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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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この前から、京極夏彦『姑獲鳥の夏』を読んでいました。
そこまで面白くない、というのでは控えめに過ぎるかも知れない。つまらないよなぁ。どう考えても。と読み終わってみて感じました。

姑獲鳥の夏

あんまりだ。笑うしかない・・・ 分厚いわりにたいことはないような気がします。分厚さに比して、壮大かといえば全然そんなことはない。では人の心を深く描ききっているのか、というと別にそういうわけでもない気がする。

どうして、5日もかけて『姑獲鳥の夏』を読んでしまったのか(読んでいる最中に風邪ひいて寝込みました、この本の呪いかも知れない)。もっと別の本読めばよかったなぁ。
なんだかとても疲れました・・・

あまり続編を読みたいとは思いません。


今日読み終わった本
京極夏彦『姑獲鳥の夏』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
内田康夫『天河伝説殺人事件』
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『蟲師』が終わってしまいました・・・


面白かったのになぁ。



今日読んだ本
漆原友紀『蟲師 10』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
鋼の錬金術師
今日は荒川弘『鋼の錬金術師 21』を読みました。面白い!
ラストに向けてどんどん盛り上がっていきます。とうとうセリムが本格的に動き出します。これからどうなるんだろう。

よくあれだけたくさんのキャラクターを登場させて混乱しないなぁ、と感心します。もう読んでいる方が混乱してくる・・・


今日読んだ本
荒川弘『鋼の錬金術師 21』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
漆原友紀『蟲師 10』
鈴木淳史『「電車男」は誰なのか―“ネタ化”するコミュニケーション』を読みました。まぁまぁ面白いけど、はっきり言って当たり前のことしか書いてありません。とくに新たな視点が提示されるわけでもないので正直、そこまで興味深い点はありません。

まぁ「電車男現象って何?」っていうこことを知りたい初心者の人が読む分には分かりやすくまとまっているかも知れないなぁ。
まぁでもそうたいしたものではありません。


今日読んだ本
鈴木淳史『「電車男」は誰なのか―“ネタ化”するコミュニケーション』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』

積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』


新年1冊目。
今日は、五十嵐貴久『2005年のロケットボーイズ』を読みました。
爽快で読みやすさは抜群、ものの30分で読み終わります。傑作というほど凄いかどうかは分からないけど、快作ではあります。読んでいて、暗い気持ちになるところはほとんどありません。テレビドラマ化もされたらしいです。
0地点どころか、マイナス地点からスタートし、どこまでも疾走していく「オチコボレ」の主人公たち。ものすごくかっこ良いです。

主人公は、梶屋信介(カジシン)。彼は、居眠り運転のトラックにはねられて志望校へいけず、ある工業高校に入学。ぐちばかりこぼしていました。そうしたら、大企業の御曹司にして、その高校の理事長の息子である男に疎まれ、彼の差し金で事実上学校中から無視されるはめになります。カジシンは荒れてタバコを吸い、酒を飲み、パチンコにはまります。
そしてあるとき、運悪く酒飲んで倒れ・・・
翌日教員から呼び出され、退学になるか、それとも言いなりになるか二者択一を迫られ、退学を避けるために、なんとキューブサット(小型人工衛星、10cm×10cm×10cm)をつくるはめに。
彼は、世間では「オチコボレ」として扱われるような仲間たちととにもその課題に取り組むことにします。すると、最初は嫌々だったのに、いつの間にかそこに居場所を見つけるようになっていきます・・・


今日読んだ本
五十嵐貴久『2005年のロケットボーイズ』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
鈴木淳史『「電車男」は誰なのか―“ネタ化”するコミュニケーション』


