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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『80年代SF傑作選〈下〉』を今読んでいます。
『胎動』『祈り』『間諜』

80年代の面白いSF小説が載っています。
ぜんぶ中編というか、短編小説です。

マイクル・ビショップ『胎動』は・・・
起きたらなぜか人間全員が昨夜までとは別の土地に飛ばされていた、という物語。どうやら世界中の人々に全く同じことが起きたらしい。もちろん誰もがパニック状態。しかもそれは全くランダムらしく、中国人も、アメリカ人も、エスキモーも、みんなごちゃ混ぜに・・・
人々はその事態を受けて、いったいどこを目指すのか?

これがSFなのか。物凄く哲学的というか、深いです。

ジョアンナ・ラス『祈り』は、ノルド人がある修道院を襲撃してきた時の物語。最後には、異邦人らしき人たち(天使? 宇宙人?)が登場します。う~ん、面白いです。ありきたりなストーリーではあるけど。

ブルース・スターリング『間諜』は、3作品の中で1番すぱっといって読みやすかったです。完璧なる管理社会を目指す財閥隊の手先・間諜(スプーク)。彼は、南米で勢力を固める宗教集団を叩き潰すことを目指しますが、その中で失っていた記憶を取り戻し・・・

どれも、面白いけど。陽気さというものがほとんど感じられません。重々しくて息が詰まる。ブラックというか。


今日読んだ作品
マイクル・ビショップ『胎動』
ジョアンナ・ラス『祈り』
ブルース・スターリング『間諜』


今読んでいる本
遠藤周作『イエスの生涯』
スウェン・ヘディン『さまよえる湖』
森博嗣『フラッタ・リンツ・ライフ』
ルーディ・ラッカー&マーク・レイドロー『確率パイプライン』
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『竹中半兵衛と黒田官兵衛―秀吉に天下を取らせた二人の軍師』

読みやすい。すとんすとんとはなしが進んで気持ちいいです。
ただし、戦国時代のだいたいの流れを知っている人でないと、ちょっと混乱するかも知れません。長いし、ちょっとマイナーなはなしに行く部分もあるので。

世間一般に流通した常識というか、イメージでしっかりと書かれているので、安心して読めます。歴史上のある人物が嫌いだから、口をきわめてその人の悪口を書く、という作家が時々います。それはそれで面白いのだけど、その作家の考え方に知らぬ間に染められるのはちょっと困るなぁと思います。間違ったことを信じてしまうことになるし。

主人公は、豊臣秀吉に仕えた2人の軍師。
飄々としていて何事にもとらわれないほどの大きな器。それでいて天下の政治を考えている天才軍師・竹中半兵衛。
頭がきれすぎるので主君・豊臣秀吉にすら警戒されたといわれ、しかも敵に降伏を勧めるために行った先で、何ヶ月も監禁されてびっこになってしまった黒田官兵衛。

黒田官兵衛は、ちょっとかっこ良すぎる気がします。
買いかぶりすぎじゃないかなぁ。いくらなんでも。もっと優しくない人のようなイメージがあります。「民のことに目を向けていた云々」っていうのはちょっときれい過ぎるというか。ありきたりすぎるというか。
もう少し、未練たらしく天下を自分のものにしたい、という野心を追求する男だったのではないかなぁ、と僕は考えています。関連する本としては。松本清張『軍師の境遇』があります。『軍師の境遇』も黒田官兵衛が主人公の本。


今日読んだ本
嶋津義忠『竹中半兵衛と黒田官兵衛―秀吉に天下を取らせた二人の軍師』

今読んでいる本
遠藤周作『イエスの生涯』
スウェン・ヘディン『さまよえる湖』
森博嗣『フラッタ・リンツ・ライフ』
マイクル・ビショップ『胎動』
エルキュール・ポアロ最後の事件。
衝撃的なラストでした・・・


死に際まで殺人犯を追いかけるポアロ。
しかし、彼は決して犯人を追い詰めることはできません。それはなぜなのか・・・

ヘイスティングズが人を殺そうと決心する場面にはどきっとします。ポアロの親友であり、犯罪を憎み、これまで数多くの事件の解決に関わってきた彼が、まさか人を殺そうと決意するとは・・・ あべこべです。犯罪を追いかけてきた者が、犯罪を犯す側になってしまいます。

