼稚園のクリスマスパーティを録画して欲しい、と母の友達から言われ、呼ばれた私。そこで、その女性からまたまた不可解な話を聞かされます。
深夜、幼稚園に設置された馬が消えていたというのです。馬が空を飛んだのか?
今日読んだ作品
北村薫『胡桃の中の鳥』
北村薫『赤頭巾』
北村薫『空飛ぶ馬』
今読んでいる本
樋口有介『彼女はたぶん魔法を使う』
『胡桃の中の鳥』
私と正ちゃんは蔵王に赴き、江美ちゃんと落ち合い、楽しい旅行へと乗り出します。そして、以前貰った円紫の講演会の券を使い、落語を聴くことに。しかし駐車場で不可解な出来事に出会います。車のシートカバーが全てはずされていたのです・・・
『赤頭巾』
歯医者の待合室で会った女性から、公園に現れる「赤頭巾」の話を聞かされた私。いったい、どういうことなのか・・・?
『空飛ぶ馬』
幼稚園のクリスマスパーティを録画して欲しい、と母の友達から言われ、呼ばれた私。そこで、その女性からまたまた不可解な話を聞かされます。
深夜、幼稚園に設置された馬が消えていたというのです。馬が空を飛んだのか?
今日読んだ作品
北村薫『胡桃の中の鳥』
北村薫『赤頭巾』
北村薫『空飛ぶ馬』
今読んでいる本
樋口有介『彼女はたぶん魔法を使う』
山口雅也の『ミステリーズ 完全版』がやっと読み終わりました。最後のあたりはあまり満足出来ないようなやつもあったけど、全体としては面白かったです。
『「あなたが目撃者です」』
「あなたが目撃者です」という番組で、レッド・リヴァー連続殺人のことが詳しく解説されていました。それを見ていたある家庭では、妻が夫をを疑い始める・・・
『「私が犯人だ」』
夢見る文学者、グッドマン教師は、教え子で娼婦のレノラとともに逃避行へ出て、しかしレノラに拒否されて殺してしまうのだが・・・
『蒐集の鬼』
SP盤を愛し、それをコレクションするマッケリー。彼は幻のエレイン・レイニーのSP盤を探し回るのだけど・・・
『《世界劇場》の鼓動』
完全版にのみ収録されている作品。音楽と、世界の破滅を描いた短編。ミステリではないような・・・
『不在のお茶会』
3人の人間が奇怪な状況に放り出される。それぞれ精神科医、作家、植物学者。彼らは自らの状況を分析していき・・・
今日読んだ本
山口雅也『「あなたが目撃者です」』
山口雅也『「私が犯人だ」』
山口雅也『蒐集の鬼』
山口雅也『《世界劇場》の鼓動』
山口雅也『不在のお茶会』
今読んでいる本
北村薫『空飛ぶ馬』
樋口有介『彼女はたぶん魔法を使う』
『「あなたが目撃者です」』
「あなたが目撃者です」という番組で、レッド・リヴァー連続殺人のことが詳しく解説されていました。それを見ていたある家庭では、妻が夫をを疑い始める・・・
『「私が犯人だ」』
夢見る文学者、グッドマン教師は、教え子で娼婦のレノラとともに逃避行へ出て、しかしレノラに拒否されて殺してしまうのだが・・・
『蒐集の鬼』
SP盤を愛し、それをコレクションするマッケリー。彼は幻のエレイン・レイニーのSP盤を探し回るのだけど・・・
『《世界劇場》の鼓動』
完全版にのみ収録されている作品。音楽と、世界の破滅を描いた短編。ミステリではないような・・・
『不在のお茶会』
3人の人間が奇怪な状況に放り出される。それぞれ精神科医、作家、植物学者。彼らは自らの状況を分析していき・・・
今日読んだ本
山口雅也『「あなたが目撃者です」』
山口雅也『「私が犯人だ」』
山口雅也『蒐集の鬼』
山口雅也『《世界劇場》の鼓動』
山口雅也『不在のお茶会』
今読んでいる本
北村薫『空飛ぶ馬』
樋口有介『彼女はたぶん魔法を使う』
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