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
ナ・バ・テア

『ナ・バ・テア』は、『スカイ・クロラ』の青空の表紙とは、対照的な紅い夕焼け。印象的です。

『ナ・バ・テア』の主人公は、草薙水素。『スカイ・クロラ』の前のおはなしです。というか、どうやら時系列的には、『スカイ・クロラ』シリーズの第1作みたいです。

面白いです。

なんとなく、『スカイ・クロラ』を映画化した押井守の言っていることが分かるような気もします。

そういえば、森博嗣の物語ってもしかして全てつながっているのかも知れないなぁ、ということをちらっと思いました。あまり読んだことがないから分からないけど・・・


読み終わった本
森博嗣『ナ・バ・テア』

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』

積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『白洲次郎』

『白洲次郎』は、白洲次郎という人を特集した本。

白洲次郎はどんな人か、というと。
日本生まれながら、若い頃イギリスのケンブリッジ大学に留学。ジェントルマンとしての教養を身につけました。180センチを越す長身、端整な顔立ち等から社交界のアイドルのような存在となります。
第二次世界大戦中は、隠遁。密かに吉田茂を中心とした反戦グループと連絡をとりあい、終戦を待っていました。
戦後、吉田茂と懇意だったことから、終戦連絡中央事務局の参与となり、GHQ占領軍との交渉に当たりました。イギリスで学んだ流暢な英語をもちいてアメリカの一方的な要求をはねつけたて対話を行おうとしたため、「従順ならざる唯一の日本人」といわれました。
サンフランシスコ講和会議のときは、直前になって吉田茂の受諾演説を英語から日本語に書き直しています。
そして、占領から2年後政界を去り、その後は実業家として活躍します。

また、一方で「オイリー・ボーイ(オイルまみれの車好き)」といわれるほどの車好きでもありました。トヨタ・ソアラ開発時にはアドバイスをしたりもしています。


とてもかっこ良い人だなぁと思いました。颯爽としている、というのはこういうことを言うのかなぁ・・・


今日読んだ本
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』(再読)

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』

積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『間取りの手帖』

『念力家族』に続き、『間取りの手帖』も面白い本。
読むというよりは、見て楽しむものです。

いろんな面白い間取りが紹介されています。
こんな家にどうやって住むのだろう、と考えるのが楽しい間取りが載っています。
というより、つくった人はどういうつもりでつくったつもりなのか。う~ん分からない。

面白い間取りばかり、100こも集めた著者も凄いよなぁ・・・

自分がこんな家に住んでいたらどうするだろうか。
分からない・・ けどちょっと楽しそうな気もするなぁ、と思う間取りもあります。やたらと玄関からのびる廊下が長いひしゃく(だっけ?)みたいな形の家とか。


今日読んだ本
佐藤和歌子『間取りの手帖』(再読)

今読んでいる本
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』(再読)


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『念力家族』

笹公人『念力家族』は短歌集です。
短歌集といってもしっとりとした恋愛の歌、とかではありません。念力家族や念力学園での出来事を、短歌で詠んだものです。『トンデモ本』シリーズで紹介されていました。

「注射針曲がりてとまどう医者を見る念力少女の笑顔まぶしく」
から始まり、そういうのがどんどん続きます。

やっぱ短歌っていうのも面白いかも知れない、と思わせてくれます。

本当に面白いです。快作です。

今日読んだ本
笹公人『念力家族』

今読んでいる本
佐藤和歌子『間取りの手帖』(再読)
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』(再読)


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
日本語と日本人―対談集

『日本語と日本人―対談集』は、司馬遼太郎がいろんな人と対談していったのを集めたもの。登場するのは井上ひさし、大野晋、徳川宗賢、多田道太郎、赤尾兜子、松原正毅といった人たち。あまり僕の知っている人はいなかったです。知っているのは、井上ひさしくらいか。
読んでいて、司馬さんは対談がうまいなぁ、と思いました(まぁしっかりと編集がなされている、ということもあるのだろうけど)。はなしの持っていき方がうまくて、流れるように続いている。次から次へと話題を取り出してくるのがみごとです。

それで対談の主題は、まぁバラバラなのですが、まとめるとすると、「日本語の起源や、その発展、特徴について」。それと「日本人とは?」ということになると思います。

日本語のルーツ探しはとても面白いです。いったいどうやって日本語はできあがったのか・・・? 北か、南か、いろんな推理があるけれど、どれも当たっているような当たっていないような。

「日本語には忠も孝もない」、全部中国から輸入した言葉・概念だ、というのはその通りだなぁと思いました。もしかしたら、愛という概念も、ヨーロッパからの輸入品かもしれない。「愛は普遍である」なんて本当なのだろうか、とちょっと悩んでしまいました。