でも、結末にある、ポアロの告白(全ての謎解き)の方がもっとびっくりしました。まさかそういう結末が待ち受けていたとは。反則に近いよなぁ。絶対に想像も、推理もできるはずがない。凄すぎる・・・


今日読んだ本
アガサ・クリスティ『カーテン』

今読んでいる本
遠藤周作『イエスの生涯』
『タイタンの妖女』が読み終わった後、『地を這う虫』を読みました。
『地を這う虫』
『地を這う虫』は、短編集。『愁訴の花』『巡り逢う人々』『父が来た道』『地を這う虫』を収録。
憂鬱というか陰鬱というか、高村薫の書く小説には暗さ・重さが付きまといます。読みながら、はーとため息をつきたくなるくらいです。決してつまらないわけではないんだけど。

短編も面白いけど、やっぱり長編でこそ高村薫のブロックをどんどん積み重ねていく良さはいきてくる気がします。『レディ・ジョーカー』のほうが面白かったかなぁ。


今日読んだ本
高村薫『地を這う虫』

今読んでいる本
アガサ・クリスティ『カーテン』
遠藤周作『イエスの生涯』


太田光が、ことあるごとに事務所の名前(タイタン)は、『タイタンの妖女』からとったんだ、と言っていたので、その『タイタンの妖女』ってどんな物語なのかなぁと思い、手に取りました。

SFというか、荒唐無稽でぶっ飛んだ小説だなぁ。
物語の進み具合も、登場人物たちも、どこかおかしいです。世界一といっても良いようなお金持ちで、女たらし(なんて言葉今じゃ使わないかもなぁ・・)の主人公・コンスタントのたどる数奇な人生がまずもって変な感じです。火星に誘拐され、水星へいき、1度地球に戻り、最後には木星の周りをまわる惑星・タイタンへ送られることになるんだけど・・・ 悲惨なんだけど、面白いです。そして、言葉遊びも満載(僕は英語で原作が読めないので面白さ半減ですが・・・)。

しかし、それでいて、「人間に自由意志なんてものはあるのか?」というような、深いテーマを抱えています。凄く面白いです。最後、誰もが幸せに(たぶん)人生を終えていくところまで、引きずられるようにして読みました。

でもやっぱりいつも感じるように海外の小説ってどこか日本の小説と違うんだよなぁ・・・ なんというか、言葉にできないんだけど何かがひっかかって、読み進めにくいです。


今日読んだ本
カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』

今読んでいる本
アガサ・クリスティ『カーテン』
遠藤周作『イエスの生涯』
高村薫『地を這う虫』
今日は、『西洋骨董洋菓子店 3』を読みました。
『西洋骨董洋菓子店 3』


今日読んだ本
よしながふみ『西洋骨董洋菓子店 3』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
アガサ・クリスティ『カーテン』
カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』
遠藤周作『イエスの生涯』
『とかげ』を読んだ後『不幸な少年だったトーマスの書いた本』を読みました。


『不幸な少年だったトーマスの書いた本』は、「金の石筆賞」受賞作。オランダ児童文学界で今最も活躍している、というコイヤーという人の著書です。

舞台は、1951年のオランダ。
トーマスの家では、お父さんが「神をばかにした」と感ずるとすぐに暴力を振るっていました。トーマスは、お母さんがぶたれるのを我慢できず、父に対して徐々に反抗していきます。
お姉さんや、革の義足を付けて片手に小指しかないけれど美しい年上の憧れの人エリザや、隣の家の「魔女」のおばあさんたちの大きな助けをあって、とうとう最後には、お父さんの暴力は押さえ込まれていきます・・・

暗いはなしなのかと思いきや。
そんなに暗くはありません。


今日読んだ本
フース・コイヤー『不幸な少年だったトーマスの書いた本』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
アガサ・クリスティ『カーテン』
『ビルマの竪琴』を読んだ後、『とかげ』を読みました。