「司馬史観」の一端が垣間見えるような気がしました。けっこう面白いです。


今日読んだ本
司馬遼太郎、井上ひさし、大野晋、徳川宗賢、多田道太郎、赤尾兜子、松原正毅『日本語と日本人―対談集』

今読んでいる本
笹公人『念力家族』
佐藤和歌子『間取りの手帖』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
白洲正子、辻井喬、宮沢喜一、青柳恵介、朝吹登水子、中村政則、三宅一生『白洲次郎』


積ん読
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『きのうの世界』
今日は、『このミステリーがすごい! 2009年版』『RUN!RUN!RUN!』 をよんだあと、恩田陸『きのうの世界』を読みました。

長かったので計2時間半くらいかかりました。
正直言って、厚いわりには苦労して読んだ甲斐がなかった。読み終わった後、空虚感が漂います・・・

でてくる設定とかはまぁ面白いんだけど、意表をつくような意外なものでもなくて、ふ~んという感じで終わってしまいます。
というより、もう意味が分からないから、読者には推理する楽しみすら与えられていなくて、だから自分の推理と、謎解きとをすり合わせて楽しむ、とか全然できない・・・(僕の頭が悪いだけなのかも知れないけど)

物語の語り手はどこまで信用できるか不明だし。アンフェアっていうか・・ もう「正しい」ミステリー小説の範疇からははずれてしまっている感じです。いつの間にか、事件を解くことが物語の主題ではなくなっているし。

一番最後の章(落ち)で、拍子抜けします。これなら最後の章ないほうが良いような気がする。殺人の謎を未解決のままにしておいたら、読者は怒るかも知れないけど、それと同時に「これはミステリではないんだ、不可解小説だ」というふうな思いも抱くから、納得してくれるかも・・・
だめか。もっと消化不良か。

もやもや感を楽しめ、ということなのだろうけど。
う~んむずかしい。


今日読んだ本
恩田陸『きのうの世界』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
このミステリーがすごい!
今日は、『このミステリーがすごい! 2009年版』を読みました。
いろいろ読んでみたいミステリーがあるなぁ・・・ 『告白』とか。

やっぱり、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』がぶっちぎりというほどではないにせよ、唯一200点に届いて、国内ベスト1に選ばれていました。面白いもんなぁ・・・

あと桂望実『RUN!RUN!RUN!』を再読していました。
やっぱり面白いです。中身をほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで読めました。
そうか、遺伝子のはなしとかでてきたんだっけ・・・ いろいろ書いてあること、なんかけっこうでたらめなような気がします。詳しくは知らないし、面白いからいいけど。

そういえば箱根駅伝、もうすぐです。2008年が終わって、新年になっちゃうんだなぁ・・・

『RUN!RUN!RUN!』

今日読んだ本
『このミステリーがすごい!』編集部『このミステリーがすごい! 2009年版』
桂望実『RUN!RUN!RUN!』(再読)


今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
恩田陸『きのうの世界』
インディゴの夜

『インディゴの夜 チョコレートビースト』を読みました。
1作目を読まず、2作目から読んでしまいました。

渋谷にある一風変わったホストクラブ「club indigo」。
なぜか、いろんな事件が次々と持ち込まれます。ホスト連続襲撃事件、謎の失踪を遂げた編集者のこと、強盗事件・・・ そしてあるときは、仕組まれたホストコンテストに巻き込まれたりもします。
それらを、クラブの共同経営者である高原晶と塩谷、それとクラブに勤めるホストの人たちが解決していくというもの。

あんまり生臭いはなしではなく、しかも軽くて読みやすかったです。とんとんとはなしが進んでいくなぁ・・・ あまりにもはなしが上手すぎる気もするけど、まぁ良いんじゃないか。面白いんだし。

語り手は、晶という30代の女性なのですが、その人のつっこみが楽しいです。「最近の若者のオシャレは分からない」とか。


今日読んだ本
加藤実秋『インディゴの夜 チョコレートビースト』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
ガンダム
漫画を読んだのに書き忘れていました・・・
昨日、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18』を読みました。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は面白いです。
テレビ版のガンダムをもとにしながらも、突拍子がないところは直されています。しかも、前後の物語を受けて物語を少しずつ直しているみたいなので、いろんな矛盾が解決されています(シャアの言動とか、なんとなく納得できるようになってきました。どうしてそういうふうになっていったのか、とか)。

しかも描いているのが、安彦良和さん。
安彦良和の絵は、凄く良いなぁと思います。安彦良和の描いた漫画はけっこう読みました(『虹色のトロツキー』、『王道の狗』『ナムジ』『神武』『イエス』)。まだ読めていないものもたくさんあるんだけど・・・(『ジャンヌ』等)

昨日読んだ本
安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
銀河英雄伝説

今日は、『「銀河英雄伝説」読本』を再読しました。
銀河英雄伝説の外伝や、銀河英雄点説に関連したいろんなエッセイや、インタビュー、対談がいろんな雑誌にばらばらに掲載されていました。それを1つにまとめたものです。

『ダゴン星域会戦記』が面白いなぁと思いました。

今日読んだ本
『「銀河英雄伝説」読本』(再読)

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18』


東京の銀行に勤めていたのに体に異変があり、それを捨て故郷に帰った紺屋長一郎。彼は、地元で「犬探し」をやろうと思い立ち、事務所をひらきます。
しかし舞い込む依頼は、犬探しではないことばかり。「失踪した人を探してくれ」「神社の古文書の内容を解読し、歴史を調べてくれ」。そこへ高校時代の同級生・半田平吉が転がり込んできたので、彼とともにその2つの依頼を調べていくことにしました。すると何故か、その2つの事柄、微妙に関連があるようなないような・・・・・・


今日は、米澤穂信『犬はどこだ』を読みました。
最初の辺りで読み進めるのが面倒になったのだけど、進むごとに面白くなっていきました。ブラックというか、醒めきって何か悟ってしまったような主人公が面白かったです。あれで25歳なのか・・・

ハンペー(半田平吉)がラストに登場しないのは釈然としない気がしました。最後、図書館に行ったきり登場しなくなってしまう・・・ もう1人の主人公のはずなのに。最後に少し登場して欲しかったです。


今日読んだ本
米澤穂信『犬はどこだ』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
この前から読んでいた松下竜一『潮風の町』が読み終わりました。
前は豆腐屋をやっていたけれど、その後作家に転じた人の日記、みたいなものです。読んでいると、なんというか松下竜一は幻想の中に生きている人みたいな感じを受けます・・ 童話のなか、というか。

怖いなぁ。
あのように想像力豊かなのはいろんなところで楽しいかもしれないけど、普通に生きていくのは辛そうだなぁ。
しょんぼりとした寒々しい中に、夢のような美しいことを発見していくとかえって、その現実の寂しさみたいなものがひしひしと感じられるわけだから。


読み終わった本
松下竜一『潮風の町』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
米澤穂信『犬はどこだ』
『幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC』面白かったです。
もうこのS&Mシリーズは6作目で、ちょっと食傷気味なのだけど・・・ それでも一気読みしてしまうほど、面白いです。

奇数章だけしかなくて、偶数章は次の「夏のレプリカ」となっている、というふうになっているそうです。面白い、どうやって組み合わせるのだろう・・・

今回はマジックをする人たちが活躍します(マジシャンっていうのか)。
みんなそれなりにかっこ良いです。だけどそれより何より、犀川教授らの掛け合いが傑作です。普通に会話しているだけのはずなのに面白い。
しかも、どんどんどんどん面白くなります。1作目の頃より今のほうが面白いです。


最近読んだ本
森博嗣『幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
田下敬子『原色の女 もうひとつの『智恵子抄』』
音楽祭が終わってたくさん本が読めます。
この前からずっと読んでいた飯嶋和一『黄金旅風』が読み終わりました。凄く面白かったです。重厚さが良い、と思いました。ただしこの前も書いたように主人公の思考がもろに「近代人っぽい」感じでちょっと違和感を覚えることはありました。


読んでいて、ローズマリー・サトクリフを思い出しました。もちろん全く雰囲気が異なります。だけど、歴史をもとにした小説であることとか、情景にページを割くところとか、「めでたしめでたし」の結末が待ち構えているわけではないところが似ている気がしました。
けどまぁ全然違うか・・・ ローズマリー・サトクリフは英雄ではない人たちの生の姿を書いているのに対して飯嶋和一は人間離れしたかっこ良い英雄たちを書いているわけだから。