『新婚さん』『とかげ』『らせん』『キムチの夢』『血と水』『大川端奇譚』を収録。

『新婚さん』が妙に記憶に残っています。
電車の中で、ホームレスらしきおじさんと一緒の車両になるのですが、そのおじさんがいつの間にか美女に変身していた・・・ それでその女性とちょっとだけ会話して、気が晴れるというおはなし。


今日読んだ本
吉本ばなな『とかげ』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
フース・コイヤー『不幸な少年だったトーマスの書いた本』
アガサ・クリスティ『カーテン』
竹山道雄『ビルマの竪琴』

今日、『ビルマの竪琴』を読み終わりました。とても考えさせられる物語でした。
こういう「子供向け」のはなしだったんだ・・・ 知りませんでした。戦争が背景にあるけれど、そこまでエグい描写はありません。なんというか、南国の美しいビルマの風景が思い浮かびます。とても、読みやすいです。

あらすじは・・・
日本軍の中に、「うたう部隊」と呼ばれる部隊がありました。彼らは、戦いの傍ら、戦場でも合唱の練習をしていたので非常に上手でした。その中に、水島という兵卒がいました。彼は堅琴がうまく、またビルマ人の風貌に似通った青年だったので、日本兵のみんなから好かれ、ビルマ人からもよく扱われました。
第二次世界大戦の終わりごろ。「うたう部隊」は、ビルマで孤立し、最後にはとうとう英軍の捕虜となります。そうして、戦争は終わりました。水島は、まだ戦闘を続けている部隊に降伏をすすめるため、イギリス軍の許可を得て、1人部隊を離れます。しかしなぜか彼は帰ってきませんでした。なぜなのか、と部隊の者たちは心配し、帰ってくるようにいろんな方法で試みるのですが、彼は結局戻ってきませんでした・・・


ここからネタバレ。
実は、水島はビルマ全土に転がる日本兵の無残な死体を弔うために、ビルマに残ることにした、ということが最後に分かります。

あとがきの作者の訴えには納得します。
作者は、「戦争は悪い。戦争責任の所在を考えていくことなどは大切だろう。だが若者たちが戦場に散ったのは悲劇なのだ。それをしっかりと見つめず、戦争した全員が一律に悪、と決め付ける風潮にわたしは違和感を覚える。戦死した人たちの冥福を祈ることまでいけない、と決め付けるのはおかしい、と私は思う」


今日読んだ本
竹山道雄『ビルマの竪琴』

今読んでいる本
吉本ばなな『とかげ』
夏目漱石『私の個人主義』
フース・コイヤー『不幸な少年だったトーマスの書いた本』
アガサ・クリスティ『カーテン』
『はじめの哲学』を読んだ後、夏目漱石『草枕』、『一夜』を読みました。

『草枕』は、かの有名な文章から始まります。「 山路を登りながら、こう考えた。/ 智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」というやつです。
リズムに乗っている感じで、最初は読みやすいです。好きか嫌いかと聞かれれば、嫌いではない作品だけど。主人公の語る非人情の世界・風流の世界が、そこまで良いとは感じられないので、なんというかまぁまぁかなぁ。

『一夜』は夏目漱石曰く「実験小説」。面白いけど、なんだかよく分からない。ドラマがある、というわけではなく、ただ3人の男女が会話している、というもの。それが人生を表しているのだそうです。
「美くしき多くの人の、美くしき多くの夢を・・・」という詩(?)をつくっているのかよく定かではないがそのような会話が続きます。


今日読んだ本
夏目漱石『草枕』
夏目漱石『一夜』


今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
三好由紀彦『はじめの哲学』
『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』を読んだ後、三好由紀彦『はじめの哲学』を読みました。

なかなか面白いです。
分かりやすいところがまず良いなぁ、と感じました。

ぐいっと「存在ってなんだ?」という問いに切り込んでいく本です。けれど難しいところはほとんどありません。語りかけるような調子なので小学生でも読めます。
難しい本からの引用も、それほどありません。すっと入っていけます。


今日読んだ本
三好由紀彦『はじめの哲学』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
夏目漱石『一夜』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
今日は、まず『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』を読みました。
『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』