物語の舞台は江戸時代初期の長崎。
徳川家康の子・秀忠が大御所としていまだ力を握る一方で、家光の時代が迫る頃。
主人公は、海外との貿易により、西方一の豪商として名を馳せる末松平左衛門(二代目末次平蔵)と、長崎の火消組頭・平尾才介。2人は、長崎の人たちへの思いを胸に、内から外から迫る敵を打ち払っていきます。

幕府の国家統制が強まっていく中、民衆はどんどん締め付けられていきます。各地で、切支丹弾圧の嵐が吹き荒れます。とくにキリシタンの多い長崎など、九州では徹底的な弾圧が行われました。
海の男たちもどんどんと締め付けられていきます。貿易はじょじょに幕府に抑えられていきました。末松平左衛門は、それに対抗しようとして自分の力の及ぶ限り、色々な方策を打っていきます。

そして締め付けの一方で、鬱屈とした思いを抱える大名たちは諸外国への侵略に乗り出そうとします。それは、西洋諸国の強い反発を招くことは確実です。そうなれば、九州一の良港・長崎がまっさきに戦場となるのは確実です。末松平左衛門はその無謀なる侵略を阻止しようとします・・・

(飯嶋和一、ついこのまえ前大佛次郎賞をとったそうです。そちらも早く読んでみたいです)


今日読んだ本
飯嶋和一『黄金旅風』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
この前『名家老列伝 組織を動かした男たち』を読みました。
童門冬二さんの本はこれまでも色々読んできたのですが、どれもけっこう面白いです。ただしなんでもかんでも教訓として活かそうという風にはなしをもっていくのは好きになれません。


歴史小説というのは楽しむためにあるのであって、「企業戦士である自分の実生活のため」というのではなんだかつまらないです。

というか、戦国時代と現代って価値観とか、概念とか全然違うから・・・
江戸時代の人と、近代の人とでは、比較のしようがないと思うんだけど。

そういえば飯嶋和一『黄金旅風』を読んでいても同じことを思いました。なんていうか、主人公の頭が良すぎてちょっと辟易します。まるで近代人だ・・・ 江戸時代の人のはずなのに全面的に今っぽい価値観を持っているんだよなぁ。

最近読んだ本
童門冬二『名家老列伝 組織を動かした男たち』

今読んでいる本
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
『儚い羊たちの祝宴』

米澤穂信の短編集『儚い羊たちの祝宴』を読みました。けっこう面白かったです。『身内に不幸がありまして』『北の館の罪人』『山荘秘聞』『玉野五十鈴の誉れ』『儚い羊たちの晩餐』を収録。

同じ作者の著書、『春期限定いちごタルト事件』は、う~んまぁ面白いかなぁ・・ という感じでした。なんというかけっこう微妙だった、ということなのだけど。

『儚い羊たちの祝宴』は、どの物語もだいたい上流階級から墜ちかかった家のお嬢様か、彼女に仕える女性が主人公です。ちょっと暗い狂気の部分を、うまく静かに見つめていて面白いです。

全てのはなしの中にちょろっとだけ登場する読書会「バベルの会」が、案外大きな意味を持っています。そして、物語の中にいろんな形で本が登場します。
読み終わったあとまったく関連がないのですが、これからの時代、紙の情報ってどうなっていくのだろうか、と少し考えてしまいました。みんなパソコンとかに移行していくような気がします。
もしかして、本って高価な、贅沢なものになっていくのかなぁ・・・

今日読んだ本
米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

今読んでいる本
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
童門冬二『名家老列伝 組織を動かした男たち』
昨日は、『人間失格』のほかに佐藤優『世界認識のための情報術』も読みました。愛国者である彼が、『週刊金曜日』に連載した「飛耳長目」を書籍化したものです。ずっと読みたかった本がやっと読めました。

佐藤優とは誰か、というと。
かつて外務省官僚として活躍していた人です。鈴木宗男などとともに北方領土問題に取り組んでいたのですが、2002年に背任容疑で逮捕。その後それを不当として裁判を起こします。
裁判を続けながら、『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』という本を出版してベストセラーになり、その後は論壇で活躍するようになりました。護憲派であり、尊王家であり、キリスト教徒という面白い人です。