やっぱり相変わらず面白い、S&Mシリーズ。とうとう9作目。
10巻もあわせて前後編ということらしいので、早くそちらも読んでみようと思います。

なぜか、本の厚さが前までの巻と比べて、急に1.5倍くらいになった気がします。
まぁ面白いからかまわないのだけど。でも、これまで読んだシリーズ9冊の中では中ほどの面白さ、かなぁ・・・ №3には挙げられないなぁ。


今日読んだ本
森博嗣『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』

今読んでいる本
三好由紀彦『はじめの哲学』
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
夏目漱石『一夜』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
今日読んだ本、『もやしもん 3』。


今回は沖縄へ・・・!
作中は夏休み真っ盛り・・・ いいなぁ。

今日読んだ本
石川雅之『もやしもん3』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
森博嗣『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』
今日は、阿刀田高『短編小説を読もう』を読みました。
自分の読書を振り返るきっかけにもなってよかったです。
手軽だし。
短編小説を読もう

まず第一章は、「はじめに」みたいな感じ。
「若い人たちよ、面白い本いろいろあるぜ、とにかく手にとってみたら?」というお薦め。
「自分は、『銭形平次捕物控』の軽さや、『世界裸体美術全集』のエロティズムに惹かれて色々読んだ。やっぱり楽しむために読書はある。別に意味がなくてもいい。役立つから、じゃなくて楽しいから読むんだ」と阿刀田高が書いているけど、まさにその通りだなぁと思います。
楽しいから、読書するんだよなぁ・・・

第2章は、芥川龍之介の紹介。
「小説」の王道をいく、芥川龍之介という作家はとにかく分かりやすくて、面白い。「お薦めの短編小説作家を挙げてください」といわれたら、まず芥川龍之介を挙げると思う、と阿刀田高は言います。
芥川龍之介の代表作として挙げられているものはだいたい読んだけど、(芋粥、蜘蛛の糸、地獄変、杜子春、トロツコ、鼻、羅生門)確かにどれも読みやすいし、面白いなぁと思います。

第3章はコナン・ドイルと牧逸馬らの紹介。
シャーロック・ホームズって面白い! ってはなしです。確かに面白いけど、阿刀田高も書く通りあまりにも王道のミステリばかりなので、あとから模倣されまくりです。僕は、ホームズはそこまで面白いとは思わないなぁ(先駆者だから凄い、とは思うけど)。今の日本には面白いミステリが満ち溢れているからなぁ・・・

第4章は、エドガー・アラン・ポーとヴァン・ダインらの紹介。
エドガー・アラン・ポーは、オーギュスト・デュパンもの(『モルグ街の殺人』『マリー・ロージェの謎』『盗まれた手紙』)しか読んだことがなかったので、他のも読んでみたいなぁと思いました。
紹介されているヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』は読みました。だけど、ヴァン・ダインの作品はそれ以外は1つも読んだことがありません。まぁ時間があったら今度読もうかなぁ、と思いました。

第5章は志賀直哉の紹介。
僕は全く読んだことがありませんでした。的確で簡潔で優れた文章らしいので、ぐだぐだな文章を書く僕にとっては、ものすごく良い参考になるかも知れない。今度ぜひ読もうと思います。

第6章は、ユニークな短編の紹介。
紹介されているもののうち・・・ 中島敦『山月記』『文字禍』『狐憑』、夏目漱石『夢十話』は前に読みました。どれも面白かった記憶があります。
でも、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、大江健三郎『死者の奢り』『飼育』は読んでいないです。江戸川乱歩って子供向け以外のものも書いていたんだ・・・ 知りませんでした。今度読んでみよう。

第7章は、松本清張の紹介。
阿刀田高は、「松本清張の全盛期を読者としていっしょに駆けぬけ」たと書いています。おー、そうなのか。阿刀田高は、1035年生まれ。松本清張をリアルタイムで読んでいた世代って、その辺りなのか・・・
僕は、松本清張という作家を、『砂の器』で知ました。それからちょっとだけ読んでみたのですが、凄いというしかない。『軍師の境遇』、『逃亡者』、『版元画譜』は歴史小説、『小説帝銀事件』はノンフィクション、『砂の器』、『点と線』はミステリ小説。多作、かつ多彩。ものすごく広い分野にわたっていて、感動します。

第9章は、ショートショートの紹介。
ショートショートを確立したのは星新一と言っても良い、ということで『おーい でてこーい』を丸々紹介。
確かに星新一がいなければ、ショートショートという言葉があったかどうかも分からないなぁ・・・

第10章は、乱れうち。
太宰治『きりぎりす』、ヘミングウェイ『殺し屋』、井上靖『桜蘭』、ストックトン『女か虎か』、ラヒリ『停電の夜に』、井伏鱒二『山椒魚』、山本周五郎『その木戸を通って』、ダール『牧師のたのしみ』、カポーティ『夜の樹』、結城昌治『替玉計画』、鶴田知也『コシヤマイン記』、五味康祐『自日没』、里見とん『ひえもんとり』、半村良『箪笥』、日影丈吉『猫の泉』の紹介。

読み終わってみて。
『短編小説を読もう』面白かったです。今まで読んだことのない作家を知ることができたし、ある作家の違う側面(半村良が『箪笥』という短編を書いていたのは驚きだった)を知ることもできて、もっと本を読みたいなぁと思いました。


今日読んだ本
阿刀田高『短編小説を読もう』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
森博嗣『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』
石川雅之『もやしもん3』
『さよなら妖精』を読んだ後、『退出ゲーム』を読みました。
『結晶泥棒』『クロスキューブ』『退出ゲーム』『エレファンツ・ブレス』収録。
退出ゲーム

面白い!
『退出ゲーム』も、『さよなら妖精』と同じような「青春・ミステリ」です。しかし雰囲気はまったく違います。

『さよなら妖精』は、機知に富んだ会話、ちょっとしたとんちみたいな推理が、印象に残ります。主人公は、ユーゴスラヴィアからやってきた少女と出会ったことから、日常からの脱出を目指します。だけどその気持ちは「なんとなく」に過ぎなかったんだ、と最後には悟り、成長することになります。
終わった後は爽やかだけど、悲しい気分になります。

対して、『退出ゲーム』は、直球で明るくて軽くてぽんぽんと小気味良く進んでいきます。主人公のチカや、ハルタたちは面白い人たちだし。周りに集まるのは変人ばっかり・・・
どこか『超人人間あ~る』を思い浮かべます。読むのが楽しいです。しかし、楽しいだけでは終わらない。最後の短編ではかつての戦争のことに触れます。それでも凄く重い感じにはならない。
最後まですっと進んでいきます。

僕は、『さよなら妖精』の方が好きかも知れない。
でも『退出ゲーム』も凄く小気味良い感じで、面白いです。


今日読んだ本
初野晴『退出ゲーム』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
森博嗣『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』
今日は、『さよなら妖精』と『台風のついせき竜巻のついきゅう』を読みました。


今まで読んだ米澤穂信の作品の中で、『さよなら妖精』が1番好きかも知れない、と思いました。

中盤までは、でてくる「謎」がどれも小さくてあまり面白くないなぁと感じ、読み進めるのが億劫になっていました。だけど、最後のページまでたどり着いてみたら、がらりと印象が変わりました。

ミステリ小説というよりは、青春小説に近い気がします。無力感、喪失感、全てが終わってしまったあとに、茫然とする感じ。マーヤと過ごしたなにげない日常こそが、かけがえのないものだったんだと気付かされるけど、もう決して取り返せない。
そして、主人公は、ユーゴスラヴィアからやってきた少女と出会ったことによって、「日常からの脱出」を目指していたのだけど・・・ その気持ちは「なんとなく」に過ぎなかったんだ、と最後には悟り、成長することになります。

ユーゴスラヴィアからやってきたマーヤの言葉、とくに「哲学的な意味はありますか?」を連発するところとか、印象に残ります。



加古里子『台風のついせき竜巻のついきゅう』は読書日記を書くために、昨日から再読していた絵本です。感想は自森人読書日記 台風のついせき竜巻のついきゅうのほうに書いています。


今日読んだ本
米澤穂信『さよなら妖精』
加古里子『台風のついせき竜巻のついきゅう』(再読)


今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
初野晴『退出ゲーム』
森博嗣『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』
夏目漱石『琴のそら音』は、余(靖雄)と津田君との問答から始まる物語。

幽霊はいないのだろうか。死に際に、魂が親しい人のもとに現れるなんてことはありえないのだろうか。そういうオカルトなものは、明治維新によって死んだのだろうか・・・?
いやいや人の心にしっかりと生きづいているのではないか?