佐藤優の文章って、面白いなぁと思いました。なんていうか哲学の書みたいな回りくどさがあります。文章は難しそうに見えるけど、切り口がすっきりしていて分かりやすいです。
ただしあまり思い切ったことを書くという感じではありません。全体的に慎重な人なのだなぁ、ということが伝わってきます。読んでみてとても面白かったです。1度官僚を経験すると、そういう見方をするようになるのか・・・


昨日読んだ本
佐藤優『世界認識のための情報術』

今読んでいる本
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
今日は、太宰治『人間失格』を再読しました。やっぱり太宰治は好きになれないなぁと思いました。つまらない、とかそういう訳ではないんだけど・・・
なんというか、「オレはダメなんだ」と本気(?)で書いているみたいなのだけど。「オレはダメだ」といえる自分に心酔しているようなところが好きになれないです。結局のところ、自惚れに沈んでいって何も見えていないんじゃないか。

そういえば太宰治が自殺したということから色々考えていたんだけど。文学者ってよく自殺するなぁ、と思います。

とくに太平洋戦争を潜り抜けた日本の文学者ってけっこう自殺してるよなぁ・・ 太宰治、三島由紀夫、川端康成、原民喜、田宮虎彦、あとは田中英光とか。坂口安吾も薬物中毒でメチャメチャの体になっていたと言われます。まぁ別に戦争とは直接は関係ないのかも知れないし、ただ単に自殺した人たちが目立っているだけなのかも知れません。

戦争と文学者の自殺との関係って気になります。別に、たいして関係はないのかなぁ・・・


最近読んだ本
太宰治『人間失格』(再読)

今読んでいる本
佐藤優『世界認識のための情報術』
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
今日は陳舜臣の書いた『インド三国志』を読みました。
日本ではちょうど江戸時代が始まった頃。インドをほぼ支配するムガル帝国と、それに抵抗するマラーター族や他の勢力との熾烈な戦いが始まっていました。
しかも、ムガル帝国は内側でも戦いが絶えませんでした。帝王が死ぬたびにその息子たちの間で激しい戦いが繰り広げられたのです。言葉通りの殺し合いです。後継者争いに敗れれば、目をえぐられたり、殺されたり酷い目にあいました。
後継者争いは、王子達にとっては、「王か、死か」の争いでした。
ムガル帝国の混乱と衰退の原因はそこらへんにあるそうです。

ちょうど東インド会社の進出が始まる前で、おしまいでした。作者は、まだ続きを書きたいと考えているそうなので、未完ということになります。

中国の歴史を長らく書いている陳舜臣が、インドからアジアの歴史を見つめていったもの。けっこう面白いです。読んでいて、アジアの大国、中国とインドの歴史のことをもっと見つめていきたいなぁと改めて思いました。インドのことって全然知らないなぁ・・・



今日読んだ本
陳舜臣『インド三国志』

今読んでいる本

佐藤優『世界認識のための情報術』
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
太宰治『人間失格』(再読)


積ん読
遠山啓『現代数学対話』
坪内稔典『季語集』
『まどろみ消去―MISSING UNDER THE MISTLETOE』を読みました。森博嗣の短編集です。『虚空の黙祷者』『純白の女』『彼女の迷宮』『真夜中の悲鳴』『やさしい恋人へ僕から』『ミステリィ対戦の前夜』『誰もいなくなった』『何をするためにきたのか』『悩める刑事』『心の法則』『キシマ先生の静かな生活』を収録。

面白い、と思うものが多かったけど、『心の法則』とかは何がなんだかさっぱり分かりませんでした。あれ、結局、何の意味がないのか。

2回くらい二重人格というか、人格分裂みたいなネタがでてきて、ちょっとなんかなぁと思いました。う~ん、どれも傑作というほど傑作ではないかなぁ。森博嗣は、やはり長編の方が面白い。

今日読んだ本
森博嗣『まどろみ消去―MISSING UNDER THE MISTLETOE』

今読んでいる本
飯嶋和一『黄金旅風』
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
『人間失格』(再読)


積ん読
遠山啓『現代数学対話』
坪内稔典『季語集』
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
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