そういうようなおはなしです。

ちょっと、文章が読みにくいなぁと思いました。


今日読んだ本
夏目漱石『琴のそら音』

今読んでいる本
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『草枕』
竹山道雄『ビルマの竪琴』
米澤穂信『さよなら妖精』
森博嗣『数奇にして模型―NUMERICAL MODELS』
『テガミバチ3』『テガミバチ4』『テガミバチ5』

1、2、4巻しか読んでいなかった『テガミバチ』の3、5巻を読みました。ちょっと読みづらいところもあるんだけど、おはなしはとても面白いです。ハイ・ファンタジー。

物語の舞台は、朝がやってくることのない暗闇の惑星のアンバーグラウンドという地。首都にある人口太陽の光もほとんど届かない中、「テガミバチ」は、人のこころをのせた「テガミ」を運んでいる・・・


今日読んだ本。
浅田弘幸『テガミバチ3』
浅田弘幸『テガミバチ4』(再読)
浅田弘幸『テガミバチ5』


今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『琴のそら音』
今日は、『続仏像のひみつ』を読みました。
『続仏像のひみつ』

『仏像のひみつ』の続き。
絵や写真が多用されていて分かりやすいし、面白いです。

今回のひみつは・・・

5 仏像ソシキのまわりにも誰かいる!
6 仏像の着物にはソデがない!
7 仏像の眼は光る!
8 仏像の色はイロイロ!


今日読んだ本
山本勉、川口澄子『続仏像のひみつ』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『琴のそら音』
『レディ・ジョーカー 下』

今日も自由の森学園は入試、生徒は休み。
『レディ・ジョーカー 下』を読み終えました。

今年になってから読んだ本の中で1番といっても良いくらい面白かったです。いつの間にか、レディ・ジョーカーが消えていく最終章が印象的でした。

登場する人たちが、みんなリアルです。
ビール会社の社長、城山という人が印象的でした。

日本の闇社会に、微妙に触れるんだけど、やっぱり掴めないのがじれったいです。でも、そういうものなのかもなぁ。


今日読んだ本
高村薫『レディ・ジョーカー 下』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『私の個人主義』
夏目漱石『琴のそら音』
今日は、『レディ・ジョーカー 上』 を読んだ後、『倫敦塔』を読みました。
自由の森学園が入試で休みなのでたくさん本が読めます。

小説というか、エッセイというか、やっぱり小説なのか・・・
『倫敦塔』は、作者が留学中にロンドン塔を訪ねたとき、抱いた思いを書いたもの。
幻想文学っぽいような感じで、不思議な感じです。

ロンドン塔では、たくさんの人が処刑されたんだなぁ・・・
物語の中で「余(私)」が幻視した(ように感じる)人物、ジェーン・グレイのことは聞いたことがあります。
ポール・ドラローシュ作『ジェーン・グレイの処刑』という絵を見て知りました。ジェーンは、イギリス王国の女王に即位しながら、反対派の反撃にあって処刑されてしまった悲劇の女性です。その背景には、カトリックとプロテスタントとの激しい対立がありました。宗教っていうのは難しいものだなぁ、と感じます。

ジェーンの次の次の女王にして、イングランドの黄金時代を築いたエリザベス1世も幽閉されたことがある、というはなしを読んだことがあります。そういえば、エリザベス1世の母、アン・ブーリンはロンドン塔で処刑されてしまったんだっけ。

ロンドン塔は、イギリス史のなかに屹立しているのだ、という作者の言葉に頷かされます。


今日読んだ本
夏目漱石『倫敦塔』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『私の個人主義』
高村薫『レディ・ジョーカー 下』
夏目漱石『琴のそら音』
ページを開いた瞬間から、ひきこまれました。
宮部みゆき『理由』より面白い、という人がいるのも頷けます。まだ最後まで読んでいないので、なんともいえませんが。
『レディ・ジョーカー 上』

こんがらがっていて、うまく説明できないんだけど。
あらすじは、ようするに日本ビール界最大手の日之出麦酒社の社長が誘拐されるという事件が巻き起こる、というもの。

とにかく分厚いです。
だけど、そのページ数の中でどんどん積み上げられていくストーリーの濃密さはものすごいです。全てきっちりとされていてごまかしがありません。警察と会社との行き詰るやり取り、警察内の本庁と所轄の確執(『踊る大捜査線』を思い出すなぁ)、背後にうごめく闇世界(総会屋、右翼、暴力団)の影を追及する記者と、それに対する圧力。

それにしても複雑です。
2回読み直さないとしっかりとは呑み込めないかも知れない。

高村薫という人は、どういうふうにして、この小説を書いているのだろう。綿密な下調べがあるのかなぁ・・・
感動してしまいます。


今日読んだ本
高村薫『レディ・ジョーカー 上』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『私の個人主義』
高村薫『レディ・ジョーカー 下』
夏目漱石『倫敦塔』
夏目漱石『琴のそら音』
今日は、『ザ・漱石』に収録されている夏目漱石『三四郎』を読みました。

『三四郎』もこれまた名作と名高い小説。
三四郎の心の揺れ動きが、見事に描かれているなぁと感じました。

夏目漱石の書く小説は、何かを押し付けてくるということがなくて良いなぁと思います。軽妙、といえば良いのか。すっと読めてしまう。

なかなか町田康の『告白』を読み始めることが出来ません。
今度は、高村薫『レディ・ジョーカー』を借りてきてしまいました・・・ 宮部みゆき『理由』より面白いと書いている人がいたので、どうしても読みたいなぁと思っていたのです。
さっそく読み始めています。


今日読んだ本
夏目漱石『三四郎』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『私の個人主義』
高村薫『レディ・ジョーカー 上』
この前からずっと読んでいた『ゴリラとヒトの間』がやっと読み終わりました。
『ゴリラとヒトの間』

ゴリラへの深い愛というか、思い入れが感じられる本です。

ゴリラの生活というのを網羅して、しっかりととらえています。その上でかなり、突っ込んだはなしにまで触れています。嬰児殺しの問題のこともしっかりと考察しています。

すもうとりと、ゴリラの格好は似ている、という指摘は面白いです。表紙の絵も、それです。

他の類人猿との比較なども読んでいて興味深いです。
いろいろと盛りだくさんです。

だけどあとがきにはまだまだ書き足りなかった、と書いてある・・・

山極寿一さんは自森の卒業生の保護者だそうです。
全然知りませんでした。


今日読んだ本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』

今読んでいる本
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『三四郎』
夏目漱石『私の個人主義』
『鹿男あをによし』を今日読みました。
『鹿男あをによし』

『坊っちゃん』を読み直したあと、『鹿男あをによし』をもう1度読むと、いろんなつながりが分かって面白いです。倍楽しめる、という感じです。

だけど、『鹿男あをによし』は、それだけでも楽しめます。
不思議な設定の物語です。

以前、ドラマ化されたこともあります。それも面白かったです。そういえば近々、同じく万城目学の書いた『鴨川ホルモー』が映画化されるそうです。
いろんなメディアに取り上げられているなぁ。

そういえば。
万城目学とよく並べられるのが、森見登美彦。
2人とも京都を舞台にした物語を書いている作家です。ファンタジーっぽい、青春小説などを書いている人たちです。どこか滑稽というか、剽軽な文章がとても良いなぁ、と思います。


今日読んだ本
万城目学『鹿男あをによし』(再読)

今読んでいる本
山極寿一『ゴリラとヒトの間』
米澤穂信『さよなら妖精』
夏目漱石『三四郎』
夏目漱石『私の個人主義』
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